おはようございます。

新内閣のご祝儀相場が終わったと思えば、こんどはNY連銀指数が急騰です。そのほか、トランプが中東和平外交を活発化させ、選挙戦への実績アピールをしています。

この中東和平に関してみなさん、認識が非常に薄いと感じます。これは、どこかで解説をしますが「歴史的な快挙」と言ってもよいところです。安倍さんは辞めてもトランプはどこまでも話題を提供してくれるものだね、と思います。

エンパイアステート指数

9月のISM指数の前哨戦であるエンパイアステートやフィラデルフィアはマーケットの動向には非常に重要な指標になります。

このエンパイアステート指数が急騰をしています。結果がナスダック市場の上昇という形になります。

しかし、この数字に関しては疑問に思うことが多々あります。

エンパイアステート指数

先月3.7に対して、17と13.3ポイントもの急騰です。

しかしその中身をみると非常に疑問符がつきます。
https://www.newyorkfed.org/medialibrary/media/survey/empire/empire2020/esms_2020_9_survey.pdf?la=en

新規オーダーが8.8ポイントの上昇などが目立つのですが、これ以外に目立つ数字は労働者の平均労働時間13.5ポイントの上昇です。

新規オーダーは将来の収益拡大を見込めるのに対して、それ以上にコストである人件費が上昇していることは収益は拡大しないということになります。

そして受注実績が1.8ポイントの上昇という極端に低い数字になります。

そのほか8月の金利動向は以下のようになります。

8月は長期金利の上昇局面にあり、借入金のコストがかさんでいることは如実にわかる内容です。

つまりエンパイアステートの総合指数は13.3ポイントも急騰をしていますが、将来につながる利益の部分は縮小をしており、おそらく、このエンパイアステートの数字はマーケットに評価をされないでしょう。

これをうけてマーケットは?

きのもエンパイアステートの結果をうけて金利は堅調に推移をしています。何度も言うように今のマーケットは「低金利」を背景に株価が上昇をしています。

この低金利が今の経済の生命線であり、そのほかのドルの高低などは調味料に過ぎません。きのうも米国市場オープニング前にドルが異様に売られ、ダウはそれほどでもないまでもナスダックは上昇という形を取りました。

日経平均が理論値まで上昇しないことから通常の考え方は、アメリカ株は安い、という考え方になるのですが、エンパイアステートの数字やドル安を背景としてなんとか上値志向を維持したものと考えるのが妥当なことです。

今夜はFOMCであり、パウエルが何を言い出すのかわかりません。

しかし言えることは金利の動向は

①物価
②アメリカ政府債務
③誘導目標金利

であり、①と②が増加するなか、③だけを人為的に「ゼロ」に据え置いてそれが達成できるかの問題です。

私から言わせればできっこないことを、できるというパウエルは神様かおおまぬけ野郎だと考えています。おカネの流通が増えれば、物価は上昇するのが当然ですし、そしてアメリカ政府の債務が増えれば金利が上昇するのも自然なことです。

その自然法則にのっとった動きをゼロ金利で封じるなんてことはできっこないのです。それ仮に人為的に止めることができたとしても将来に大きな禍根を残すのが自然の摂理というものです。

本日から日銀政策決定会合にもなりますが、方針を変えることなどないでしょう。なぜならきのうも記したように、アベノミクスをこれ以上、続けてもこれ以上の成果は出ないことがほぼ確実になっています。現状はコロナ禍という未曽有の事件が起こっていますので、有効でしょうが、危機時には有効でしょうが、平時にはほとんど効果らしい効果が出ません。

かといって新たな提案ができるほど議論や研究がし尽くされているような雰囲気もありません。

私からいえば、万策尽きているように思いますが、どうやって引田天功張りのイリュージョンを見せてくれるか、ということだけです。

本日の動きは様子見でしょうが、この金融政策決定会合明けは中期的には弱含むと思っています。