おはようございます。以前も解説をしましたが、アメリカの給付金は7月末で期限切れになります。

この給付の延長が焦点となっていましたが、共和党が27日にムニューシン財務長官がその延長の内容を発表しました。

給付の内容

給付の内容は報道をみてほしいのですが、民主党は週600ドルの給付の延長に対して、共和党は上限70パーセントとしての給付という内容になっています。この期間はともに12月末になります。

この法案を議会で審議する訳になりますが、おそらく月末まで紛糾し、日本時間の8/1に成立をするのでしょう。

内容は議会、大統領ともに共和党が握っていますので、共和党案が通ると思いますが、民主党の言い分がどこまで反映されるのかがポイントになります。

問題は、この内容の詳細ではなく、どれだけの金融緩和が行われるか、ということがポイントになります。

いままでこのコロナ対策によって予算は使い果たしており、結果としてはファイナンスを行わなければその予算は執行できないということです。

つまり最終的にはFRBが政府の国際を買い取り市場にお金をばらまくことによって、その資金を捻出するほかない訳です。

そこで、先週末までナスダックを中心に押し目を形成していた株式市場になりますが、今週は反転上昇になる可能性が高いということになります。

問題はこの給付によって全米の差別反対運動が大幅に大きくなることです。このことは従前から解説をした通り、米国は不法移民なしには経済活動は回りません。

その正規の米国市民ではない人たちはその給付を受けとることができません。週末にふたたび、このデモが拡大をしているのはこういう背景があると思われます。

そうなれば、余計に経済情勢は悪化することは必至な情勢なのですが、株価は上昇するというなんともチグハグな状況が起こる訳です。

さらに、最大の懸念は、このデモの再拡大はトランプ政権にとっては何のメリットもなく、この給付金が12月末まで延長されるということは大統領選挙にモロかぶりであり、ますますトランプ再選の可能性が少なくなったということです。

いうまでもなくトランプの支持層は高卒以下の白人労働者層ですが、この層が離反する可能性は少ないのですが浮動票の見込みが全くなくなっている状態です。

この浮動票を取れるか否かは、景気の浮沈にかかわっている訳で、その景気は上昇する気配がない、ということです。

株価は高いままですが、実態の経済はちっともよくなっていない、ということです。

株価を本格的に上昇させるためには、一度、適正なところまで落ちなくてはいけないのですが、今回の給付が決定されれば、また、上昇気味になるでしょう。もちろん、30日のGDPもありますが、金融緩和の影響がどう出るかの綱引きになります。

何れにしても週末に、輸入の状況をご案内しましたが、アメリカ経済の復帰は非常に難しい状態です。

そして政権移行のリスクを考えると本当に難しい相場となっていくことでしょう。

このリスクを抱えながら、株価が上昇? という訳のわからない提示には安易には乗る訳にはいかない、というのが私の個人的意見になります。

日本のリスク

日本のGDPは本来7/15前後に確報値になりますが、今回、企業法人統計、7/27発表を待ってから8/3に1-3月期の確報値を発表することになっています。

さらに4-6月の速報値が8/7とGDPラッシュとなります。

まず、経産省の企業法人統計がどうなるのか、さっぱり見通しが立たないということが問題の一因にあります。

したがって1-3月期のGDPも本当に正しいのか、これに類似する数字になるのかを予測するのには判断がしようがない、という問題があります。

したがって、ドル円はアメリカと日本の経済格差の比差によって成立しているレートになりますので、なんともいえない、ということです。

ただ、外観をみていると日本>アメリカに今のマーケットは成立をしており、円安方向なのであろう、と思います。

一方で、今週はアメリカの追加緩和期待が高まりますし、これと言って、アメリカ株を売る材料が30日のGDPまでないということを考えると、高止まり、ゆえにアメリカ>日本となり週の前半は円高気味になるでしょう。

しかし、どう数字を分析しても、大きなボラは期待できないよね、というのが現時点での分析になります。

好材料と悪材料が入り混じっている状況の中、まだレンジから抜け出せないよね、というのが現時点での私の相場観です。