おはようございます。

きのうはナスダック市場の急落が起こるのではないか、と記しましたが、結局、大きく戻しての引けになります。

しかし、この急落の注意報はまだ解除された訳ではないと思います。

CPI

きのうアメリカのCPIが発表されました。

このコロナの最中に原油の急落などがあり、インフレ率はそれほど下がっていないな、というのが心象です。

もちろん、上記はコア指数になりますので、エネルギー価格のインフレは含まれていません。上記は前年比になります。

これに注目する理由は、まず大量の資金供給によってお金があふれています。そして、結果として物価上昇を伴うだろうというのが私の予測です。

しかし、その結末は6か月後、つまり9月ごろ(指標発表は10月)から開始されることが過去のデータから明らかになっています。

その前に労働市場が劇的に改善することは過去のデータでも明らかです。労働市場は、劇的に戻っていると観察ができますが、以前の水準にはまだほど遠い、という状態です。

しかし、今回の場合、過去と違うのは大量の資金供給は一緒ですが、給付金が存在していることです。

つまり給料がなくなっても、補助金によって以前からの消費は維持できる、需給面でいえば物価は上昇をするということになりインフレが近いといえると思います。

ゆえにきのうのCPI直後に金利上昇懸念が台頭をし、結果として株価が急落をしたということになります。

一方で物価が上昇をしているということは、GDPを自動的に物価上昇分上昇するということも織り込まれるので株価があがったということも言えます。

しかし、現状のマーケットはそういったことが材料ではなく、大きく急落したところに、大量の買いが入った、主に個人投資家の、と想像しています。ゆえに足腰が不安定な株価と予測をしています。

何れにしても、今後の注目点は物価の推移と労働市場の正常化になるということでこれらの指標には注意が必要ということです。

NY連銀指数

今夜はエンパイアステート工業指数の発表になります。

コンセンサスはプラス10です。

私はこのあまりの楽観的な数字にかなりの疑問をもっています。それだけです。

因果関係

きのう、この急落を読むのには4つの要因があると記しました。

① 金融緩和の縮小
② 前年比
③ 前月比
④ 内部要因  と記しました。

因果関係というのは原因がわかっているから結果がわかるということを話をずっとしています。上記4つが原因であるとすれば、結果は、自動的にわかってきます。

上記のうち②③は今後、変化しないものですので、考察の対象からはずします。

では①から検証をしていきます。中央銀行の緩和に関しては、今後、事実が動かない、つまりこの緩和の目的は、流動性の確保とそして信用供給の側面があります。

流動性の確保というのは、お金を借りたいときに借りれない、そしてマーケットでは売りたいときに売れないというようなものをお金の流動性と言います。

この流動性の確保は、いろいろみなさん不満な側面はあると思いますが、一応、正常化していると個人的にはおもっています。では、今後、動くとすれば信用供給の面です。

信用供給というのは、ようするに風説などによってあの会社が倒産する、などのうわさによって信用が剥落をすることを指します。つまり、株価が急落をする、という不安です。

つまりFRBや日銀が今後、金融緩和を拡大するのには、株価が大幅に下落をしないと拡大はしない、ということです。

ですから①の要素の因果は株価が急落するまで緩和は拡大されない、ということが言えると思います。

ゆえに買い屋が安心して買っているという側面も指摘ができます。下がっても、政府が助けてくれる、という安心感です。

しかし、きのうのCPI、たった0.1コンセンサスと違っただけで、あれだけの急落を起こす金融市場、このブレが大きくなったときに、対処できるのか、ということです。

要するに史上最大の資金供給でインフレが起こることは必然なのに、その対策はこれからとなり、その方法論は皆無に近い状態です。

要するにこれに対処する学説がほとんどなく、誰もが物価上昇がスタートすればそれを止める手立てがないのが現実です。

つまり、この対策をする必要があるのですが、これに対する対策も研究もまったく進んでいないのが現状です。

この状態でいつもの危機のように中央銀行が信用供給をしてくれるから安易に買い、なんて選択肢は私にはあり得ない、としか言いようがないのです。

そして次に④の内部要因です。この相場の基本的な路線は、踏み込み相場になると思います。

きのう急落をしたのは、総踏み状態、原油がマイナス価格になったのと逆状態という意味です、に物価上昇を伴ったからと想定されます。

中味は総踏みになったので一気に新規買いが増えたと思われます。

私が買い屋だとしても急落前の株を買える人はかなりのチャレンジャーだと思いますが、まちに待った押し目が到来をしたのですから、一斉に買うでしょう。

この人たちはほぼ個人投資家になると思いますので、信念も買う根拠も乏しいという人たちだと思います。つまり直ぐ下がれば退散するようなバッタのような存在です。

バッタが大量にアフリカからインドに行っていますが、バッタの襲来の後はひどい貧困になるのが通常です。

今回もバッタが大量に食い荒らし、あとに残るものは? と思います。これは株式マーケットの話です。

端的にいえば、いままでは大量の新規売りがエネルギーだったのですが、この急落によって大量の新規買いがエネルギーになる可能性があるのです。

これを損切りさせるのには転売、すなわち投げです。この投げを促進する相場に今後なると予測します。

上記の①④の因果を考えるとどう考えても、今後のマーケットは、下方向しか考えられませんので、きょうの入電が大きく戻ってもそれほど心配していない根拠になります。

ただし、この①-④の原因が正しければ、という注釈がつくということです。たぶん、間違いないと思っているから、みなさんにご説明しているのですが、間違っていればごめんなさい、ということです。

ドル円について

複雑怪奇になりますが、少しだけ書いておきます。

まず日経が下がれば、日銀がETF買いを出動します。ゆえに日本株買いが崩れる可能性は少ない、というよりも為替の関係性からアメリカよりも日本株のほうがあがる可能性が高いというのが現状です。

しかし、一方でアメリカ株はナスダックを中心に急伸している状態です。

本来なら、日本株のほうが上昇しなければいけないのですが、アメリカはそれ以上に上がってしまう。つまり日本時間は日経高をうけて円安になりやすいが、アメリカ時間はアメリカ株があがるので、円高になりやすいということなのです。

本来なら大きく、きのうのケースが円高にいかなければいけませんが、なぜドル買いのポジションを投げないかといえば、みな、明日になれば日本政府が買ってくれるという安心感があるので動かなくなるのです。

踏み投げがなくなれば市場のボラは相対的に下がります。

ところがナスダックを中心としたITが下げ基調になれば、日本株高が確定をしますので(あくまでも相対的に)、円安になるでしょう。

しかし、勘違い野郎が大量にドルのショートポジを取りますのでなかなかいきにくいよね、と思うのです。ただ、ベースの円安シナリオは全く変わりがありません。

自分でいうのも変な話ですが、ここまでロジカルな話をしている人はいないと思います。