おはようございます。

よくよく考えてみれば、去年のマーケットは10/4がピークでしたので、去年9月の経済指標は軒並み良いのです。ですから、アメリカの経済指標は9月の分が去年と比べて悪くて当然です。

一方、日本は消費者信頼感指数が悪化しています。これは去年、自然災害の影響を受けて悪化していたのに、さらに悪い、ということです。これは、千葉県の台風被害の影響もあると思いますが、想定外のことです。

 

ISM非製造業指数

上記はISM非製造業の推移になります。

いつものように、去年の9月は最高に良かった訳です。この経営者に対するアンケートは、基本的には去年とくらべて業績や雇用、新規受注などはどうか? あるいは先月と比べてどうか、というアンケートになりますので、悪いに決まっている訳です。よくよく考えれば。

さて、これの評価の仕方には主に2つあると思います。

① まず、9月という季節要因について考えなくてはいけません。

まず、アメリカの年間の最大商戦はクリスマス商戦であり、その製造業の準備は9月から雇用をして製造準備を始めるということです。ゆえに今晩の雇用統計はADPが悪くても反対に良い可能性もあるということなのです。

上記は雇用統計、非農業部門の新規雇用数になります。去年の9月は、意外にも10万人台です。去年は景気のピークなのですから、今年はそれよりも悪くなる可能性がある、ということも可能性として考えなくてはいけません。

ただし、ここには製造業の工場労働者は含まれており、その辺を勘案する必要もあります。

さらにいえば、アメリカは完全雇用なのですから、この数字は問題ない、という考えもあります。

こうやって考えていくと、訳がわからなくなりますので具体的な数字で考えていけばよいと思います。

上記は失業保険申請者数になります。

去年9月近辺は、まれにみる失業保険の申請者数の少なさであり、企業が雇用をしたくてもできなかった、という側面もあります。

そして、先月も失業保険の申請者が少ないという傾向があると思います。

以上の観点からみれば、失業保険申請者数と雇用統計の非農業部門の新規雇用人数というのがある程度リンクしているとすると、きょうの雇用統計は悪い可能性が高いということになります。

コンセンサスは14.5万人です。個人的にはこの数字は大きすぎると思います。

そのほか時給の先月比も低下のコンセンサスですが、これも間違いじゃないかな、と思います。前年比も変わらずのコンセンサスですが、増えるとは思いますけどね。

こうやって考えていくと、雇用人数など興味がない、という私のような人間は多数いるはずですからそれほど悪化はしないであろうと思います。

② ISM非製造業の意味

どこの先進国も同じなのですが、工業化がほぼ終了をするとサービス業にその軸足が移行をします。アメリカの場合は企業活動の9割がサービス業になります。

たとえばニューヨークダウとみなさんお気軽に言っていますが、正式な名称はニューヨーク工業株価指数30種です。つまり、今回のISM非製造業というのは、NYダウ指数に直接的な影響を受けません。関係があるのは、S&P指数が下がったからNYダウも下げるということです。

当たり前のことですが工業株にサービス業が関連している業種は少ないです。たとえば、アップルのように製造業だけど小売店ももっているというケースも存在しますので一概には言えませんけどね。

つまりきょうの下げはS&P主導であり、マーケットを見る場合、株価はS&Pを中心にみなくてはいけないということです。

以上、2つがISM非製造業での注目点になります。

 

総合的に考えて

冒頭でも示しましたように、9月の経済指標が発表される10月の経済指標は良い訳がないのです。要するにドル安が進行をし、その上に景況感がよくなければ、金利も下がる訳っです。実際に金利も下がっています。

日本は消費者信頼感指数、9月に悪化していたことを示していますので、消費税の影響がどのように出てくるか、の問題です。日本の経済指標の発表は非常に遅く、11月半ばにならないと実数が出てきません。

ただ、景況感指数などは早めに出てきますので、ここで判断を示していきたいと思います。

ただ、実効為替レートは現時点でアメリカも日本も上がりようがなく両方下がっているから円高なのです。これが反対に円が現状維持、ないしは膨らんでいれば円安になるのです。

つまり円安への反転というのは日本の経済指標による訳ですよね。アメリカは、去年9月が最高に景気が良い状態ですから相対的に悪くなる訳ですから、あがりようがないのです。

この辺がファンダメンタルズからの回答になります。こんな解説をしているサイトは世界や日本のどこを探してもない、と思います。難しいでしょうが、マスターしてほしいと思います。