おはようございます。

踏み一巡後は、株価は下がるということを念頭に今週のマーケットは見ておかなければいけません。その際に円高が極端に進行するか、どうかの問題になります。

今回は、国際情勢についてかんたんにおさらいをしておきます。

イラン問題

そもそそ、この根幹の問題は、イラン建国の理念が「イスラエルのせん滅」にあるということを理解していなければいけません。

イランとイスラエルは隣国であり、イスラエルにとってイランが核保有国になることは国家存亡の危機にあたります。

これが問題の根幹であり、その結果、イランの核制裁破棄につながっているのです。では、なぜ、トランプは一切、イランには問題がなかったのに制裁をいきなり言い出したのか、という疑問がわきます。

これは
① トランプが中東和平を政権の公約としていること
② 9/15?イスラエルの総選挙が実施され、ネタニヤフ率いる与党の敗北情勢になっていること

今回の問題は、このイスラエルの総選挙によって中東が不穏当な動きになる可能性が高いのです。

実際にイスラエルはヒズボラ攻撃を名目として、イエメンの軍事攻撃を仕掛けています。ヒズボラはイラン政府が公式に認めていませんが、イランの援助組織であることが公然の事実になると思います。

故に、総選挙によって、与党の敗退、そしてネタニヤフの奥さんの不正によって起訴される可能性が高く、イスラエルの政情が乱れる可能性が高いのです。その際にイランが暴発をしたら困るので、トランプが機制を行った、というだけの話です。

また、パキスタンを挟んで、アフガニスタンとの交渉をトランプがキャンセルしたということはイラン問題と密接に関係があります。

つまり、8月の中旬ころから下旬にはイランにトランプの目は行くよ、というのはこのイスラエルの総選挙結果如何では中東が荒れるよ、ということであり、中国はさまざま動いていますが、トランプの目下の関心はイランにしかないと推測することができます。

要するに、いつまでも中国にとらわれる訳がない状態になっているのです。この時期にイランがメディアにたびたび登場をするのはこういう意味があるのです。

おそらく、これだけのイスラエル総選挙に対して準備を国際社会が準備をしているので何かあったとしても大したことにはならないと思いますが、まさに、第一次大戦のように銃撃一発で緊張状態から交戦状態になるのは変わりません。つまり、この問題は、メディアも問題として深くは日本では取り上げませんが、非常に重要な問題なのです。もちろん、マーケットにとっても、ということです。

イギリスについて

イギリスではボリスジョンソンが屈辱的な敗北を議会に対してしましたが、では、解散総選挙もハードブリグジットもないのか、というとそうでもありません。

方法はかんたんでボリスジョンソンが内閣総辞職をすれば勝手に総選挙になるのです。それだけの話です。

つまりイランも大変だけど、イギリスも今後、どうなるかわからない、という認識でいないと非常にまずい状態なのです。

ただ、どういう形であれ、イギリスのEU離脱は時間の問題であり、もっともその時間が10年後になるかもしれませんが(笑)、離脱するでしょう。いくら国民投票をやっても離脱の決定は覆らないと予測はしています。

この根幹は、ヨーロッパが魅力的な市場ではなくなった、ということがイギリスの離脱理由なのです。かつてイギリスは中東の植民地を手放し、結果、有望な市場がなくなったので、Uに加盟をしたという経緯をみれば、個人的な考えは、有望な市場ではないヨーロッパにとどまる必要がない、と考えるのが普通だと思います。

香港について

キャリーラム行政長官が逃亡犯条例を撤回しました。これ自体は時間の問題と考えていましたので、驚くような事実はなかったです。

これで、ある程度、デモが収まると考えていた中国政府ですが、一向に収まる気配がないのです。

そうなるとメディアは武力制圧と騒ぎますが、以前にも触れたように中国は香港に対して「1国2制度」を標榜しており、その言ったこととやっていることが違うことを非常に嫌うのが中国です。

現実的に、香港に武力介入など中国人のメンタリティーを考えた場合、ありえない、と考えるのが普通です。

この状態で、世界が心配するのは、数年前に起こった、チュニジアのジャスミン革命のような状態は世界に波及することです。

ただ、中国国内はジャスミン革命の余波を、得意のIT諜報員の活躍によって阻止をしています。参考までに、中国国内のIT諜報員など200万人いると一般的にいわれています。これが、今回、ツイッターなどのSNSアカウントを封鎖することによってアメリカがIT諜報員の活動を制約しています。

おそらく、世界には拡散しないであろうと考えていますが、ITの広がりには要注意になると思います。

つまり香港問題も解決をしない、と考えています。次の顛末は来年8月になる議会の会期末、ということになり、息の長い話になりそうです。

マーケット

つまり、上記に挙げた問題などなんの解決の展望もなく、米中の貿易交渉、日韓問題も、解決の見通しなど立っていません。

ところがアメリカの景気は好調、ということだけです。

たとえば、アメリカのISMなどは製造業は不調で、非製造業は好調です。これは、かんたんな話で、アメリカの産業の9割はサービス業なのですから、GDPの7割を占める個人商品のお給料が年間3パーセントも上昇しているのですから、サービス業が好調で当たり前なのです。

また、雇用統計も、政府雇用が増えていますが、これも一時的な数字であり、実際の雇用統計の新規雇用はそれほどよくありません。

どういうことかといえば、去年は最高の売り上げですが、今年は去年よりも売り上げは拡大していますが、去年ほどではない。それで雇用を去年より増やすのか、という当たり前の問題なのです。だから雇用などそれほどよくならない、と言っているのです。

つまり雇用が20万人以上ふえるとおもっている方は、新規雇用が20万人以上だと景気は好調なんて勝手な方程式を作り、勝手に不景気だ、と叫んでいるだけの話です。そもそも完全雇用下において、新規雇用などそれほど増えないのが当たり前の話です。

特段、10万人でも、問題ないということです。

つまり今後、アメリカで出てくる統計がアメリカは去年10月でま好景気だったのですから、9月に出てくる数字のほとんどは8月のものです。その去年と比較して今年の数字は去年と悪いのはほぼ確定的なので、コンセンサスよりも低い数字が出るのです。

それで不景気と言って売って肥やしになってください、としか言いようがないのです。

今のマーケットはほとんど内部要因で動いていますので、テクニカルを重視せざるを得ないのです。