なぜ円高にならないのか?
きのうは均衡点が2万円台だったので誰がどうみても届くわけがない、と考えるのが通常です。
しかし、思ったよりも円高になりませんでした。私は株が下がるであろうが、円高にはならない、と判断をしていました。本日はその解説をしていきましょう。
円高にならない本質的な理由
ドル円は何で決定されるのか、という話を根源的に話ずっとしてきました。
その計算式を私は「ドル÷円」とずっと定義づけをしています。
すなわち、「株価が下がれば円高」「株価が上がれば円安」みたいなもう都市伝説みたいな話が横行をしているのですが、そんなものは全くのデタラメであり、わかったフリをするな、とずっと言い続けています。
ほかにも日銀当座預金残高とFRBのそれを比較して、その増減によって(一般的にはマネタリーベース)とか、金利差なんてアホみたいなことばかり言っている輩をよく見ます。
こんなものも説明がつくときとつかないときがあり、結果として、間違いなのである、と言っているのです。
よくテクニカルでも根拠のない、エリオットの3波とか、新値更新を抜くか抜かないか、という類の話と一緒で、適用されるときと適用されないときの話があれば、お話しにならないのです。
こういう人たちに言いたいのは、要するに、適用されるときと適用されないときがあるのに、その方法が確実だ、と叫ぶ、非科学的で非合理的なことを言うのはやめなさい、ということです。
こういう人間に限って、自分はロジカルな人間だとか、合理的な人間だと思いこんでいるのです。
金利差が拡大したら円安になるはずなのに、円高になっても、これは特殊な要因だ、と叫ぶババァがいましたが、そもそもお前が間違えているんだ、ということなのです。
つまり、一般に流布されるドル円の価格決定理論のほとんどが間違いなのです。
私はドル円を「ドル÷円」と定義づけして、これに違うことがあるか、ないかをこのコラムと並行をして検証して考察をしていますが、どんなケースでも「ドル÷円」で通用すると考えています。
つまり、どんなときでも通用するから、この考え方が正しいと、きわめて合理的で科学的な方法だと考えています。
なぜ、きのうそれほどの円高にならなかったのか?
上記は日米の株価の比較になります。
上が日経、下がダウになります。
先ず、年間の騰落ですが、紅いところが年間になります
「日本 -18.63」「アメリカ -19.55」
このパーセンテージだとアメリカの方が、大きいと感じるかもしれませんが、正確な数字は、アメリカ81.45、日本82.37になります。
すなわち、2020年は日本の株のほうが下がっていないのです。
これ、明らかにおかしいですよね。アメリカと日本のGDPを比較した場合、「アメリカ>日本」になるは当然なのですが、現実には「アメリカ<日本」になっているのです。
週間の足でも同じ現象が起きています。
ところが日々の動きは「日本-9.71」「アメリカ-6.97」
直すと「日本80.29<アメリカ93.03」になります。
ここで考えてほしいのですが、「アメリカ<日本」で、「ドル÷円」をやると分母が大きくなり答えは小さくなるのですから円高、これが今回の下落で起こっていた円高の事象になります。
ところがきのうは、はじめて「アメリカ>日本」になったのです。ですから、3/3からスタートしたような円高にならなかったと結論づけることができます。
これをさまざまな計算式に当てはめていくと、きのうの値動きはすべて理解できます。
そのうえに金利も計算に含めないといけません。そして金利もいままで「アメリカ<日本」だったのですが、きのうようやく「アメリカ>日本」になったのです。
つまり、ファンダメンタルズ的にもきのうから円安になったのです。だから、読者の方から質問を受けても、円高には同意をしなかったのです。
円安になるはずなんだけど、とか考えていたのです。場中にその計算をずっとやっていましたので、ツイッターも放置していたのです。
ツイッターやブログはお給料がもらえませんので気が向かないとやりません(笑)。私はそういうわかりやすい人間です(笑)。
要するに株価の上下動なんて関係なく株価の相関指数がドル円には関係があるということなのです。
本日のドル円
均衡点は18600円くらいです。下がる訳ないのですよね。
株価は、あくまでも、ドル円は、アメリカの株価と比較をして動くのです。日本の株価がアメリカ以上に上昇したら円高になるのです。
なる訳がないのに、日銀ETFでアメリカよりもあがっちゃうわけです。
要するにトランプに為替操作国に認定されるリスクが一番あるのは日本なんですよ、ということなのです。中国もひどいけど、日本もそれなりにひどいということなのです。