おはようございます。
千葉県のお住まいになられているみなさんにお見舞いを申し上げます。
連日の被害でお疲れのときに再びの被害、重ねてお見舞い申し上げます。
本日は、いままであまり触れてきていなかった、アメリカの財政について考えていきたいと思います。なお、金利に続き、財政も私の苦手分野の一つです。申し訳ありません。
アメリカ月次財政報告
上記はアメリカの月ごとに財政収支になります。
要するに支出と収入の差になります。上記をみてわかることは、毎年、4月、9月、12月には黒字になり、そのほかは赤字になるということです。
この意味は、税収が入ってくるのが4.9.12月という意味になります。
今回の発表は9月でしたので、今回の発表は106ビリオンドルの黒字がコンセンサスだったのですが、結果は83.8ビリオンドルの黒字という結果でした。結果として予想以上に黒字が少ない、パーセンテージでいえば20パーセント程度、コンセンサスから乖離をしたので、マーケットは売られたのです。
要するに、アメリカの財政赤字の解消が、黒字が思ったほどではなかったので、金利が急伸したのです。金利が急伸するということは、今のドルにとってはネガティブな材料になります。結果としてドル安になった、ということです。
アメリカの財政赤字が拡大するということは、株式市場には緩和期待を増幅したということで株式は上昇したのです。そもそもドル安は株式市場にとってはポジティブな材料になります。
これがきのうの動きになると思います。この説明に反論できる人はほとんどいない、と思います。
アメリカの財政赤字について
上記はアメリカの過去5年間にわたる借金の状況です。
2018年までは、この財政赤字、債務上限によって押さえられていましたが、今年に入って、大きく上昇をしています。
これは、去年よりも個人、企業ともに稼げなくなっていることだろうと思います。ただし、企業も個人も去年よりは収入が増えているということには留意してください。去年より稼げていない、と書くと、すぐに景気が悪いと勘違いする人がいますが、去年よりも収入の伸びが悪いと言っているのにすぎません。
大きく、アメリカの借金が伸びているのは実は、8月からです。つまり貿易戦争が拡大したときから借金が増大をしているのです。
この辺が、世間で、アメリカの景気が悪いと騒ぐ所以になるのかな、とは思いますが、今後の研究課題とさせてください。
さて、本題に入っていきます。
アメリカの金利というのは①物価の騰落②政策金利の上下動③アメリカ財政の状況によって動いていると思ってください。このうち、今回は③についてお話しをしようと思っているのです。
他の①は、物価は思ったよりも全然上昇せず、②の政策金利が次回は下がる見通しで、①.②は金利の下げ要因になります。
ところが③の財政の借金に関しては、8月から増えているように借金が拡大をしています。つまり政府の借金が拡大すると財政のリスクが高まりますので、金利は上昇します。つまり金利の上げ要因です。
ですからトランプ大統領は株式市場の低迷もあると思いますが、借金の金額が増えているので金利を下げろ、と叫んでいる側面もあります。
こちらは、政府予算の前年比になりますが、毎年、支出を削っているのが上記からよくわかります。
つまりアメリカの成長は、リーマン以降しているのですから財政の収入を増えているのです。その前年の支出よりも予算を減らそうとしているので、長いスパンでみれば、財政の赤字は減っていくのは当然の話です。
これも1970年代に成立をした債務上限法のおかげとなります。
ゆえにアメリカは上記①-③の材料、どれをみても下がりやすい状況とも言えるのです。
なぜ、こんなことを語るのかといえばドルは金利が上昇すれば、ドル安になり、金利が下がれば下落をするという相関性をとらえている人が少ないからです。
すなわち、金利差でドル円が動くと主張している人たちの真逆のことを私は言っているのです。