読者のみなさま、新年あけましておめでとうございます。

今年も1年お願い致します。毎年、思うのですが、世間の雰囲気というのは年始を迎えると1年間がリセットされるような雰囲気に溢れるのですが現実は、去年からの流れを引き継いでいるだけの話です。

去年の流れをきちんと復習していなければ、今年の流れはわからない、ということです。

長期の流れ

いつもいうように、株でも為替でも①ドル②金利③GDPで価格が決定されています。今は、短期的には①のドルの動きにマーケットは支配されていますが、長期的には必ず金利にフォーカスされます。

去年から言っていることですが、以下をご覧ください。

米債10年物 金利推移 過去100年

ご覧のように②の金利は過去最低です。いつもいっているように、アメリカは債務国であり自国民からファイナンスができません。

反対に日本は債権国ですから自国民からファイナンスができます。ゆえに、アメリカは外国からの借金になりますので金利をゼロにすることはできません。

しかし、トランプは一時期、金利をマイナスにしろと気が狂ったような発言を行いました。マイナス金利で誰がアメリカに貸すか、という問題を忘れているのです。

結果として、今のアメリカは最低金利であると確定することができます。マイナスにしてお金を誰も貸してくれなくなればアメリカは即時にアウトですから。

つまり、今の株価を支えている低金利というのは低金利が終了すれば崩落するというのは眼に見えているということです。

ただ、コロナが起こり景気が低迷している中ではFRBは必至に金利を上げないように努力をしています。つまり、2021年に急激に金利が上昇する可能性は低いですがその可能性を排除をすることができないだろうね、というのが私の見立てです。

つまり今の株価というのは砂上の楼閣になるのです。

ドル安について

ここからは為替の問題も取り上げていきます。

2018年から2年間の日米の実効為替レートの推移 12/21まで

何度も言いますがドル円レートというのはドル÷円という算式で算出をされます。

アメリカは2019年が過去最高の景気であったと断じていいと思います。ところがコロナが起こって、FRBが資金供給を開始したときに壮大なドル高になりましたが、その後はずっと下がり続けています。

事実は、ドルは去年よりも安い、というのが事実です。

一方日本は、2019年の10月に消費税増税がありその後、落ち込みましたが、コロナ後はほぼ横ばいになっています。年末に大きく下げている場面がありますが、ほぼ1年を通して上昇気味から横ばいであったと言ってよいと思います。

つまり、実行為替レートの側面からいえば、日本は去年よりも良くなっている、ということができます。

去年から言っていることですが、日本はよくなるよ、だから日経平均が他の国の株価よりもよく上昇するのが当然なんだよ、と言っているのです。

通常に考えてアメリカの株価が高いのはドル安のおかげですが、日本の株価は、通貨が高いのに上昇しているのは、日本の経済が強いから、ということを断じてもよいと思います。

為替は何度もいうように、ドル÷円で算出され、去年1年間はアメリカはどんどん減っていき、そして日本は横ばいから上昇となると、ドル円が円高になるのは当然のことです。

みなさんが一番、知りたいことは、今後のドル円がどうなるのか、ということでしょう。

日本が仮に横ばいで動いたとした場合、アメリカのドルが低下傾向に歯止めがかかるのはどうなる時なのかを考えればいいだけの話なのです。

つまりドルがどこで下げ止まるときなのかを考えればいいのです。

去年から書いているように今回のドル安の原因は、①大統領選挙の不透明感②金融、財政政策が行われるか否か、の点でドル安になっているのです。

このうち、②に関してトランプが議会の超党派合意を経て、さんざんごちゃごちゃやったあとに署名をしていますので、年末年始の間、マーケット参加者が少なくなった結果、ドルは反転しませんでしたが、おそらく、反転するでしょう。

一方で①の動向ですが1/6に選挙人投票における投票結果が議会で承認をされます。共和党員150人程度が承認しないといわれていますが、決定を覆すことができません。

そして1/5にはジョージア州の補選2議席が決定することによって議会上院を共和党が握るか、握らないかが分かれます。この主導が次期大統領であるバイデンが自身の政策を思い通りに進めることができるか否かが決定されます。

ご存じのように下院は民主党が過半数を握っており、上院は現在、両党が拮抗している状態です。これを民主党が取れば、バイデンは多数を背景にコロナ経済対策を筆頭に思い通りの政策を進めることができるのです。

マーケットはこれに注目をしているのです。

注目のジョージア補選は、混沌としている状態です。現在の情勢は私もわかりませんが、大統領選挙と同様に最初は共和党優位に進みますが、郵政投票で民主党有利になるというパターンだとは思います。

ただ、このドル安、②に関しては決着がつきました。

なぜ、この②に着目するかといえば、みなさんはFRBや政府が金融緩和を行えばドル安になると頑なに思っている節がありますが、たとえば、アメリカの2月の実効レート、去年日本の消費増税前の実効為替レート、みれば一目瞭然で、政策開始後に緩和で下がると思っていたものが急騰をしているのです。

つまり、緩和でドルや円の絶対値が下がるという認識は間違いで、発表後は急騰するんだよ、ということです。その場合、年初のドル円レートはどうなるの? ということです。仮に日本のレートが動かず、アメリカのレートが急騰をした場合には円安になるでしょ、それだけの話です。

■コロナについて

そして③のGDPは現在、GDPイコールコロナの感染になっていると思いますので、コロナで解説をすれば済む話です。

まず、日本で解説をしていきます。12/20ころに寒波がきた影響が現在の4000人程度の感染というのが現在の状況です。そして年末にさらに寒波がきていて、その感染数は罹患が確認されるまでは一般的には5日から14日かかると言っているのですから、その数字はまだ反映されていないのです。

