おはようございます。
米経済対策が猫の目のようにあちこちに行っています。正直、何がなんだかよくわからない状態です。
きのうは円安に行くと言っていましたが、この経済対策をめぐってさまざまな話が出てきている状態で、直後にやはりまとまらない、という話が出て、ドルが大幅下落。結果、大幅円高という結果になりました。すいませんでした。
そのほか、マーケット中期的な見方について
米経済対策の行方
きのうの動きはブルームバーグをご覧ください。
米国株が続落、選挙前の経済対策成立は望み薄-ドル続落-ブルームバーグ
かなりの激論が交わされていると想像されます。ペロシのコメントをみるとペロシの側に相当な問題があると想像することができます。
そして今朝は、大統領補佐官がなんとかまとめるとコメントをし、本日はムニューシンとペロシの会談は継続されるとのことです。
そのほか、ペロシは11月の初旬かそれ以降にまとめる、と再び、混乱するような発言を繰り返しています。
キーポイントは?
この米経済対策の行方、事象だけを追っているとさっぱりどうなるかわかりません。
ポイントは7月末に経済対策が期限切れになってから一貫して否定的だったペロシがここにきて突然前向きになったことがポイントのように思います。
コンセンサスはペロシ民主党にとって、選挙前に経済対策を行うことは何も得することがないので、この経済対策はまとまらないというのがコンセンサスでした。
ところが今週に入ってからいきなり、前向きな発言をはじめ、トランプは20日にはおおよその枠が決まると言っていることです。そして、きのうの動きに続くわけです。
このペロシの心変わりというのは、なぜ起こったのか、を解明するほかないのですが、ま、はっきりいえばわかりません(笑)。
ただ、アメリカの感染者数が増加をしている状態で、このまま放置しておくわけにはいかない、という判断が働いたというのが常識的な考え方のように思います。
■アメリカ感染者数 10/21
どうもアメリカの感染者数というのは一度発表されてから新たな感染者数が追加されるようです。
きのうは戻り売り?(笑)に転じるかな、と思っていたのですが押し目買いに転じているように思います。
このグラフを一見すると、ちっとも予断を許さない状況になることはみなさんもお感じになると思います。
こういう状況では政治家として大統領選挙に首ったけになっている訳もいかず、ペロシもトランプの要求する経済対策に応じたということが考えられます。
しかし、それはあくまでもポーズであり、有権者に対して民主党は努力をしていますよ、とアピールするためなのかもしれません。
しかし、きのうもお伝えしているように、議会上院は共和党が多数を握っているため、その成立の可能性は低い訳です。
しかし、上記のグラフが上昇していくようであれば、上院も内容に不満であっても同意せざるを得なくなり成立する可能性もあるのです。
ペロシの真意はさっぱりわかりませんが、感染状況が拡大すれば議員もまともに議論をせざるを得なくなるということです。
私が考えるポイント
議会は下院ではある程度、成立の目途が立ってきています。トランプが民主党の要求額に応じたのでおそらく、相違を修正するように努力をするでしょう。
問題は、民主党案に共和党案が寄せてきた、すなわち、金額が上振れをしたことです。
緩和の量が増えれば増えるほど、ファイナンスの問題が生じることはおわかりでしょう。
今年度の予算はすでに消化する可能性が高く、あらたにお金を貸してくれる先を探さなければいけません。借金の上に借金を重ねるのですから、金利が上昇するのは当然のことです。
この金利の状況というのは、きのうも話したようにいったん、上昇圧力が強まれば止める手立てはない、と何度も言っています。このことは経済学者であればだれでも認識をしていることです。
■アメリカ10年債 利回り推移
底値立ちあがりの足というと、そこまで強くないかな、とは思いますが、時間をかけているだけ性質が悪いとは思います。チャートの見方によってはこの流れは止まらないとみることができます。
よくマーケットの専門家と称する方が、実質金利が上昇しているから問題はない、というのですが、この金利上昇が長い間、続けば、とてもではないですが、マーケットが現時点ではもたない、というのが私の判断になります。
インフレ期待率などの指標もありますが、個人的にはこれも縮小すると考えています。
インフレ期待率は原油価格と連動する傾向があり、その原油価格は私は全くの弱気です。この需要期が再開したときに値段が上昇しないというのはよほどよわいと判断ができます。
こういうときには毎年、イランがテロを起こすのですが、それを上手に抑え込んでいるのはトランプ(笑)、ということになります。
核合意を離脱するのはまともな判断であり、バイデンやそのほかの合意国は頭がおかしいのではないか、と私は考えています。今後もイランのテロ恐怖におびえることを選択するようなものです。
話が逸れましたが、こんなに緩和をやったら金利の上昇が止まらない、すなわち、民主党の政策は金利の上昇をストップさせる政策ではなく、むしろ、煽っている政策をやりたがるということです。
金利上昇圧力の中、法人税の増税など頭がおかしい、としか言いようがないことを公約に掲げるのですから、ちょっと・・・と思います。
選挙でトランプが勝つというのは妄想の類にしかなりませんが、まだトランプの方がまし、ということだけです。
言動や行動に対してはどうしても賛意を表明できませんがバイデンや民主党よりはましです。これが私は民主党の勝ちを認めたくない理由です。
ただ、トリプルブルーというような圧勝にはならないでしょう、というのが冷静な見方でしょう。この場合、大統領か上院が共和党には過去の経緯をみているとなると思います。普通にみれば上院ですけどね。
マーケットについて
要するに、マーケットは経済対策待ち、大統領選挙待ちの状態ではないということがおわかりになりましたでしょうか?
まず、マーケットを動かす要因は①ドル②金利③GDPなのですが、大統領選挙の結果如何によってこの①から③まで何が動くのか、という問題を考えると何ら影響がないのです。ですから、大統領選挙は関係がないのです。
2016年トランプ勝利でマーケットが暴落したわけですが、あのときも現在と同じようにプバブルだっただけの話で、きっかけが欲しかっただけです。大いなるサプライズを大統領選挙を材料にして下落しただけの話です。
今回の場合、バイデン勝利ではサプライズになりませんが、トランプ勝利だと、おおいなるサプライズになります。
それを材料をきっかけに売り込ませる方法はいくらでもある、ということです。
先日、ブラックロックの社長がテレビに出てきて世界は安定しているなんて言っていましたが、こういう連中がテレビに出てしゃべるのは要注意です。
たいていの場合は本音と全く別のことを話しています。こういう発言をしておいて、自分たちは逃げるということをこういう人たちは平気でやります。一種のメディアコントロールです。
短期的には、経済対策で一喜一憂するでしょう。たぶん、ペロシは交渉をまとめると言いながら、交渉をするポーズをするのではないか、と思っています。
つまり緩和期待のドル安は進行し、金利は資金需要の拡大から伸びる、すなわち、ドル安を金利高が相殺するというような形に当面なるのではないか、と考えています。