おはようございます。
FOMCは予測が外れ、利下げをしました。直前にも触れましたが、自信がない、と言った通りの結果でした。
しかし。マーケットはドル円は円安にいくよ、と言ったわけで正解、株や金も下がるよと言って、結果は正解というなんともチグハグな結果です。
まだ、詳細はわかりませんがわかる部分だけを解説をします。
パウエル発言部分
- 「利下げは下方リスクに対する保険」
- 「利下げは物価2%目標達成を後押し」
- 「米経済見通しは依然として良好」
- 「FRBは低調な世界経済成長や通商政策巡る不確実性、インフレ抑制を懸念」
- 「経済は長期間目標に近い」
- 「我々は政策の中期調整として考えている」
- 「足もとの利下げ決定は利下げ局面開始とは異なる」
- 「FEDは持続的な拡張のために適切な行動をとる」
- 「前回会合以降、良好な兆候と悪い兆候を確認」
このように記者会見での部分的なものを書いてみました。
要するに、アメリカ経済は好調だけど、貿易問題やインフレが起こらないことを懸念して利下げを行ったとのことです。
重要なことは、FRBというのは、アメリカの国内景気を司る機関であり世界経済には関与をしないというのが基本です。理由は法律で、世界経済に関わるという規定がないからです。つまり、トランプの圧力に屈したと事実上、認めるという発言になります。
そして発言の要旨としては世界経済の下方リスクと、インフレが起こらないことに不満をもっているということになります。
マーケットの動きの解説
まず、ドルインデックスが上昇、ということがありますが、ユーロをみてください。ユーロが大幅に下落すれば相対的にドルは上昇します。
つまりドルインデックスの構成要因の40パーセント以上がユーロドルの相場にかかっているのですからドルが上昇したように見えるのは当たり前の話です。
つまり、ユーロドルが下がったから、相対的にドルが上昇したように見えるだけです。
ドルは利下げをしたのですから、金利狙いの投資家(イールドハンター)はドルを売るのが当然になります。アメリカドルや債券をもっていても、その価値は利回りが下がるのですからドルは下落をします。
ドル円においてはドルが一方的に下がり、日本の発表は現在、何もないのですから分子のドルが下がれば、ドル÷円の解は結局、大きくなる、つまり円安になる、ということです。
また株価は、債券とセットで考えなければいけません。まず、利下げをするということは債券価格は上昇、金利は低下になります。すなわち債券買いをしなくてはいけません。
ところがファンドは従前から債券売りー株買いのポジションですから、その裁定解消のために債券買いー株売りのポジションを取ります。その結果がFOMC直後の動きになります。
しかし、中長期的にみればいままで株価が上昇したのは、低金利のおかげですので株はどこかで買いになります。
債券は、すでに利下げ0.25-0.5を織り込んでいましたので、価格が上昇しすぎていたのです。つまり適正な水準に戻していく形になります。おそらくこれ以上の債券価格の上昇はない、つまり低金利は是正をされると思います。
株価も買い過ぎた部分があったのですが、債券ほどではなかったのです。ですから大きな調整とはなり得ず、適正なところで買いになると思います。慌てて買うことはないと思います。
新興国通貨はおそらく金利の下げ0.5をマーケットは期待していたのでしょう。その思惑がずれた分だけの急落でしょう。利下げはドル安になるのですから、新興国にとっては追い風になります。つまり現時点で下げてもそこは絶好の買い場になると思います。
金についてはよくわからないのですが、金は株価とこういったリスク回避の場面では歩調を合わせます。通常、ドル安、低金利だと金は急騰をするのです。しかし、この利下げが現実に行われたことによって、やはり金は頭であろうと思います。
FOMC直後なので、まだ整理されていない部分もありますが、結局、低金利、ドル安というのは何をもたらすのかを考えれば、帰結はバブルしかないのです。市場金利が上がらない状況においては円安、株高は進行をしていくでしょう。