おはようございます。
本日は小売売上の発表になります。今回は、この解説と絶対値と相対値の違いを考えていきたいと思います。
小売売上はなぜ、重要か?
小売売上がなぜ、重要なのかがわからない方は多いと思います。
その理由は、GDPの中での個人消費の占有率はアメリカでは70パーセント程度を占めており、GDPの最終数字に大きな影響を与えるからです。
また、GDPというものはアメリカ国内でのあらゆる値段の集合体であり、その7割が小売によってもたらされるのですから非常に重要な指標になるのです。
ですから私がレッドブック(民間会社による小売売上の発表、毎週火曜日に発表)などをよくみているかといえば、売れ行きがアメリカ経済の景気を左右するからです。
そもそも小売が不振であれば、企業の業績が良くなる訳がありませんし、また、政府の税収も減ります。こういった意味で小売売上というのは経済の根幹を支える指標でもあるから重要視をされるのです。
小売売上
上記はアメリカの小売売上、前年比になります。
みなさんこれを見て、アメリカの小売売上、悪くなっているな、と感じた方は何も考えていない方になります。
なぜなら、なぜ、私は前年比と書いたのか、しかもわざわざ、ということを何も考えていないのです。
つまり、このグラフは前年同月比のグラフになります。要するに今晩、発表される小売売上は18/6月の数字と比較して何パーセント伸びるかのグラフになります。
去年の同時期の伸び率は6.1パーセントであり、これは過去をさかのぼってもかなり良い数字になります。
過去、5年間で6パーセントを越えた時期など、去年の夏前から秋にかけてだけです。去年は絶好調だったのです。アメリカは。
この要因は何度もお話しをしているように、アメリカ企業への減税や、個人税制改革の賜物という材料があります。
今年の場合、材料は貿易摩擦などの材料があり、去年が消費を刺激するプラスの材料があったのに対して、今年はマイナスになる材料しかありません。
これで去年を凌駕する6パーセント以上の数字を望んでも無理、ということになります。
つまり、コンセンサスが前月比で0.5になりますが、これでもかなり無理して作った数字だと思いますけどね。参考までに前年比のコンセンサスも探しているのですが、みつかりません(笑)。
どちらにしろ、先月に比べ、大きく上昇しているということは考えられません。なぜなら雇用統計でお給料が先月より0.1しか伸びていなく、前年比で3.1パーセント、そしてインフレが1.8パーセントですから、1.3パーセントの去年からの可処分所得の増加になります。
前年比は、先月の2.9よりはよくなるでしょうが、5パーセント、6パーセントという数時は不可能のように思います。
ただ、市場は悪い、悪いと言っていますが、かなり消費者信頼感指数などをみると改善をしていますので、一概に悪いと信じてはいけません。コンセンサスと逆の結果が出る可能性のほうが高いということです。
相対値と絶対値
いままでの話を聞いて、アメリカの小売は悪いと騒いでいますが、この悪いという意味の定義は、去年より売り上げが落ちているという意味になると私は思います。
しかし、実際、上記の文章を読んでみなさんはどう思いますか?
たとえばGDPは、去年3パーセントの伸びをみせ、前期4-6月期の伸びは1.5-2パーセントと言われているのです。
数字だけをみれば、悪いと感じると思います。しかし、去年、3パーセント上昇したことに対して今年、さらに1.5-2パーセント伸びると言っているのです。つまり絶対値でみれば、アメリカ経済は、良くなっているのに悪い、悪い、と騒いでいるのです。
今のテレビに出ているアホウどもはこのことを根本的に理解していません。つまり、みなさんと同じレベルで去年よりもアメリカ経済は悪くなっているという前提条件で話をしています。
その上に株価は新値、という矛盾について誰ひとり、説明をしないのです。これは、去年よりアメリカ経済は悪くなっているのであれば本来、株価は、去年より下降しなければいけないことになります。
つまり、ちっともロジカルではない話をみなさんに向かって言っているのです。
私が言うのは去年よりアメリカ経済が2パーセント伸びるのであれば去年の高値より2パーセント高い水準がダウの妥当な値段であり、そこがダウの目標値になるのです。
27500ドルくらいが頭になるよ、と言っているのはそういう意味なのです。そこを越えてきたら、完全に要注意なのです。
ただ、GDPだけで株価が決まっている訳ではなく、金利がおもな今の変動要因になりますので金利を中心に考えるべきなのです。
小売売上も上昇すればGDPに波及します。小売売上は悪くはない、ということです。しかも企業業績と違い、一度、売り上げてしまえばその売り上げは消えないのです。
ボーイングのような巨大な買い物はキャンセルがありますが、普通の500万円ていどの買い物であれば売り上げは消えません。でも、企業業績は、一度、不祥事があれば消えるものなのです。
そのくらい確定する数字の解釈を、絶対値と相対値の違いもわからずに、去年よりアメリカ経済は悪いと絶対値のように言っている方々は根本的には何もわかっていないのです。
アメリカ経済は、貿易摩擦の影響など何にも関係ない、のです。なぜなら、去年が絶好調だったのですから、今年は相対的に悪くなるのはわかっていることなのです。
でも絶対値の数字は去年よりも良くなっている、という事実を軽視して悪い、悪いという人というのは何も理解をしていないのです。
私からいわせればロジカルというのは答えが1つになる訳ですから、前提条件や定義をしっかり確定すればロジカルになるのですが、ロジカルではない人は、この定義や前提条件を確定せずにものを語っているだけなのです。
そういう人が相場で巧いとはちっとも思いません。要するに、みなさんは素人の話を一生懸命聞いているのです。
つまりモノごとをロジカルに考えれば、相場の将来は見えるようになるし、まず、その第一歩として絶対値と相対値の違いを頭にたたきこまないと、口の上手い人に簡単にだまされるよ、と言っているのです。
ロジカルというのは数式のように答えは1つになるのです。お金を使えば、財布の中身が減るというロジックのようにシンプルなものなのです。これは将来を誰でも見通せるということです。
将来を見通すためには不確定要因を減らせばいいだけです。前記の例では財布に新たなお金が入ってくる可能性の要因を消せば、確実に財布のお金は減るのです。ま、誰も財布の中身が増えて怒る人はいない、と思いますけどね。
端的な事実が、将来を見通すのです。だって、財布の中身が減るのは誰でもわかるじゃん、でも、この事実を軽視して未来はわからない、なんて偉そうに語るアホがいっぱいいるのが現実社会だということを忘れないようにしたいものです。
つまりアメリカ経済が悪くもなっていないのに、悪い、悪いと騒ぐ奴は、わかっていない証拠なのです。悪いなら売ればいいじゃん、でも実際、相場は上昇している訳でしょ。そいつすごい下手くそな訳ですよ。
人のことを言えた義理ではないけど、でも、悪いなら自分の持ち株、全部、信用で売れよ、と思うのです。そんな度胸もなく、偉そうに語っている連中をみると私は気分が悪いだけです。
こういう言質に騙されないためには絶対値と相対値をもっと見分けなければいけない、ということです。
ドル円はしばらく動かないと思っています。金利が上昇したら新興国、とくに借金の多い国はしんどいでしょうね。景気がよくて金利を下げる、こんなアホなことを私は、普通はしないと思いますよ。
去年4回、あげたものを1回にするのは妥当性がありますよ、ということです。利下げなんて事実だけをみれば、ある訳ないじゃん、と思うのです。間違いならひたすら買うだけですけど(笑)。
なんか怒っているような文章になってすいません。