おはようございます。

世間は中国のコロナウィルスに注目が集まっています。この件はきのう記した通りになります。

要するに、債券や株式のきのうまでの動向をみていれば中国国内がパニックになっているのは明らかなのにSARSを経験している金融関係者はのほほん、としているというのが実態なのです。

事実をみればパニックなのに、のほほん、としているのはいかがなものでしょうか?

そして、今回も事実だけをみると、実は米中交渉は何も進展をしていないのです。

 

米中交渉の実態

去年の12月までに米中貿易交渉は合意することになり、今年の1/15までに署名をすることとなっていました。

実際に予定通りに事は運んでいるのですが、何か、この間に決まったのか、といえば実は何も決まっていないのです。決まっていないという言い方は語弊があるので、正確にいえば決まっているけど履行など何1つ履行はされていないのです。

それなのに、アメリカの株価は新値を更新している訳です。何も両国の経済状況に変化はないのに株価だけは新値を更新、おかしいですよね。

つまり米中交渉が進展をしているということは事実ですが、何も履行されていないといことで株価は期待感だけで上伸していたことになります。

要するに現在の株価はフェイク、勘違いの値段であり、実際に履行される見通しがなければすぐに急落をするというまさに、危機の上に成り立っている値段なのです。

この場合、急落する条件は、今回の合意内容は2月中旬くらいまでに正式に履行される模様です。

これはアメリカの制裁関税の解除という意味で、中国側の努力目標は数字をいろいろ計算しているのですが、どこから努力目標を計算しているのかわからないということなのです。

計算によると10か月間の目標になるのが妥当と思いますのでその履行は3月からなのかね、とか思っています。

そのうえに今回のコロナウィルス騒動が発生です。明らかに中国の経済活動は停滞しており、春節が終わった時点で3週間の生産活動が遅れていることが確定しています。そして春節の間にそのウィルスが拡大すれば、1か月や2か月の生産活動の停滞が予測されます。

中国当局は封じ込めに努力をしていますが、人から人への感染が確認されており、そして民族大移動の時期ですからほぼその感染拡大の阻止は無理な状態です。

つまり、悪材料ばかりなのに、きのうまで、ほとんどの方は楽観なのですから、おかしいことこの上ない訳です。

話が逸れましたが、米中貿易交渉の内容は以下の通りになります。

まず、第一段階から第四段階まで制裁があり、今回の制裁解除は第四段階のみなのです。この制裁の総額は3700億ドル相当です。第四段階の制裁は1200億ドルです。

しかもこの第四段階の制裁の関税が撤廃されるのではなく、この制裁関税15パーセントを半額にするだけの話です。

つまり第一段階から第四段階の制裁は全く解除されない訳です。これで楽観なのです(笑)。

反対の中国に課された義務は何もなし。つまり中国側は輸入の努力目標が課されただけの話なのです。

2年間で2000億ドルの輸入努力目標が課されています。この輸入枠の消化はほぼ現時点で無理と一般的には言われています。

すなわち、中国がこの輸入枠を達成をしようとするのであれば、米国に課した関税を勝手に撤廃するであろうというのがアメリカ、中国双方の思惑いなります。

そのほか知的所有権などのことは一切、何も決まっていません。

決まっているのは2月の中旬に第四段階の関税制裁を半額にするという意味です。

株価はフェイクなのにリスク回避のコロナウィルスが出てきたら、株価や為替はどうなるのでしょうか? 私が言っている通りの展開になるのは必定ですよね。断定はしませんが、そうなる可能性は高いということです。

本日は円高、0.07%になっています。またテクニカル的にはドル円4時間がダウントレンドの中、デッドクロス。

このデッドクロス直後には黄色の30まで戻ると以前に解説をしています。そのことをきちんと覚えている人はきのうの戻りはきちんと対処できていると思います。