おはようございます。

香港情勢が緊迫しているかのような報道が目立ちますが、いつもどおりの光景になります。今回はその解説と、それに関連する米中交渉について解説していきます。

香港情勢のポイント

中国の本土は、香港情勢に関して、おそらく、いつもの民主化運動だと思っていると思います。日本や世界に向かっては報道規制によって全く報道はされませんが、中国の各地では役人の不正によって、毎日、民主化運動がなされています。

この事情を知らないのも米国も同様であり、議会が人権と民主主義に関して強い態度に出るのはいつものことです。上院でも中国政府に対しての制裁法案が決議されるのも予測通りです。

中国で、何が起こっているのか、といえば、今回のデモ隊の大学占拠も、そしてその制圧の方法もどこかでみた方法です。つまりいつもの本土での民主化運動の制圧方法と一緒なのです。

つまり、中央から派遣された地方役人にとってはいつもと同じことをやっているのです。

ただし、ここで間違えていけないのは、軍事力を使い、デモは駆逐しないことです。よく、事情がわかっていない人達が武力制圧によってデモを鎮圧する可能性がある、と高らかに宣言されますが、そんなことはあり得ません。

理由は中国政府がデモを武力で制圧をしてデモが止んだ例など過去になく、むしろ制圧した以上のデモが発生をしますので武力制圧など行いません。

故に、武力制圧などは行われず、役人の不正などが行われた汚職を摘発していくことによってデモが鎮静化をするのです。

香港の場合は3-4年前に不動産価格が暴騰をし、その結果、住宅価格、賃貸料などが暴騰をしています。この需要増というのは誰も説明ができなく、おそらく役人の不正の結果になるかと思います。あくまでも推測であり、事実ではありません。

今回の香港行政府長官は、デモ隊への融和策にて、住宅家賃の補助を上げていることから香港ではいまだに家賃などの高騰が社会問題化をしていると思います。

つまり、デモの発生原因などは逃亡犯条例などはきっかけにすぎず、中国のほかの地方都市と同様、役人の汚職だった可能性が高いということです。

なお、中国高等裁判所が香港行政府の行き過ぎた行為を違法と断じましたが、中国政府はこれを無視しています。

理由は非常に明快で、中国は立法、行政、司法の上に共産党があり、国家を共産党が指導している体制ですので、司法の判断は共産党の決定以下なのです。共産党が受け入れない、といえば司法の判断は受け入れないのです。

自分たちの常識を中国にも当てはめようというメディアが多数ありますが、中国の法制度はそうなっているのです。憲法違反も当然のようにありますが、憲法よりも共産党のほうが立場は上なので、憲法に違反しても、共産党には関係がないのです。

で、今後、どうなるか、といえば、一般の市民に危害を加えるような事態になれば、軍隊は出動しますが制圧までは行いません。時間をかけてデモの熱意が鎮まるのを待つだけなのです。

これによって何かが変わるということはないでしょう。

 

香港問題での米政府の対応

基本的にはトランプは米中交渉もあり、穏健な行動をとっています。

しかし、議会はトルコと同様に過激な方策を取るのはいつもの行動です。アメリカは議会の力も強く、内閣がそれをやれば行政干渉になるのでしょうが、アメリカの議会は平気でこういう香港に対する制裁などを決定します。

私からみれば完全に内政干渉なのですが、誰も批判をしない、というのが不思議です。

この香港に対する制裁内容は、上下院にて決議をされましたが、その制裁内容は少しだけ違っています。そのとりまとめに時間がかかっているだけで、とりまとめが済めば、トランプ大統領に送られます。そこでトランプがサインをすれば、制裁が実行をされます。

トランプがサインをするかどうかが注目点と言う識者もかなりいますが、これは、議会が全会一致で決定をしたことに対してトランプが拒否権を行使することは常識で考えてあり得ません。

全会一致で成立した法案はアメリカ国民の総意といってもよく、それに拒否権を発動する大統領は民主主義の何たるかを理解していません。つまりトランプはまず間違いなく拒否権など発動しません。

それに対する米中交渉への影響については、何ともいえません。

中国は面子の国ですからアメリカ議会のこの決定に対して抗議声明を出すのは当然のことなのですが、これが米中交渉に影響を与えるか、といえば、たぶん、私の推測では何も影響がありません。少しはあるのかもしれませんが。

みなさんが思っている以上に中国というのは、大人の対応をします。おそらく共産党を含むアメリカ議会の決定というのは私でも予測できたくらいですから読んでいたはずですし、面子の問題から抗議をするのも当然のことなのです。

面子をつぶすと中国は厄介な国ですが、その面子を米中交渉の会議の中で、維持させることをしていれば、何の影響もないでしょう。

令によってメディアでは政府高官と称するトランプが年内にまとまらない、とかコメントを出していますが、何を意図しているのか、よく「いつものように」よくわかりません。

これだけ説明して結局、結論は香港が世界政治の主役でもない、単なるローカルニュースである、と現時点では申し上げておきます。

本日のマーケットも円高傾向です。ダウの高値は28200ドルくらいが高値になるはずで、いつ、急落してもおかしくない状況にあると書いておきますが、下げるような材料もないから単なる押し目であろうと判断しています。

テクニカルの問題なので、下げたら、下げ止まらない可能性もあります。