おはようございます。

イギリス総選挙は、私の予想通りの結果となりました。ただし、イギリス独立党などという生半可な知識を出して少し混乱をしていました。申し訳ありません。

イギリス総選挙

結果は各メディアに譲ります。この結果で言えることは、労働党が負けたのではなくコービンが負けたというのが正解だと思います。

このコービンの世間受けの悪さについてはこちらでも書いたと思います。選択肢として政権選択選挙では保守党しか選択肢がなかったので自動的に保守党の地滑り的勝利になることは見えていたのです。

ただ、私は労働党の歴史的な敗北によって第二党さえも危ういのではないか、ということ記してよく調べもせずにイギリス独立党とか言ってしまったのは猛省をしているところです。

ただ大まかな範囲においては保守党の地滑り的勝利というのは、小選挙区の特性から当然の帰結と言えます。

今後の展開について、ほとんどの政治専門家などはブレグジットが進む可能性が高いといっています。

まだ日が間もないので、なんとも言えませんが、素直に下院で法案を通すのかな、というのが素直な感想です。

もちろん、他国の首脳が総選挙直後でジョンソンを支持した連中が当選をしているのですから、ブレグジットを1/31までに行うというのは当然であろう、という解釈も常識的な線であると思います。

ただ、これまでの混乱をみてきた私からすれば、本当にそんなに素直に行くの? と思ってしまうのです。保守党内部でまた混乱するのではないの? と思っています。

そもそも、ブレグジットの国民投票を行うときに、保守党内を乱しに乱しまくったのはジョンソン本人であり、彼が党首になったら、全員が賛成する、というのはあまりにもムシの良い話のように見えます。

この辺は調べてまた、こちらに書いてまいります。

 

今後のイギリス、ポンド

まず、このブレグジットがほぼ通る可能性が高いという時点での見通しを語っていきます。

以前に、このブレグジットは出口がはっきりしていない、ということが背景にあると書いています。

意味は、以下のことになります。

イギリスは産業革命によって世界に有数の工業国となったのです。その勢いで植民地を世界各国に作ったのです。しかし、第二次大戦後にはその工業国の盟主の座を滑り落ち、植民地のほとんどを手放したのが1970年代です。

そこで貿易の相手国がなかったので、EU、ユーロに加盟をした、という経緯があります。

すなわち、イギリスは小さな島ですが、世界の海を相手に商売をするのが伝統です。昨今は、いくら自由貿易にしても国に大幅に発展が見込める貿易量が発生をしなかったのです。そこに南欧債務危機などが起こり、結果として、貿易量というものがほとんど増えなくなったのです。

結果として、ユーロに有望な貿易相手国が見込まれなくなったのがブレグジットの発生と考えています。

イギリスの基本方針は韓国のように各国とFTAを締結し、貿易量を拡大することによって今後の国力を維持する、と言っていますが、本音はその貿易の拡大の方針の中心は中国にあるであろう、と考えて間違いがないと思います。

ところが中国がアメリカとの貿易戦争や国内構造改革によって景気の足元が揺らいでいる、ということがブレグジットがこれだけ混迷を極めた原因だと考えています。

中国の構造改革はまだまだ、かかるでしょうから、しばらくは時間がかかります。当面の間、中国に軸足を置くことはできませんので、軸足をどこにも定めずに世界を相手にするといっているだけの話です。

参考までに、中国の体制が崩壊するというようなこともなく、そして、中国がこのまま日本のように失われた10年と同様に、成長が停滞するということも現時点は非常に考えにくいことです。どこかで、以前の驚異的な成長はないとしても、また成長軌道には乗ってくるでしょう。

そこまで我慢をする、ということを今回の選挙によってイギリス国民は決めたのです。

すなわち、ポンドが急騰をしていますが、あくまでも一時的なものであり、中国のさまざまな改革が軌道にのるまでポンドはそれほど、大きく上昇はしないだろうね、ということは言えると思います。

また、イギリスのシティーが衰退するのではないか、という意見もありますが、そんなもの1年や2年で変わるようなものではありません。変わるとすれば30年スパンであり、個人的にはその可能性も少ないと思っていますが、みなさんが気づかないようなペースで浸食していくでしょう。

つまり、懐疑や猜疑はなくなったポンドとも言えますが、まだまだ先は厳しいということです。トランプ流にいえば、このポンドの上昇は「フェイク」だということです。