おはようございます。
きょうは、バイデン次期大統領の上院での同僚、現在の共和党院内総務マコネルとバイデンの関係を解説しようと思います。
結局、現在のリスクオン相場というものは、コロナ対策予算費、そして次期大統領の確定にかかっているという見解に変更がありません。
バイデンは上院議員を40年近く務めあげた⁈
バイデンの経歴は、まだまだ勉強が足りないのですが、上院での議員経験が長いことは周知の事実です。
オバマ政権にて、副大統領に就任しましたが、主に活躍をしたのは外交と議会、特に上院での共和党との調整になります。
米国議会では、ほとんどその地位は年功序列になっており、たとえば下院議長のペロシ、上院の院内総務のマコネルは長年にわたり議員を務めあげてきた人たちです。
バイデンはこれらの人たちとは仲は良くない、と一般的には言われますが、仕事上の付き合いで何度も折衝をしてきた関係にあります。
バイデンは、中でも上院の共和党院内総務マコネルとは過去、何度も民主党の利害を調整してきた仲です。
お互い、手の内を知り尽くしており、上院にて共和党の意見をまとめ上げるのはマコネルになります。マコネルはあらゆる手段を使い共和党の議員団をまとめ君臨しています。
そしてバイデンとマコネルは、何かを得ようとすれば、何かを放棄しなければならないことが交渉をまとめ上げることはできないということをお互い承知をしています。
今回のコロナ経済対策において、バイデンは次期大統領として超党派での合意には素晴らしいこと、と歓迎の意向を示しています。
現在は新年の新議会にむけて、トランプと同様、レームダック化をしています。下院は新年になっても、民主党優勢には変わりがありません。
そして、上院は現在、共和党が多数、そして新年も拮抗するか、共和党有利になるだろうと言われています。ジョージアの補選次第になるのですが、どちらに転ぶかはわからないというのが下馬評です。
オバマの第一期においては、民主党が圧勝をしましたので、オバマは共和党の言い分に一切、耳を貸さず、余計に分断を広げましたので、その反省からバイデンは得意の対話にて今回の交渉をまとめることになると思います。
何せ、相手は旧知の中でお互いの手の内は知り尽くしているということです。
そして、民主党には今回の選挙結果に失望をしており、オバマのときのように共和党の言い分を一切、聞かないということはあり得ません。
ペロシなども、社会福祉関連予算のごり押しをいつも通りにするのでしょうが、次期大統領の顔を立てそこまで理不尽な要求をしないでしょう。上院はマコネルが妥協をするでしょう。
不利なのは、上院なのですが、そこはバイデンがマコネルを懐柔するだろう、というのが支配的な見方になります。
そして、バイデンにかつてついたあだ名は「マコネルの優しいお守り」です。つまりバイデンは議会対策に長けているということです。
となると、共和党好みのこのコロナ対策予算案は、成立する見込みが高い、とみるのが適切だと思います。
そうなるとこのリスクオン相場の終焉も近いことになります。何度も申し上げますが大統領選の法的な決定は14日以降、今回の経済対策合意は11日までの予定でしたが、延期されています。これが本日の株価の下がった原因です。
そもそもリスクオンになっているのは米株式が10パーセントほど買いすぎ状態で、日経はきのうの水準で適正となります。ただ、その水準はドル安と低金利でもっていっただけの話ですので、低金利、ドル安が解消すればそれで止まらないと思います。
一番、大統領選挙では民主党が勝った形になりますが、議会では民主党の圧勝感がないということが懸念されたのですが、次期大統領と上院共和党院内総務が刎頸の友という関係ですので議会は円滑に進む可能性が高い、という見方が一般的です。トランプのときのように議会対策ではそれほど揉めることは少なくなるでしょう。
アメリカの議員というのは、結局、昔の日本の国会議員と一緒で我田引鉄みたいなことを主張している連中が主だ、ということを念頭に置けば、揉めるでしょうがオバマやトランプのときのように揉めることは少なくなるでしょう。
マーケットの展開
先ず、株価において現在はアメリカ>日本になっているということは前段で説明をしました。
そして、ドル円においてもアメリカ>日本になっていますので、12月に入って円高になっただけの話です。円高といってもレンジの中にあるだけの話ですが・・・。
では、大統領選挙の法的確定、そして経済対策が成立をした場合、トランプも成立をした場合には署名すると明言をしていますので、なんとかまとまる可能性が高いと思います。
その場合、経済対策が決まれば、ドルは今まで売られていたのが上昇をします。つまりドルの需給において、その需要が決まったので今まで緩和期待から下落をしていたのですが、需要が拡大し、ドルが上昇するのはいつものパターンです。
みなさんは、経済対策が決まれば、株価が上昇すると思っている方が多数でしょうが、そもそも今回の株価上昇の起因はドル安と低金利なのですから、このうち、ドル安が反転、金利は新規の借金が見込まれますので低金利もある程度解消するとすれば、株価は通常に考えると落ちます。
そしてアメリカ株はダウで判断をすれば10パーセントほど買っています。つまり2.7万ドルくらいまではおちるということになります。
ただ、こういったボーダレス社会になった現在では日本の分析もしなければいけません。日本は現在、来年度予算の折衝を行っており、菅総理も今年度と来年度を合わせた補正予算の成立を目指しています。
ユーロ圏でも緩和を行うと何度も報じている通りです。
つまり世界は緩和競争に走っているのですが、これとリーマンが違うのは、アメリカの金利問題になるのです。リーマン時にFRBは金利を抑え込むことに成功をしましたが今回の場合、この金利を本当に抑え込むことができるのか、という問題が存在します。
なんといっても緩和のし過ぎです。日本が、アベノミクスで想像を超えた緩和を行いましたが、金利は上昇しませんでした。
これは、日本は債権国であるところが大きいと思います。アメリカは債務国です。つまりゼロ金利で、巨額の起債で応じる投資家が十分にいるのか、という問題があります。どちらにしても債務上限の問題と絡まり複雑怪奇な綱渡りをせざるを得ません。
ドル円については、どうなるかは見通せない状態になりますが、おそらく、円安になるであろうとかんがえています。