おはようございます。

アメリカGDP二次速報、修正値がコンセンサスよりも上振れをした結果、アメリカの主要株価指数は新値を更新しました。今朝は、その解説を行いたいと思います。

 

大事なことはこの数字が7-9月期の数字であること

今回、発表された数字は7-9月の数字であり、現況の数字ではないということ。現在、発表されている数字の多くは10月の数字になりますが、GDPはさらに古い7-9月の数字であるということが言えます。

先ず、7-9月がどういうことがあったのかを考えていきます。

まず、アメリカ経済の好不調を図るものは金利の訳です。金利が高いと低調、安いと好調になるのが大事なことだ、と今までずっと言っています。

7-9月にFRBが利下げを行い、金利はそれほど過去に比較して高いという訳ではありまっせん。過去のGDPの推測をみていると、いつも何かを落としてコンセンサスは推計をしています。

たとえば、ドルが上下をしているのに、ドル高、ドル安の影響を勘案せずに高いコンセンサスに設定し、結果として、大きく違う結果になったりと、こういうことが多い訳です。

現在のアメリカ経済は金利に左右していますので、今回もさまざまな解説をする方がいますが、おそらく聞くまでもなく頓珍漢な解説になっています。

おそらく、上方修正の主な原因は、金利が低いということです。

そして、この時期に中国、北朝鮮、イラン問題が引き続き起こっており、この心理的な要因もあったはずです。

これが、重しとなって1.8のコンセンサスになっていたと思いますが、実際には、中国もイラン、北朝鮮も全く経済指標には影響が出ていないので上振れも仕方がない、ということです。

ただし、貿易統計は4-6月までは大きな影響が出ていませんでしたが、9月以降、アメリカの輸入に少し減少という傾向が出ていることは付記しておきます。

つまり9月以降にトランプ、米通商代表に軟化の姿勢が見られたのはこの影響もあったと思います。たしか、トランプが関税の緩和を言い出したのはこの9月の数字が出たころからだと思います。

総合的に考えると、7-9月はみなさんが思っているほど悪くはなかった、ということです。従前から言うように、アメリカ経済が私は絶好調だ、といっていた通りなのです。

そもそも、最大の絶好調だった、去年の7-9月よりもさらに2.1もよくなっているのに、なぜ、悪いというのか理解不能ですけどね。

 

GDP推移

上記は年率の成長になります。

2.1というのはこのグラフをぱっと見たときに悪いと感じる方が過半だと思いますが、これは2018/7-9月が3.1という驚異的な数字と比肩したら2.1でもよくやった、という評価になるのはまともな見解だと思います。

前期も去年3.2で、今年2.3ですから、非常によくやっている、ということができます。しかし、世間、というよりかあらゆる専門家は、アメリカ経済の失速、失速の唱和をしていたのです。数字がわかっていない証拠です。

肝心なことは、過去のことではなく、未来のことで直近のことです。2018/10-12月は2.5という数字で、前期の3.1と比較してもかなり数字が悪化しています。

今期の7-9月は去年3.1に対して、今年2.3なのですから、かんたんに考えると去年2.5なのだから今年の10-12月は3パーセント台になる可能性のほうが高いのです。

実際、現状、株価も新値、FRBの巨額資金放出をしても一瞬にしてその資金を債券市場は飲み込んでしまう、雇用も好調、賃金も2.9伸びて、インフレは1.6くらい。どこをどうやったら不調になるのか、と思います。

世間の声も、好調、好調といい、今回はみなさんの予測と世間の予想に乖離がありません。

かんたんに書くと、

つまり今期の予測は双方ともに、良いになるのですから、マーケットを押し上げる力が働くのです。前期の株価もドル円も大したことはなかったのですが、今期はこうやって考えるとどうなるのか、ということです。

今回の点で注意をすること

たとえば、このGDPを境にドル円が大きく上昇をしています。

これをドル円で考えると、ドル÷円なのですから、ドルが増大したから円安になったわけです。

円は横ばいから縮小になりますが、きのうの日経は0.28パーセントの上伸です。つまり漸増傾向だったのです。

そしてアメリカはコンセンサスよりもGDPが良かったのですから増大です。この場合、7-9月という古い過去を実行為替レートが反映したということを示します。

このドルの増大が永続するのかということです。今夜まで、このGDPの反映には時間をかけるでしょうが、その後が問題、ということです。

いったん、GDPをマーケットが取り込んでしまうと、アメリカにもっと強い材料が出てこないとドルの増大、すなわち円安は持続しない、ということです。

この場合の円安の継続にはどうすれば継続をするのかを考えるといろいろな可能性があり、そして目先ピークの反転はどうなるのかを考えればいいのです。

経済指標や、政治日程を勘案してそのシナリオを練っていくとある程度、ドル円の展開などは読めてくると思います。これを考え出すと複雑怪奇になってくるのですが、これを考えることほど面白いことはない、と私、個人は思っています。

本日は、上記でも触れたように円安、わずかな、ということです。