おはようございます。

雇用統計は予測通りコンセンサスよりも少ない人数でした。しかし、お給料の上昇はそれほどでもありませんでした。これは物価が停滞、そしてドル高によって物価が抑えられたことと考えられます。

今回は雇用統計の解説に絡めて、ドル円の動きを解説します。

金利とドル円

上記は10年物国債利回りの1年間の推移になります。

去年の10月は3.2パーセント程度の金利だったのに対して、雇用統計のときは、1.5パーセントです。金利は1年間で約50パーセントも変化をしています。

それに対してドルはどのような動きかを見ていきます。

上記はドルインデックス1年間の動きになります。

去年の同時期に95.5だったドル指数は雇用統計の火には98.8くらいの数字になっています。その変化率は3.4パーセントになります。

ドル円の計算式は何度も言っているように「ドル÷円」で、算出されます。

これに金利を加えると(ドル×ドル金利)÷(円×円金利)によって算出をされます。

つまり、きちんと算数をやっている人間にはおわかりになると思いますが、主な計算式ドル÷円のドルと円が主な決定要因になります。

このドルの変化率がたったの3パーセント程度なのに対して、金利の変化が50パーセント近くもあるとすれば、現在のマーケットがドルと金利、どちらに影響力があるのは自明のことです。当然、金利のほうが、重視される訳です。

つまり、現在のマーケットは金利を中心に動いている、ということを指摘するブログや専門家は「ない」と言っているのです。これだけ金利を中心にマーケットが動いているのに、金利に関してわかっていない人が多すぎるというのが私の心象になります。

ただ、金利の概念は非常に個人的には難しいと感じますので今から、コツコツと勉強していくほかないのです。つまり、きょう学んで、明日にはできるというような代物じゃない、ということです。

今までは、ドル高、ドル安、円高、円安によって相場を語ることができましたが、現在は金利の上下動によってマーケットが語ることができるようになるのです。

ただ、メインはドルや円の上下動によって動いていることは計算式ではわかりますので、ドルや円の動向にも注意しなければいけないのが現実です。この辺を理解していくとドル円の意味不明な動きも理解できるようになると思います。

この積み重ねがFXをマスターする道になると思います。繰り返しますが、こんなことを解説しているサイトや専門家はいない、と言っておきます。

 

実際の相場

非農業部門の新規雇用人数は、いちばん右端の136,000人です。ただし、先月は修正されており、発表は13万人だったのが16.8万人になっています。

コンセンサスは14.5万人ですから、13.6万人では予測よりも低いということで売り材料ですが、先月分が修正、+3.8万人になっていますので、強弱おりまぜた材料となります。

若干、これだと強い内容になるかと思います。

これを、考えていくとドル高と考えることができますし、実際の相場もそうなっています。

しかし、現在の相場はドルの強弱で動いておらず金利で動いています。金利を反映する発表というのはお給料の上下動になります。

お給料は、前月比で変わらず、年間比で2.9パーセント(右端の数字)になります。

これは予想以上に少ない数字であり、レンジの範囲外になります。

こうなると、物価の上昇が年間だいたい、1.6パーセント、賃金の上昇が2.9パーセントになりますので、先月よりも前年比でお給料の伸びが悪いということは労働者の可処分所得が減ったということになります。

これはすなわち消費が減るという意味であり、消費が減れば、商品の需給が緩み、物価が下がる、イコール金利が下がるということになります。

金利が下がれば、株価が上昇する、この意味は、金利が下がれば企業の借入金の返済コストが減るので株価が上昇するということです。

さらに金利が減ると、債券の価格は上昇をする、債券価格=ドル価格と考えるとドル高になる訳です。

雇用発表の時間に、日本の経済指標や事件などがありませんので、円は変わらず、と考えて計算式を組み立てると

【ドル(債券高なので上昇)×金利(お給料が上昇しないので低下)】÷【円×金利(動かず)】ということになります。

問題は、債券の上昇とお給料の低下が相殺するかの問題であり、ドル高<金利安だからこの上記の計算式の解が大きくなったから円安になっただけの話なのです。

つまりドル高だから円安になったのではなく、金利安だから円安になったのです。