おはようございます。きのうは日経も、ドル円もそろそろ良いところだよ、という内容でした。

今のマーケットを乱している主な原因は、大統領選挙の結果が不安定な結果、と記しました。では、大統領選挙の状況はどうなのか、ということを考えればその結果、つまりマーケットの成り行きは見えてくるということになります。

米大統領選挙の行方

これに関してはブルームバーグの記事がよくまとめられていますので、そちらをご覧ください。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-11-19/QK0HS3DWLU6E01

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-11-19/QK22Q6DWX2PX01?srnd=cojp-v2

この記事の要点は、トランプ陣営が「選挙は不正だ」という主張をもとに、日本でいう選挙管理委員会にその調査を求めたものになります。

その結果がきょうから月末にかけて、発表をされるということです。

この結果が仮にひっくり返ったとしても、バイデンの勝利は揺るがない可能性の方がすでに大きく、つまりトランプの敗戦はすでに決定的になる訳です。

ただ、これは選挙管理委員会の決定であり、裁判所の決定ではないのです。つまりここに裁判所に訴えを起こし、その不正が分かった場合はまだひっくり返る可能性があります。

特に問題はペンシルバニアになります。ペンシルバニアでは従前まで郵便投票が投票日までしか認められなかったのですが、それが今回、投票から3日以内に投票されたものも認められると裁判所が決定したことが問題なのです。

そのほかの州の郵便投票は、今迄の投票慣例によって認められてきた日数で票をカウントしていたので特に問題はありません。

しかし、ペンシルバニアは今回、3日以内までは有効というのは慣例があれば争点にもなり得ませんが、それを認めてしまったことに問題があるのです。これがもめる原因になっていることはみなさんもおわかりだと思います。

そして肝心なトランプは「選挙は不正だ」というだけで証拠があるとは一言も私が見る限りは言っていません。

本人からすればウソは言っていない、ということになるのでしょうが、不正だ、と言い切るのであれば証拠があるのであろう? と感じるのは当然のことでしょう。本人からすればウソはついていないのです。

問題は、その証拠を法廷戦術で出さないのか、本当に「ない」のかの問題で、現時点では、なんともいえません。

ただ、これらの問題で言えることは、12月の上旬までに選挙管理委員会はバイデンの勝ちを認定することです。

そして、不正の証拠を出すことができなければ、トランプはジ・エンドになる訳です。となると12/8の選挙人投票も行われ、バイデン次期大統領が誕生するでしょう。

つまりマーケットは最終決定である、ウィスコン州を待つまでもなく来週までにはバイデンの勝利は確定してしまうのです。理由は、選挙人の獲得人数からトランプは最低でもたしか3州以上を逆転しなければならないのです。

本日はジョージアらしいですが、その確定が決まってくるたびにこの異常なドル安が終了してくるのではないのでしょうか?

それまでにトランプは証拠を示さなければいけないのですけどね、たぶん、無理でしょうね(笑)

現在のマーケットの状況

上記は日米双方の実効為替レートになります。

2020年の11月に入ってから大急落をしているのは観察できると思います。大統領選挙の投票日が11/3になりますので、このドル安、円安は大統領選挙の結果によって起こっていることがわかります。

コロナの感染者をみてみましょう。
アメリカ コロナ感染者数

日米双方ともに、感染者は11月に入って増えていますので、実行為替レートが11月を境に下がるのは当然のことになります。

ところが株価は。

10/20を底に、11月に入って急騰をしています。

つまりドル安、円安によって、株価が急騰をしたことがわかります。

10/20から11/1までのタイムラグがありますが、11月からさらに株価の急騰が酷くなったのはドル安、円安の影響が大きくなったといえるでしょう。

こうやって考えていくと、現在のマーケットはコロナで経済活動の低下をしているのであれば株価は下がるはずなのに、下がらないのですからコロナの影響を織り込んでいないと考えるのが妥当な考えになると思います。

そして織り込んでいないのはドル安円安が、上記の説明のように大統領選挙の混迷が終わればドル高円高になる可能性が高いのですから、株価は下がる訳です。さらにコロナの影響も織り込んでいないのですからさらに下がるということになります。

ドル円が急激に円高になったのは発生の根源がアメリカ大統領選挙になる訳ですから、アメリカ<日本になる訳です。ドル÷円がドル円の計算式ですから円高になる訳です。

今後の展開

来週には大統領選挙の結果も判明してくると思いますので、まず根源のアメリカ実行為替レートは必要以上に下がっていたのですから、必要以上に上昇するでしょう。日本は道連れで円安になっていたのですから、その上昇は限られます。

その結果、アメリカ>日本になる訳ですからドル÷円を想像すれば円安になるでしょう。いままでクロス円は、円高の所為で上昇しなかったのが円安になれば、どうなるのか考えてみてください。

株価はドル安円安で株価が上昇をしたのですから、反転するのは当然で、その上に、コロナの影響を織り込んでくるのです。となると、どうなるのか? の問題です。

長期的な展望

下記記事の真ん中あたりにある世界各国の年初からの成長具合をみてください。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-11-19/QK15F2T1UM1701

日本の成長は欧米と比較してちっとも鈍化をしていないのはおわかりになると思います。日米欧の中では日本はもっとも影響を受けない国になっているのです。

ゆえにアメリカ<日本になり、今年は円高になりやすかったということはおわかりになると思います。

しかし、アメリカも金融緩和を世界最大レベルで行っており、その成長は今後は期待できます。アメリカもヨーロッパも今後も大規模な緩和を行ってきますので一時的にヨーロッパやアメリカの成長が日本を上回ることになるでしょう。

そうなるとアメリカ>日本となり円安になるのです。

日本の株価は11パーセント、去年と比較をして高い状態で、アメリカのダウは現在5パーセント高い状態になります。

これが崩落するとすれば、日本の株価の落ち込みが激しいということになります。こういった点でもアメリカ>日本が強調され、結果としてどうなるのか、ということです。

この解説をみれば、来週はマーケットの転換点になる可能性が高いということになります。そして週末の金曜日は仕込み場になる可能性が高いということです。本日の日経は戻る予定です。ドル円はなんともいえないよね、ということです。