おはようございます。

今週の注目はなんといってもISM製造業指数になると思います。その理由は、モーサテでISMを挙げる人が多かったからという消極的な理由からです。

本日はそのことを中心に解説していきたいと思います。

ISM製造業指数

上記はISM製造業になりますが、このグラフの見方は何度も解説しているように去年の同時期と比べることが肝要です。

そこで2018/9月を見ます。去年の9月は、8月に高値をとってまた低下をしてきたことが確認できます。すなわち、今年の8月(右端)がこのグラフでは過去最低になっているのは当然のことになります。

つまり、マーケットのコンセンサスであるISM製造業は、多少は戻る、ということが言えると思います。去年は、9.10月は下がり続け、11月になると再び戻り高値になっています。

ですから、今年の場合は、9-10月にISMは戻り、11月に押し目になると想像することができます。

しかし、これには季節的要因が含まれておらず、これを勘案して考えなくてはいけないということが言えます。

この季節要因というのはズバリ年末商戦のことになります。たとえば、大手のスーパー、コンビニなどはまだ気が早いとみなさん思うかもしれませんが、すでにクリスマスケーキやおせち料理の予約販売を進めています。

この意味は、たとえばクリスマスケーキの材料となる、特にバターなどは日本では年末に品不足になることが恒例行事であり、その手当などを今から行っておかなければ手当が間に合わないということです。

つまり売り上げもないのに、資金を調達しなければいけない、ということになり、短期資金の需要が大幅に上昇するということです。NY連銀が短期国債金利、レポ金利が大幅に上昇したことから介入を実施したのはそういう意味になります。

つまり、年末商戦に向けて、短期の貸し出し需要が大幅に上昇するのが毎年の恒例行事になります。一般的には、法人税支払いなどにより、短期金利、レポ金利が上昇をしたというのがコンセンサスになっていますが、おそらく私は年末の資金需要が大幅に発生をしていることが、短期、レポ金利の上昇につながっていると思われます。

クリスマスケーキやおせち料理の注文を受け付けを開始しても、まだ、代金は入ってこないですが、その準備をしておかなければいけない、できれば注文数がどの程度になるかは借金をする側にしてみれば予測したいのが本音になります。

つまり、今の時期から募集を開始する理由はすでにその準備をするために借入金をしているから募集を開始してその需要予測を立てたいというのが真相だと思います。

つまり季節要因というのは、こういったわかりやすい理由だけではなく、たとえば米中貿易戦争においてクリスマス商戦の影響を念頭にその関税引き上げ開始時期を遅らせたのは、あの時期に、クリスマスの資金需要の手当てを行っている業者の声が強くなったのにすぎないとは思っています。

ともかく9-11月にかけては、アメリカの製造業や販売業はクリスマス商戦に向けて大幅な準備をしている時期、これが毎年の恒例行事になるのです。

ですから製造業ISMというのは季節的に上振れしやすく、黙っていても、上振れしやすいということなのです。

一方で消費者は、アメリカの場合、給料の伸び率>インフレ率、金利になっているのですから放っておいても過去最高のクリスマス商戦になると思います。

ですから、今年の9-11月の業者は例年になく気合が入っているはずなのです。ですからトランプに関税の開始時期を遅らせろだの、NY連銀がレポ金利の高騰に対して介入しなければいけないほど需要が強いということなのです。

ただし、この見通しが外れた場合、10/4の記念日には大きく下がる可能性があるということです。つまり大幅下落というのは、上がっているから大幅に下がるのであって、今年のドル円、株価の場合は眼を見張るような上昇ではないのです。しかし今週、急騰した場合は要注意になるのです。今週、前半の動きがカギになるということです。

雇用統計も悪いと思っている

雇用統計のコンセンサスがいくらなのかは、私はまだ調べていません。しかし、言えることは今までのように一般的に言われるように新規雇用20万人が好不況の境目というような基準はもうすでに当てはまらないと思っています。

つまりアメリカは完全雇用であり、20万人も新規に人を雇用するような環境ではないのです。今までは、自動車業界のレイオフなどがあったために、その新規雇用が増えた時期もありましたが、今後、そのようなことがなくなれば、20万人の新規雇用などいかなくなるからです。

つまり今回の雇用統計。新規雇用人数が5-8万人の可能性があるよ、といっているのです。市場はまた勘違いをして株やドルを売るのでしょうが、そこは逆に買い場だと思って対処をしなければいけません。今の段階では買い場と明言することはできませんが、そもそもアメリカ経済、日本経済もですが、少なくても貿易によって下振れしているという証拠は一歳ないのです。

ただ雇用統計の懸念は、今月のハリケーン被害によって、雇用打ち止めになった人がそこそこはいるはずです。その数字が失業保険申請者数に表出するはずなのですが、その数字はでなかったので何とも言えないのです。

たとえば自動車、ボーイングのレイオフも相当数を行ったはずなのですが、失業保険申請者数は全く上昇しなかったのです。しかし、雇用統計の新規雇用は大幅に増えたのです。

つまり今月の雇用統計はハリケーンで解雇された人は多数いたけど、ほとんどがすぐに再就職ができた状態にあるほどアメリカの景気は好調なのだ、ということなのです。

ただ、雇用統計が予想以上に少ない数字になる場合は10/4の記念日には急落する可能性があるよ、と言っているのです。