おはようございます。

注目のパウエルFRB議長の議会証言が行われましたが、金融緩和とは一言も言っていないのに、なぜ、利下げとシャウトするのかさっぱり理解できない角野です。

本日は、きのうの話の続きと、金融緩和、イランについてです。

 

相対値と絶対値を根源的に理解する

たとえば、ドル円110円というレートは数式で表現すると、

「1ドル:110円」になるのです。

決して1ドル=110円ではありません。なぜなら1と110が同じ数字ではないのですから。正しく表現するのには、1:110と表現すべきです。

ところが、この罠にファンダメンタルズから計算しようとすると嵌ってしまいます。

よく、私は相対値と相対値を比較するドルインデックスなんてなにも参考にならない、と申し上げますが、それは以下の文章をお読みになればわかります。

日本の成長は20パーセント、アメリカは20パーセント減速した。

この場合、レートはどのくらい違ってくるかといえば、40パーセント違ってくると予想できます。ないしは、(+20)+(-20)=0となるのでしょう。

ドル÷円ですから「80÷120=1.3333」となり、数字の印象は40パーセントの変化が出ると思われますが、実際に変化する数字は33パーセントです。

さらに日本とアメリカの成長具合を逆にすると、「120÷80=1.5」になるのです。

つまり相対値というのは文章で表現をするのには、非常に難しく、相対値と相対値を比較しても、意味がないのです。

ゆえに、相対値の集合体であるドルインデックスが正しい値を表現しているとは言えない可能性の方が高い、ということです。この文章ではこの証明はできませんが、実際に計算してみると間違い、ということは確信を持って言えます。

これを防ぐためには、つねに絶対値で物事を考えるようにしないと、この間違いを犯すということです。

私の言っていることは、私が完璧に説明できないことからもおわかりのように、1日、2日考えて理解できるような代物ではありません。

たとえば、GDPは年に何回改定をされるかといえばアメリカは12回、日本は8回、GDPに付随する消費者物価、企業物価(卸売物価)は年12回、合わせて24回、製造業のPMIは24回、日米合わせて48回です。

回数は間違えているかもしれませんが、ともかくファンダメンタルズというのは年250営業日とすれば、ほぼ毎日、変わっているというのがおわかりになると思います。

この辺の計算をAIに任せるのはあり、でしょうが、その計算方法を考えるのは人間であり、この難しいものを考えられる人に、プログラマーがいるのか、という話になればいないでしょうね、ということだけの話です。

つまり、基本をきちんと理解していないと、すぐに間違いを犯すものなのです。最近、GS日本法人の方とお話しをしましたが、彼の頭の切れ具合というのは話にならない、というくらいのレベルです。

テレビで芸人が元GSの社員という方がいらっしゃいますが、あの程度ではクビになるのは当たり前の話だね、というのがよくわかりました。

頭が良い、というのは常識のレベルが違う、ということであり、私が感じるのはアメリカの経済学者のクルーグマンなどはレベルが違うのです。

日本の浜田さん、イェール大学名誉教授ですが、対談しても常識のレベルが違いすぎて話がかみ合わない、一応、書籍の体はなしていますが、話は全く噛み合っていません。

イェール大学にしても優秀なのに、このレベルなのです。天才というのはやはり、違うと思います。

 

金融緩和の話

まだ、議会証言全文を読んでいませんが、言えることはアメリカ経済に下方圧力がかかっている、と言っていることは確かです。

これは、ずっと、私も指摘していますが、このことは去年からわかっていることなのです。今年は減税がないので、去年より悪くなる、とだれでも予測できることなのです。

去年と比べれば悪くなっているけど、今年は、特殊要因がない去年と比較すれば悪い、ということなのですが、過去10年と比較するとアメリカ経済は絶好調なのです。つまり長いスパンでみればアメリカ経済は良いのです。

そこで利下げ、つまり金融緩和をするべきなのか、ということになりますが、過去にFRBがそんなことをしたことはないのです。

つまり利上げフェーズの中で、下方圧力のために利下げを挟むなんてことはないのです。ありましたが、結局、経済運営を大失敗しているのです。ですから、そんなリスクを冒す局面なのか、といえば、そんな場面ではない、と誰しもが思うことなのです。

