おはようございます。

ようやく、町の浮かれた雰囲気がなくなり通常運転になり私自身、ほっとしています。町の雰囲気は非日常でありマーケットも非日常であればなんとなく気合が乗らないという表現が正しいのかどうかはわかりませんが、日常を大切にしたいものです。

本日は、中東で起こっていることの大きな流れでの解説を行いたいと思います。

 

中東での緊迫状勢

正月早々に、イラクで米国大使館への攻撃、そしてイランの革命防衛軍への攻撃が起こり緊張は高まっています。

米国とイランは去年までは対話を望んでいましたが、これらの事件によって対話はほぼ不可能になっています。これは、去年まで私が言っていたように緊張状態は行きつくところまで行くよ、と言っていた通りの展開です。

理由は非常に明快で、中国も北朝鮮も、イスラエルも、そのほかの問題も将来の展望が全く見えません。つまりどうやって解決するか、の道筋がまったく誰がみても見えないのです。そんな中で見えるのは、イラン問題はアメリカがイランに核放棄を強要しても構わないという選択肢はあると思うのです。

北朝鮮に核放棄を行ったとしても、同盟国である韓国や日本が危機にさらされるリスクがありますので、安易な行動を起こすことができません。ところが、イランに対しては、原油の輸送路がリスクにさらされますが、リスクを相対化した場合、戦略を取りやすいというだけの話です。

おそらく、今後、トランプが抱える問題はどこかで行き詰まりを見せることでしょう。その場合、大統領選挙でトランプ批判につながると思われます。そこで打開策としてイランがあるとは考えていました。結果は年末年始の事件の通りになります。

米中の貿易交渉は第一段階をクリアと言いますが、何ら根本的な問題は解決をみていません。米国にとって一番大事なことは知的所有権になりますが、中国の工業化システムの中でその概念を導入すれば経済失速は確実ですので受け入れることができません。つまり解決などしようがないのです。

ただ、イランには強制することができる可能性のある唯一の国だっただけの話なのです。困ったときにはイランに行くであろうと思っていましたが、事態がどん詰まりになる前に手を打ったのは意外としか言いようがありません。

 

米国の戦略

よく、アメリカの批判を行うものがいますが、現状の世界はアメリカによって安定が保たれていることは事実です。これは、覆しようがない事実であり、日本は戦後、これほどまでに驚異的な成長をしたのもアメリカのおかげです。

この前提を全く理解しようともせずに、世間に流されて、アメリカは横暴とかいうような人がたくさんいらっしゃるのには違和感しか覚えません。

では、アメリカは何を考えているかといえば、アメリカの基本方針は、自由、公正、民主主義、道徳などの推進です。

この中には法律を守る、道徳を遵守するということがあります。

この法律を遵守ということをそもそも否定しているのがイスラム教です。私は今までイスラム法学者の言うことを表面的には理解しながらも、なんとなく理解できなかったのですが、その意味が我々の理解を超越していたからになります。

つまりイスラムの世界では、人が定めた法、ルールというのは軽視し、神(アッラー)が決めたルールだけをムスリムは遵守しなければいけないのです。

つまり日本の憲法のように、誰もが素晴らしいことを書いてあると認識する価値観が我々の一般的なものですが、ムスリムにとっては人が定めたルールなど守る必要がない、というのが基本的なムスリムの考え方です。

根本的に法の順守によって発展してきたアメリカにとって、基本的にはムスリムと相いれないというのが基本路線です。つまり中東地域とアメリカは常に敵対関係にあるのです。

そのイスラム教とアメリカの率いるプロテスタントの宗教戦争がすでに始まっているという風に考えると今のイラン情勢は理解できると思います。

イスラム教ではインターネット革命によって誰でも、コーランを読むことができるようになり現在、宗教革命が起こっている最中なのです。

これはキリスト教がルター改革によってカトリックとプロテスタントに分かれたようなものです。その後、数世紀にわたりヨーロッパで宗教戦争が起こったのと同じ構図なのです。

その際にアメリカがとる戦略はいつも決まっており、紛争をいっぱい起こし、そして本命の敵を徹底的にあぶりだすということになるのです。

イランとは戦争をすると叫んでおきながら、トランプは決定的な決定を下さないというのは内戦状態に持ち込み、イランの国力をそぐことを考えているからでしょう。

本命の相手は中国なのか、イランなのか、よく観察をしていかないとわからないのですが、現状はそうなっているのです。平和な時代が続くというのは、現在の情勢をみていると幻想にすぎないのはなんとなくみなさん理解できましたでしょうか?

ムスリムの内紛、つまり、聖職者とコーランを重視するものの対立、アメリカのイデオロギーに反する国家を叩く構図、こうやって考えると今年中に世界が大混乱するということはないでしょうが、こういう方向に向かっているということは理解しておかなければいけないのです。

 

本日の相場

ツイッターにて暴落する銘柄は何? というご質問を受けましたが、基本的に現状、マーケットは混乱していますが、まだ、マーケットは安定するとみています。

基本的に私の戦略は、暴落したものを買うだけの話です。ですから、ここで売ろう、という気持ちがありません。何を買おうか、と考えているだけの話です。

すでに急落は始まっており、売りは儲かりますが、売っていない時点で、売り参戦は見送ったほうが賢明でしょう。

目先はどこで買うかの問題だと思っています。

ドル円のテクニカル日足は10と30がデッドしており、このデッドの瞬間はたいていの場合、急速に戻ります。

ファンダメンタルズからみると本日は円高ですが、テクニカルは円安の可能性が高いという風に出ています。

中期的には円高だと思いますが、このイラン情勢の不安定が去ったときに円安になるか、円高になるかはまだ判断がついていません。今は、円高の中に戻りがあるか、どうかを判断しなければいけません。