おはようございます。

IMFは国際通貨基金と訳され、専務理事は新任、実際のオペレーションはアメリカ財務省が行っている国際機関の1つになります。

今回、IMFが注目されるのは来週に世界経済見通し(WEO)が発表されているからです。

IMFの信念

IMFは自由貿易こそが世界の発展に寄与するというのは発足以来の信念になります。すなわち、現在の米中貿易戦争を筆頭に世界中で貿易摩擦が勃発をしていますが、そもそもこの貿易をめぐる摩擦が起こることはIMFの信念に反することになります。

今回、新任の専務理事が米中貿易摩擦が世界経済を下押しすると会見で述べましたが、みなさんはどう感じましたでしょうか?

当コラムでは、貿易摩擦が起こったところで当事国であるアメリカやそして私たちの住んでいる日本での貿易に対する影響は軽微であると散々に書いています。最も影響を受けるのは通商貿易への依存が大きい中国、韓国、ドイツであるという話を散々にしています。

ただ、その影響も思った以上でもなく、おそらくこれらの上記3か国ではより一層に貧富の差が拡大するだけの話です。実際の貿易は、民間業者の手であの手、この手で回避される方向性に向かうことでしょう。

つまり貿易の影響などは世界経済にほとんど影響を与えない、ということが言いたいのです。ただし、新興国に関しては先進国への輸出が減少をしますので影響が大きいのです。

ただ、新興国経済での最大の懸念というのは資本不足であり、これは昨今、トランプが大騒ぎしている利下げ問題で解消をされてくることでしょう。すなわちFRBが今後も利下げを行うことによって、債券投資をアメリカで行うメリットが減ってくるのです。

つまりイールドハンティングと言われるできるだけ高い金利に投資をする投資家がアメリカの金利に魅力を感じなくなり、多少のリスクは増大するけれども、新興国投資を再開するということが始まるのです。

現在の新興国は、アメリカの利上げ再開によってある程度の資本不足に大なり小なり悩まされていましたが、その資本が再還流し始める道中にあるとみてよいでしょう。

そうなると輸出競争力がつき再び、新興国の成長がまた、伸びてくることでしょう。

IMFというのはイギリスの経済学者ケインズの理念の基づき設立された国際的な金融機関ですが、現在の運営はそのケインズの理念とは乖離した運営を行っています。

つまり経済不振に陥っている国に利上げを強要するようなバカげたことばかりやり、深刻な問題に瀕している国をさらに悪化させるような政策を行っています。

最近ではトルコが良い例であり、エルドアンはそれに反発をして中央銀行に利下げを要求したことが国際的に批判の的となりました。やっていることはエルドアンが正解ですが、ほとんどの方はIMFを支持するのです。

つまり、IMFの政策は時代の潮流に合っておらず、エビデンスなどを精査した場合、間違いの政策をずっと相手国に強要をしている機関です。

深刻な危機に陥る恐れのある国々は、正面を切って、IMFを批判できないことがIMFの増長につながっているのです。自由貿易はすでに世界成長にとって錦の御旗ではなく、今は、自由貿易の弊害のほうが目立っている状態なのです。

成長を欲するというのは人間の欲望であり、黙っていてもそういった活発な交易というのは促進されます。むしろ、政府の政策援助によってその促進を助ける時代ではないような気がします。

言いたいことは来週にも発表されるIMFのWEOによって経済の減速懸念が言われるでしょうが、だまされてはいけないということです。今の減速というのは結局、去年と比較においての減速であり、実際は成長をしているということを忘れてはいけません。

 

パウエル議長講演

⇒ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-08/PZ2JESDWX2Q901?srnd=cojp-v2
ブルームバーグより

これは非常に重要なニュースになります。

緩和を否定しているとはいえ、実質的にはドルの供給の再開です。すなわち、ドル安になりますが、反対に金利は高くなるのが債券相場です。

近年は金利の上下動によってマーケットが決定していますので金利の動きが重要になる訳ですが、この文面ではドルがどちらに行くかよくわかりません。

ただパウエル議長の目的は短期金利の急騰防止なのですから金利は低下するように国債買取を行うのでしょう。金利安ならどうなるのかを考えれば答えはかんたんにみつかります。

本日のドル円は再び、円安方向でしょうね、と考えています。