金融緩和を強硬に主張しているという文面はセントルイス銀総裁のブラードのことを強硬に主張していると言っているのだと思います。

記事をみても金融緩和の可能性には触れていますが、その緩和の方法論を利下げとは一言も言っていないのに、なぜ、利下げと判断するのか理解に苦しみます。

そもそも、待っていれば、中国製品の報復関税によって黙っていれば勝手に物価は上昇するのに、なぜ、トランプは利下げしろ、というのかといえば選挙のためとしか考えられないのです。

歴代の大統領は選挙の前に必ず、FRB議長に利下げを希望するということを言うのが常です。別にトランプに限った話ではありません。利下げをすれば、自分に投票をしてくれる人が増えるからです。それだけの話です。

そもそもこの4-9月までアメリカ経済がそれほど好調でなくなるのは、去年からわかっていたことであり、特に、7月からはそれが顕著になるのはわかっていたことなのです。

だから、私は6-7月にかけてトランプが暴発するよ、と言っていて、中国、イラン、メキシコなどに暴発の限りを尽くしています(笑)。

これは、来年の大統領選挙この時期に佳境を迎えているので、自分の勝利をするためには、この時期の前年同月比のスタート台を低くしたほうが得策、と考えている節があります。

安倍さんもこの手法を使っており、たとえば、この時期に去年、自然災害が多発し、今年は自動的によくなるのですから、参議院選挙にむけてよかったことになるのです。

つまり景気が良すぎるときの翌年に何をやるか、悪すぎるときに何をやるかをよくみておけばいい、というだけの話です。

たとえば、去年の4-9月にアメリカの経済が好調だったことを受けて日本も好調だった。だから、今年の4-6月には日本の国民に不評な問題である移民問題を取り上げています。

これは今年のスタート台を下げて、来年、よくしようとしているのです。消費増税も10月ですが、去年の同時期に自然災害やアメリカ株の崩落がありましたので、去年の時点で増税はきまっていたのです。今年が好調になるのはわかっているからです。

これは相対値と絶対値の違いを理解していなければ理解できないことです。だから、普段から数字をみればこれは相対値なのか、絶対値なのかを考え、これを絶対値に訂正したら、相対値に訂正をしたら、をかんがえなければいけないのです。

話を元に戻すと、ややこしくしているのはトランプがFRBの新理事を指名したことです。議会での承認を経て次回、FOMCに参加するでしょうが、トランプの意向を受けて利下げを支持するでしょう。

これが利下げ確定、という報道の真犯人だと思いますが、まともな金融専門家は、長期的なリスクを考えた場合、利下げなどに絶対に賛成しないはずです。報道はそのことが理解できないので無責任に、利下げ、利下げとしているのです。

ともあれ、本日のCPI、そして明日のPPI、15日ころのPCEを見てから判断ができると思います。コンセンサスはすべて下がっていますが、貿易摩擦で物価が上昇し、そして12月にドル安に転換をしていることをみればおそらく、物価は上昇する、と私はみています。

 

イラン問題について

イラン問題の本質はイスラエルです。

イスラエルはネタニヤフ首相夫人の汚職疑惑で、首相本人が起訴されるのはほぼ確定します。おまけに総選挙で与党リクードが実質上の敗戦で、9月に再選挙がおこなわれる見通しです。

ここにヒズボラ、フーシ、PLOなどがイスラエル国内で暴れられるとトランプは自身の選挙に困る訳です。

おまけにかわいい娘の旦那、クシュナーが中東和平を6月末に、提案をしています。この提案にパレスチナは猛反発をしており、それを支援するイランが気に食わないと言っているだけだと思います。

そもそもイランでホメイニ革命が成立したのはアメリカの支援によって成立をしているのです。それがイラン大使館の人質事件によって関係が悪化をしているのです。

今回の核、原子力の問題もホメイニ革命のときから続いているものであり、今更の感が私にはあります。何をやってもイランは核開発を続けると思いますし、アメリカから離反した行動もとるでしょう。

ホメイニ革命の理念にイスラエルのせん滅が含まれているのですから、妥協点などないのです。この展開はイスラエルの選挙が終わる9月まで結果次第では延長戦になると思います。

どちらにしろ、双方に妥協点など存在しないので、行きつくとことまで行く、という予測は維持です。

相場は、本日、明日の物価指標を見るまではお休みでしょう。円高になりましたね。