おはようございます。

きのうは、米中の貿易量は全く減っていなく、それどころか増えているのに株価は売られ、リスク回避の円高が進行をしている世界経済はおかしい、と記しました。

本日はそれを深堀りしていきたいと思います。

 

アメリカ経済

トランプ大統領が選挙対策として一番特徴的な言葉がメイクアメリカグレートアゲイン、つまり、アメリカファーストになると思います。

つまり強いアメリカということだと思います。

これはベトナム戦争の長期化などによって国家財政が疲弊をし、その結果、ドルの固定レートからの離脱、金本位制度からの離脱によってアメリカが世界ナンバー1の地位からすべり落ちたことを懸念し、その結果、アメリカ人の自信が失われたことに懸念を示している、と考えるのが一般的だとされています。

トランプ大統領の年齢70台を考えれば、青年期にアメリカの没落をまざまざと見せられたこと、これが彼の動機の一因と考えれば整合性があると思います。

では、実際の貿易赤字の推移をみていきましょう。

1970年からのアメリカの貿易収支になりますが、70年代からはっきりと貿易赤字に転落をしているのがわかります。

80年代はレーガンの日米貿易摩擦に代表される通商摩擦であり、そして、ITバブル崩壊、9.11で赤字転落が常態化をしたのがわかります。

近年、過去5年間の貿易収支をみていくと、2017年がトランプ大統領就任、直後はソロスも大損したようにアメリカ経済は好調でした。

ところが2018年初頭に大きく赤字が増大をします。このときにトランプは大幅な税制改革を行っています。この赤字額の増大が、トランプが次期大統領選挙に再選されることに危機感をもったことの要因になるでしょう。

実際に2018/5月から本格的に貿易戦争を示唆し、2019/1月に中国との交渉をペンディングしていますが、今年の5月に再び摩擦を劇化させています。

上記は過去1年の貿易赤字の推移になりますが、トランプの怒りの収まる時期と、怒りが爆発するときの数字を見くらべてみればおわかりになると思います。

では、トランプの今後、また怒りを爆発させる時期は、今後、冬に向けて、12月に向けて、貿易赤字というのは春先に改善をして、冬に悪化するのが通年の傾向になりますので、もっと中国に向けて怒りを爆発させるのでしょう(笑)。

それに対して中国がディールをするつもりはあるでしょうが、その決定が遅すぎることにイライラするのでしょう。そして、また場当たり的な、決定をツイートするのでしょう。

この予測は専門知識がなくても、数字が悪くなればトランプが吠えるということを知っていれば、誰でもわかることなのです(笑)。

2017年にトランプが大統領に就任してから明らかに、貿易赤字は拡大しています。これがトランプは気に食わないのでしょう。

しかし、では大統領選挙の年、2020年に劇的に改善をするのか、と言われれば、無理でしょうね、ということです。要するにアメリカの景気が良すぎるからアメリカの輸入が拡大しているのです。

つまりトランプが望む景気拡大と貿易赤字の問題は両立する訳がなく、結局、どちらかを選択しなければいけないのですが、トランプさんはきっととても「欲張り」なのでしょう。

この辺のトランプの思考を理解しておかなければトランプの行動、言動を予測することは難しいと思います。

でも、全体としてはアメリカ経済は好調、しかし、貿易赤字は拡大し続けるでしょうからトランプは吠え続けると思っておけばよいのです(笑)。

上記は経常収支ですが、トランプが就任してから悪化をしています。

財政赤字も、トランプが就任がしてから拡大しています。

これが、トランプがギャーギャー騒ぐ根本の原因です。

しかし経済は、以下のようになっています。

トランプが就任してから、オバマ時よりもより安定的に成長するようになっています。

逆を返せば、オバマは、リーマン時の大底から政策を打ったので誰がやっても経済が成長する状態で、トランプはオバマ時の成長を受け継いでいるのですから、その政策は難しくなるのです。

その辺はトランプの手腕と言えますが、もともとアメリカ経済は誰が大統領をやっても経済成長をするのは眼に見えていましたので、トランプのおかげとはあまり言いたくはありませんけどね(笑)。

つまりトランプの本質というのは眼に見えると思いますが、トランプは国家のお金を使って経済をより成長させた、だから貿易赤字や財政赤字が増える、でも経済は成長をしている。

だから、MMTなどの訳のわからない理論が登場する、ということなのです。

借金の問題をなくせば、アメリカは貿易赤字の金額は増えているけれども、ちっとも経済は減速すると言い続けるおバカさんがたくさんいるとうことなのです。

 

中国について

中国の貿易黒字はトランプ就任前から減り続けており、今回の報復関税の影響など数字では確認できないことはおわかりいただけると思います。

要するに、米中貿易摩擦など、世間が騒ぐような影響なんか何もないのに、マーケットも世間も過剰に反応しすぎなのです。