おはようございます。9月の末までは円安になる、という考えに基づくと、利下げというのはこの考えに赤信号を灯すものになります。

今回は、その考え方をロジカルに説明していきたいと思います。

金利の変動要因

①物価との連動制

PCE価格の推移

物価は上昇しているので、利下げの根拠にはなりません。

②アメリカ財政

多少は減ってはいるものの、財政赤字は以前として高水準

③政策金利

青い線、政策金利に対して黒い線、市場金利(アメリカ国債10年物利回り)。

市場金利と政策金利のブレが大きい

上記のことからわかること

まず、②のアメリカ財政に関しては、赤字は現実的に減っているので市場はアメリカ財政に対しての懸念は後退しているので、利下げは受容できると考えることができます。

しかし、物価の面からみると(①)、利下げなどできる訳がない、ということができます。

では、今回①について解説をしていきます。

まず、物価が上昇をしているということは、ドルを防衛するために金利を引き上げるほかないということになります。

なぜなら1年前に金利1パーセントで100万円の銀行預金をした場合、1年後に受け取る金額は101万円になります。このときに年間の物価上昇率が2パーセントだった場合、1年前に100万円で買えたものが102万円ださなければ買えなくなります。

つまり、銀行に預金をしておけば実質損をしますので、人々はキャッシュをもっているよりは、株式や金、ビットコインなどを持つようになります。

この株式や金、ビットコインなどの高騰は、今の市場の値段で説明をすることができます。誰しもがキャッシュをもっていれば損をしますので、一斉に、買い物をしたり、そして投資、株や金、ビットコインに投資をします。

そのうえ、今月の雇用統計では賃金が上昇をしています。年間3.1パーセントで、物価の上昇は年間1.8程度です。つまり1.3パーセントの可処分所得が増えているのです。

その人たちは、一斉に余剰資金を買い物や株式や金、ビットコインなどの投資をします。これをさらに利下げをしたら、どうなりますか?

株や金、ビットコインはもっと暴騰をします。つまり、バブルになるということです。7月末の利下げを行った場合は、株価や金、ビットコインはもっと暴騰することになるのです。言い忘れていましたが、住宅も、です。

FRBの伝統的な姿勢

FRBはイエレン議長の時代から、ずっと、バブルを引き起こさないように注意を払ってきました。もちろん、イエレン以前からです。

なぜなら、バブルというのは経済実態とマーケットが乖離をしている状態を指すのですから、現在の金利の状況は①の物価の状況と照らし合わせると完全にバブルになります。

物価の上昇と金利には整合性がなくてはいけなく、その理由は、みなドルをもちたがらなくなる訳です。

つまりみなが、ドルをもちたくない、と思うのであれば、それはドル安を意味します。現在、株、金、ビットコイン、住宅などの上昇が顕著なのはドルが安いからです。

実際のドルインデックスや実効為替レートを眺めていると、それほど極端なドル安とは感じられませんが、ひどい「ドル安」と認識したほうがよいでしょう。

ドル安でなければ、金などがこれほどまでに上昇をしません。一方で、原油は、トランプ相場と言っても過言ではありません。トランプが原油価格をコントロールしていると思ったほうが良いでしょう。

たとえば、アメリカの穀倉地帯でコーンの作付けができないことが問題となっていますが、これ、わざと意図してトランプがやったのではないのか、ここまでくると妄想でなくてハチャメチャと私も認識しますが、そのくらい、以前から穀物の不作はいつ起こってもおかしくない状態だったのを勘案すると、穀物の不作もわざと起こしたのではないか、なんて思ってしまいます。

実際に小麦、大豆、コーンなどの値段が上昇するとアメリカ政府は大助かりになるのです。

この辺の話は、また機会があるならばお話しをします。

要するに、7月の末に利下げをするということはFRBはバブル経済を形成しようとしている、とマーケットに認識されるのです。バブルはいつか、崩壊する、という当たり前のことを期待してFRBが利下げをするのか、ということです。

私からすれば、するわけないでしょ、というのが結論になります。

では、FRBの方針として、金利と物価の関係が非正常なのですからやることは、何か、といえば更なる利上げ、もしくは、QE停止によって債券の売却を現在止めている状況ですが、その再開を行うという選択肢しかないのです。

利上げなんかすれば市場はめちゃくちゃになりますので、債券の再放出をするでしょう。tつまり、債券を売るのですから、反対に金利は上昇をする、ということになります。

その根拠を固めるためには11日のCPIやその後15日前後のPCEは要注目の経済指標になるのです。

何度も言いますが、月末に利下げをするということは「バブルを容認」するということなのです。そんなことする訳ないじゃん、というのが私の結論であり、あり得る訳がない、と思うのです。

別に利下げしたら、思いっきり買うだけの話ですので、この予測が外れても被害は何もない、ということです。

トルコ中銀総裁のクビ

よく真相はわからないのですが、こういうことだと思います。

これはトルコ10年債利回りになりますが、16パーセント程度になります。

それに対して、政策金利は24パーセント。10年物が16パーセントで、1年物で24パーセントです。逆イールドの発生で、中銀総裁は通常、利下げを判断します。でも、しないからクビになっただけの話だと思います。

現在のトルコの経常収支の状態で、利下げをしないのは賢明な判断だと思いますが、エルドアンは利下げしろ、と要求をしたのでしょう。だからクビになった、というだけの話だと思います。

気になるチャート

どう思うかはあなた次第です(笑)