おはようございます。
今一度、みなさんに問いたいのですが、リーマンショックが起こった原因というものは何なのか?ということです。
これを理解していると、今の世界はひどい現状誤認をしており、結果としてリーマンショックの逆バージョンが起こってくるであろうと推測することができます。
リーマンショックの原因
今まで何度もリーマンショックが起こった原因を解説しましたが、かんたんにおさらいをしておきましょう。
リーマンショックはサブプライム層という本来は住宅が購入できない層が多額の住宅ローンを組み、結果、返済ができなかったことが原因で起こった大不況です。
つまり、金融の力が貧困層でも住宅を購入することができる、と勘違いさせた事件なのです。まともな収入がなくても、住宅を購入できる、これはこれで夢をもたせる効果は充分ですが、結果として、大きな勘違いであったことが破綻後に判明しました。
つまり真面目に働かなければ、住宅などを購入することができない、という事件であり、金融の力など大したことはない、と認識させた事件でした。
ここでのポイントは、その壮大な詐欺に金融機関が積極的に関与をしたということです。つまり、そのサブプライム層の住宅ローンを優良な住宅ローンとごちゃまぜにして証券化をし、その証券はAAAランクの格付けをされたのです。
その返済できるわけがない層の住宅ローンがAAAランクになるのがそもそもおかしいのですが、それを世界は喜んで買ったわけです。そして実際に返済できないことが判明したらリーマンショックが起こっただけの話です。
つまり、返済できるわけがない人たちが返済できるという事実誤認が、リーマンショックを引き起こしたのです。
ここでのポイントはレバレッジになります。あれほどの被害になったのは、レバレッジが過大に掛けられたことがあのような被害に拍車をかけたのです。今回の場合は、過大なレバレッジが掛けられていないこともポイントです。
今回のひどい事実誤認
トランプ大統領が、中国に報復関税を掛けるたびに、大きくマーケットはリスク回避の動きを見せます。今回の場合もそうです。
しかし、貿易摩擦が激化すればするほど、世界の経済は低迷をする、と一部の専門家やメディアは騒ぎますが、果たして本当でしょうか?
検証をしてみましょう。
過去10年間アメリカ貿易輸入金額
過去10年間中国貿易輸出金額
まず、貿易摩擦、米中貿易戦争というものは、2018/5月からスタートをしています。
で、実際に、偉そうに専門家と語っている方々は、貿易戦争に勝者はいない、そしてその争いは不毛なのであり、結果的に経済の低迷を招くなどと言っています。
でも、実際に一番、影響が多いとされる米国の貿易輸入額は、2018年から過去最高を記録し、中国の輸出量は近年の伸びは減っているものの、過去最高を記録しています。
貿易量の停滞によって、世界経済が沈みこむ、と言っている方々はこのデータをみてもおそらく、貿易戦争によって、経済が低迷すると言っている主張は変えないでしょう。
この辺は過去の経験則でエビデンスなどありませんが、リーマンのころ、まだまだ、この勢いが続くと言っていた連中が、大暴落の際に、きょうこそは買いです、きょうこそは買いです、と言っていたのと同じことになると思います。
みなさんの意識の深層にも、貿易戦争が起こると経済が沈みこむ、という潜在意識は必ずあるはずであり、それを正しいと思い込んでいる心理はあると思います。でも、実際、上記のデータをみて、みなさんはなんと思いますでしょうか?
いやいや、これには裏側が何かあるはず、と思った人は、それは自分なりに調べてから結論を出すべきであって、自分で私の意見を否定して、何も調べないことは私の中ではありえません。反論するのであれば、それなりの材料、つまり証拠をもって反論してほしいものです。
批判するのはご自由でしょうが、事実は、貿易量など減ってもいない、むしろ、増えているのです。
しかし、実際のマーケットは、貿易戦争を受けて、乱高下、しかも下向きの乱高下を繰り返しているのです。
私からすれば素晴らしい事実誤認なのです。
つまりリーマンショックというものは、サブプライム層という人たちがこれから住宅をもてるという事実誤認によって大暴落をもたらしたのです。
今回の場合は、貿易戦争によって経済が下押すとう素晴らしい事実誤認を世間は行っているのです。結果として、マーケットは相応以下の評価の値段を私たちに提示をしてくれているのです。
つまり、この事実誤認が世間に認識された場合、このマーケットはどうなるのでしょうか?非常にかんたんな話で、すっ飛ぶ、というのがお分かりになると思います。
では、何をきっかけに、事実誤認が溶けるのか、と私も現在は考えを巡らせています。1つの可能性として日本の消費税増税によってこの事実誤認が溶ける可能性です。
そしてもう一つは12月からアメリカの経済はものすごい勢いで発展することでしょう。その前に10月あたりに相場から底を打った音、コツンという音が聞こえてくるはずです。(ずいぶん、私も文学的な表現だと思いますが(笑))
ともかく、今回の場合も、トランプが報復関税を発表、そしてマークイットPMI製造業が50割れでもう少し、売られるのか、と思ったのですが、そんなこともないので、貿易摩擦が経済を下押しするという大嘘が少し露見したかな、と思いますが、実はそんなことはないかもね、と思います。
本日のテクニカル
いつものドル円4時間足です。
デッドクロスしたまま戻っているだけです。本日の株価は急騰するらしいですが(笑)、ドル円のテクニカルを見る限り、これがこのまま戻り歩調になって、ゴールデンクロスするとは非常に考えにくい。
ゴールデンしたとしても、移動平均線が両方とも↑を向くのは相当な急騰がなければあり得ません。
PMIや報復関税を受けても、大きく戻っていますが、この材料、素直に信じていいのですかね。単にテクニカルしかみていない連中が買っただけのようにしか見えないのは私だけでしょうか?
今回の戻りは中身があるのかな、と思っています。
いつもご意見を拝聴させていただいています。
今回のテーマはとても面白い内容でした。
証券会社のレポートでもGDP下押しになるとの見解があり、貿易量が下がっていないことは驚きでした。12月より対中関税第4弾が開始され、相当に落ち込むと思っていましたが、12月から米国経済が上昇すれば、これは面白いことになりそうですね。他では見られない貴重な考えを教えていただき有難うございます。今後の投資方針の参考にさせていただきます。