すなわち、これから日本においても、感染者はまだ増える、と言っているのです。誰でもわかる話なのに政府はしようとしない、と批判をしているメディアや専門家がいますが、よく考えてほしいということです。

たとえば、アメリカは20人に1人が感染している状況で、これは少し歩けば、感染者に当たる、犬も歩けば棒に当たる状態です。日本は600人に1人ですから、渋谷や新宿の繁華街に行かなければ当たらない状態です。

では20人に1人感染している状況で、感染者と接触しないようにする方法などあるのですか? 何れ日本もこの状態になるでしょう。

しかし、結果をみてください。感染をしても健常者の場合、ほとんど重症化はしません。この事実をみれば、わかりますよね。

この感染の終わりというのは、過去の感染症で明らかで感染率が50パーセントつまり、2人に1人が感染すれば拡大も終わるのです。

そこでの選択肢は、かんたんです。感染拡大をさせるだけさせてしまえば、この拡大は終わるのです。それだけの話です。

つまりトランプは感染拡大をさせるだけさせてしまえ、とファウチを非難しましたが、合っているのはトランプで間違っているのはファウチなのです。

医療従事者ということで人の死に何度も直面している人には耐えられないことだと思いますが、しかし、経済を殺さないで感染拡大を終了させるのには個人的にはベストの方法だと思います。

この感染率が50パーセントになるために過去はだいたい5年かかっているのですが、そんなの感染予防をするために、5年の月日をかけるくらいならみんなに感染したほうがよろしい、と思うのが普通です。ただし、高齢者、既往症、妊婦、乳幼児の対策をどうするかはかんがえものです。

では、これを踏まえてマーケットを考えてみましょう。

感染した人は経済活動に従事はできないのですから、経済に参加できる人数がへれば、経済活動は停滞します。おまけに自由に行動ができない、停滞して当然のことです。

しかし、マーケットは株を筆頭に高い。去年よりも景気が悪いのに去年より高い、というのが事実です。しかし、これは上記で説明したのですが、通貨安だから高いのです。その中で日本は通貨安でもないのに高い、日本経済の実力の証左です。

結局、今のアメリカの株高というのは「蜃気楼」つまりドル建てで表示するものはお金の価値が減っているのだから、高いように錯覚しますが、結局はイッコーさんじゃないのですが「まぼろしぃ~」なんですね(笑)。ドルは基軸通貨なので、みんな高くなっているだけの話です。

問題は、通貨安を当局、つまりFRBや日本銀行が制御できない状態になれば、去年の2月のようなコロナショックが起こる訳です。

制御できないのは金利ですよね。政策金利は、その誘導目標に誘導をすることは可能ですが、実際に物価が上昇し、財政赤字が拡大すればコントロール不可能です。厳密には財政赤字というのは人が作りだすものですのでコントロール可能ですが、物価に関してはコントロール不能です。

結局、今年もドルと金利をみておけば、マーケットは対処は可能ということです。

いくら経済統計をみても、ドルや円は不変という観点からみていますので、数字は去年よりよくなっても、実はその稼いでいる金額のドルの価値が去年より6パーセント価値が減っていますので、実際は去年と比較して6パーセント以上よくなっていないと、統計数字はよくなっていないのですが、ほとんどの専門家と称する人間はドルの価値を不変とみて判断するから間違うのです。

実際の経済は思った以上に深刻な状態です。

単なる数字のマジックにみなさん酔いしれているだけの話で、これをバブルと呼ばすになんと呼ぶのでしょうかね?

総論

冒頭に申し上げたように、今の金利は史上最低です。理由は基軸通貨であるドル金利が最低であれば、ほかの通貨も下げようがないのです。

つまり、金利はこれから何か月先か5年後かわかりませんが上昇してくる、ということが自然の解釈です。

そのときに今の株やビットコインはどうなるのか、崩落するだろうね、ということです。現在は銀行預金に全く金利がつかない時代ですが、一転、株や投資の世界が、つぶれて、預貯金全盛の時代になるよ、ということです。

そのときには今やっている政府はアホという評価になっているでしょう。たぶん、トランプは偉大な大統領という評価になっていると思いますよ。その判断は早くて10年後ですけど(笑)。

つまり金利が最低ということは、時代が変わる、ということなのです。

株式全盛の時代はもうすぐ終わろうとしている、と言いたいのです。預貯金が今度は主流になるよ、ということです。金利が5パーセントで10年置けば、元利含めて総資産がいくらになるか考えてみてください、ということです。計算方法は1.05を10乗すればいいのです。

一方で全く動かないFXですが、通貨の価値が相対的に下がっていたので、動かなくなっていただけの話です。通貨の絶対的価値が上昇すると言っているのです。今までは絶対的な価値が下がっていたので動かなかったのです。

現実の世界はドル円などのレートは相対値ですので絶対値が上がっているか、下がっているかをみなさんは確認がしようないだけの話です。

そのFXが動きだす焦点は、金利の上昇だということです。これだけ、史上最大規模の緩和を行い、物価があがらない、これは世紀のなぞ、と言われていますが、要するにいままでの緩和、たとえばリーマンショック時の緩和、が不十分なだけだっただけの話です。

私の計算では許容量を超えて緩和を行っているのです。物価が上がらない訳がないのに、上がらない、あがらないとみなさん言っているだけの話です。

細かい点や、国際金融に関しては明日以降に解説をしていきます。