おはようございます。

FRBは議事録を公開し、複数の委員が金融緩和の終了時期を示すべきと主張していることが明らかになりました。今回は、この点と、トルコのシリア侵攻について解説をします。

 

FRBの緩和終了

まず、この緩和の終了というのは利下げの終わりということを理解しておかなければいけません。ほとんどの方は緩和の終了というと、理解ができないのでしょうが金融緩和には二種類あります。
① 利下げ
② 量的緩和の開始(要するにバラマキ)

ということです。今回は8月から利下げを行っていますので、この利下げをいつ辞めるかを討議したことが前回のFOMCで議題になったということを報道しているだけの話です。

市場はさらなる利下げを期待しているのに、FRBは逆に緩和の終了をいつ終わらせるかを討議しているのですから、緩和を終了させれば景気が冷え込む、と判断して何から何までられただけの話です。

要するにほとんどの市場参加者の認識は景気が弱い、という間違った認識をしているのです。アメリカも日本も好調そのものです。

もちろん、パウエル議長やそのほかFOMCの委員もアメリカの経済は好調と認識しています。ところが、市場参加者のほとんどが景気が悪いと判断をしているのです。

このギャップが急騰や急落を生むということを覚えておくほうが良いと思います。

つまり市場参加者のほとんどが景気が弱いということで売り、本当の景気は良い、ということで買い、になっている訳です。

今朝のFOMC議事録発表直後に売られたことを勘案すると弱気が優勢である事実が確認できますので、今回はどこかで暴騰するのではないか、と、考え、どこで買おうか、と考えることが私の考え方になります。

景気が弱いと、みなで唱和していますが、実際はそんなことはありません。去年に比べて悪いだけで過去5年間でみれば最高の状態であることには変わらず、比較対象の問題だ、つまり相対的な問題なのです。

このことは何度もみなさんにご説明しているのでおわかりの方も多いと思います。

 

トルコがシリア侵攻

このシリアの北東部というのは政治的に非常にグチャグチャな状態になります。

まず、トルコ側の事情は、この地域にトルコの宿敵であるクルド人勢力が根城にしています。これはイラン、イラク国境沿いにすむクルド人がスンナ派であるのに対し、一般的にはこのシリア国境沿いに済むクルドはシーア派ということもトルコの神経を逆撫でをしています。

まず、エルドアンがこれほどまでにクルドを排除しようとする理由には、その自身へのクーデターが発生をしたということが大きな理由です。2016年にクーデターが発生をした主な主体はクルドと思われており、エルドアンは自身の地位を保全するためにはクルドを成敗するということは当然のことです。

このシリア北東部にクルドの反政府勢力の一大拠点があり、ここに米軍が駐留をしていましたのでいままでトルコは手が出せなかったのです。

一方、アメリカの立場になります。アメリカはロシアがシリアに介入したことを受けて、アメリカも介入をします。しかし、前政権のオバマがシリアに対して煮え切らない態度を取り、はっきりいえば、何をやりたいのかがさっぱりわからない状態に対して、トランプが政権成立後に激怒したのです。

そもそも同盟国のトルコの宿敵であるクルド人勢力と米軍は組み、シリアアサド政権を攻撃するというチグハグなことを行い、その結果は不明という結果です。つまり、このシリア内戦が始まったとたんに、トルコと米国がおかしくなったのは、私から言わせれば、エルドアンの宿敵であるクルドを味方にしたアメリカが悪い訳です。

2018年のトルコの騒動に関してはトランプがそのことをよく理解していなかったので、トルコが苦境に陥るまでになってしまったのです。その結果、トルコはロシアや中国にちかづき西側諸国にとっては理解できない行動になるので、トルコ非難が続くのです。

つまりトルコは西側同盟諸国なのですが、その離反をさせたのはアメリカである、という認識はトランプにあります。ですから、アメリカ軍が撤退すれば、あのシリア国境は、緩衝地帯になるのですが、トルコが進軍してくるのは火を見るより明らかなことなのに、トランプは撤兵させたのです。

トルコを非難しているのは口だけ、ないしは有権者、議会に対するポーズになります。トルコはクルドの掃討作戦をやっているだけの話で大ごとの問題ではありません。

ただし、これに対して、ロシアなどがどう出てくるかが不透明な部分があります。あめりか議会はまた非難決議や制裁を行うでしょう。

ともかくシリア問題は複雑怪奇で最新の情報を得ていても何がどうなっているのかさっぱりわかりません。しかし、現時点で言えることは問題はないでしょう、と予測することのみです。

ドル円は、円安方向に進むでしょう。