おはようございます。
即位の礼も無事に通過をしました。しかし、世界はブレグジット、カナダ、クルドなど大荒れ模様です。
今回は、為替の全体システムについてお話しをさせていただければと思います。特に、ドルストレートは円高、横ばいなのに、クロス円は円安というのはリーマンショック以降よくでる形になっていますので、なぜ、そうなるのかの話です。
なぜ、クロス円は円安なのか?
なぜ、クロス円は円安なのかの話をしていきます。以下のグラフをみれば歴然になります。
上記はドルインデックスになります。
10月まで順調に上昇をしていましたが、急落をしています。99.5辺りから一気に97前半まで下がっており、約2.3パーセントも急落をしています。
つまり、大幅なドル安ですので、それに対して、各国のストレート相場は現地相場高ドル安になっているだけの話です。
ポンドが上昇をしているのも。経済が悪いオセアニア相場の上昇も同じ理由です。
相対的に10月に入ってから、全部、みてはいませんが、クロス円はこの状態であれば上昇をしています。
ところが、ドル円は、台風19号の影響で、大きな被害が出ています。ゆえに産業活動や消費が減少すると見込まれますので、日本の実効為替レートが下がっているのです。
ほかの国は「相対的」に上昇をしていますが、日本はアメリカとおなじような割合で下がってしまったのでドル円は横ばいになっているのです。
アメリカのドル安はなぜ、進行したのか?
非常にかんたんな話になります。
今の、マーケットは金利を中心に動いているというのは何度も今まで解説をしています。だったら、アメリカの金利をみればよいというだけの話です。
上記はアメリカ10年債利回りになります。
9月の頭に利回りが急騰をしていますが、10月の頭にも金利が急騰をしています。この10月に入ってからの金利の急騰というのが、10月のドル安の犯人と考えていくと、今月末に行われるFOMCで何が起こるかは自明になります。
今後の見通し
上記の金利グラフをみると、少し、また金利が低下をしていることに気づくことになると思います。
つまり金利が反転して、下がる傾向がある、とみることができます。
そうなれば、今まで金利高からドル安が進行したと仮定をすれば、金利安になればドル高になるということです。
そうなると、クロス円は押し目を形成し、ドル円はそもそも動いていないのですから動く要素がないと考えることができます。
ただ、もう少し詳細にみていきます。
日本の場合は台風19号の影響で低下をしていて、これが継続するかどうかの問題です。問題は、台風19号の被害想定額を基準に補正予算が決まるのですが、これがまだ確定していません。
野党はその補正予算を早急に、と要求しますが、被害額が確定をもしていないのに補正予算の具体的なこと金額が言える訳がないのです。
被害額予想額が決まればそれに対して、効果的な補正予算を組むのが本来の政治になります。
ただ、どちらにしろ、補正予算を組むということは金融緩和ですので、日本の実効為替レートは下がります。
一方、アメリカは、金利が反転して上昇をすれば、実行為替レートは上昇するのですから、アメリカは大きくなる、と考えればいいのです。
こういう仮定条件を組み立てていくと、ドル÷円の解がどうなるのか、大きくなるのか、小さくなるのかは自明になります。
もし、この仮説がうまく機能をしなければ、金利が上昇したからドルが下落を下という仮説がまちがっているのか、それとも、各々の細かい仮説がまちがっているかが検証可能になるのです。
こうやって考えていくと為替取引がすべてにおいて、ロジカルになっていき、大きな間違いがないということになります。
いまだに、ここに回答を求めて円安、円高の見通しを求める方を散見しますが、それに対する私の回答は自分で考えてください、です。予測可能なツールはみなさんにすべてお渡しをしているのですから、自分で考えればいいだけの話です。