おはようございます。

きのうのマーケットはドル高、金利高にもかかわらず株は全面高、ドル円は円の絶対値が下がり、ドルの絶対値が上昇したことから円安が進行しました。

今回はこの解説と、個人的にはアメリカ分断の原因と思われる人種差別と優遇の違い、について、です。

人種差別と優遇は全く別物

きのう、JOCの会長、元総理であり森さんが女性蔑視と思われる発言にて世界中で問題になりました。この人は、首相在任中に有権者は投票に行かないでくれ、神の国、日本、などさまざまな軽い発言で世間を騒がせました。

これだけ問題が多い人でも、必要とされるから政治の世界で残っているのであり、私たち一般ピープルには理解できない人選というのが実際のところでしょう。

この発言の当初、問題になるよね、とは思いましたが、予測通りの展開で笑ってしまいました。この発言の真意というのは置いておき、これは結局、アメリカが分断するという遠因にもなるのだろうな、とは思います。

誰でも人種、性別、国籍などで差別はあってはいけない、と考えるのが世界の趨勢だと思います。

しかし、ほとんどの人は差別と優遇を混同していると私は勘違いしていると思います。

日本でも10万円の給付には多くの人が賛成するとは思いますが、実際に本当に10万円を支給してもらわないと困る、という人がほとんどいない、というのが私は現状だと思います。所詮、あったほうが助かるというレベルであり、なくてもなんとかやっていける、という人がほとんどではないでしょうか?

そもそも10万円ほしいと騒いでいる人たちというのは、個人的には本当に困っていない人であり、本当に困っている人というのはそういう声さえあげることもできない人間だと私は思っています。

そういう人は生活保護を受ければいいじゃないか、という人もいらっしゃるでしょうが、現実的に車を保有しちゃいけない、家族に助けてもらえ、など、事情は人によって違うのに、一律に受給制限が行われているのが現状で、まったく生活保護の意味をなさないのが現状で、使いものにならない、というのが私の感想です。

で、みんなが公平に10万円を給付されるというとほとんどの人が賛成するという現状を嘆いています。そんな無駄なお金、私たちの支払う税金の使い道にするな、というのが本音です。

これは結局、米国にも通じ、ヒスパニックやそのほかの人たちは白人に比較すれば恵まれていない、という理由で、さまざまな公的な援助があります。そのうえにメキシコ政府からもあるというのが現状であり、正直、援助漬けというのが現状です。

一方、裕福とされている白人、とくに低学歴層は、自分が生活できなくなったらそれは自己責任と片付けられます。

この構図、おかしくないでしょうか?

差別といっても仕方ないですが、完全な優遇政策です。肌の色や移民であることによって優遇されているのです。この背景には特にヒスパニックの間に教育水準などに大幅な遅れがあるのでヒスパニックを優遇しなければいけない、という白人エリートには意識があるからです。

その白人エリートには、いわゆる今、政治にかかわっているレベルにはほぼナショナリズムなどは存在しません。

なぜなら、彼らは多国籍企業から多くの恩恵を被っており、世界で多国籍企業は稼いでいるのでアメリカのナショナリズムが邪魔になるから、という理由だろうと思われます。

今のアメリカはこういう構図になっており、トランプに白人の低学歴層が熱烈な支持を受けるのはそういう理由だろうと思われます。

昔からアメリカにいるのになぜ、こんなにも自分は貧乏なんだ、という怨嗟の声と思った方がよいと思います。おまけに安い移民賃金労働者に仕事を奪われる、という現実的な危機に瀕しているのです。

そこにバイデンが議会襲撃という悲劇的な事件に対して、非難を浴びせ、これでバイデン政権がうまくいくと思うほうがおかしいと思います。

白人の労働者層に何の配慮の言葉も政策も掲げず、どうしてうまくいくのであろうか? と思います。それで宥和といってもだれが聞く耳をもつでしょうか?

みな差別が良くないと思っていますが、これは世界的なコンセンサスになっていると思います。しかし、差別はよくなくても優遇は、どうなんだ、ということです。

たとえば、あなたが就きたい仕事に女性と男性、応募したとしましょう。あなたが男性でその対抗女性よりも能力も経験も優っているとしましょう。

だけど、男女雇用均等という理由でその仕事を女性に奪われたら頭にだれでもくるでしょう。

こういうことが起こったのがきのうの森会長率いる、JOCの女性委員の問題だと私は思っています。

まず、森が悪いという前に組織の条件というのは会長をトップに成り立っているのが前提です。組織のトップに悪人だろうが善人だろうが、それに組織人はどんな組織でも忖度するものです。

その忖度するために、コバンザメが存在するのであり、そいつらは会長のご意向に沿い、会長があいつは気に食わない、と漏らしたとすれば、ソイツを排除しようとする、という動きになるのがどんな組織でもそうなるでしょう。

コバンザメというのはそういうことでしか組織で生き残れませんので必ずそうします。組織が肥大化すればするほどそういう人種が多くなり有能な人ほど辞めていくのはそのためです。

JOCに限らず、どんな組織でもそういう人種はいるのであり、それを防ごうと思っても防ぐことはできないと私は思います。

つまり会長に背くような発言をしていくのは、組織では生き残っていけないのが普通です。

そこに男女雇用均等という魔術の言葉が下りてくるのです。つまり有能、無能にかかわらず、女性を登用せよ、というのです。

あなたが経営者で、男女雇用均等だからといって、有能な社員を追い出し、無能な社員を登用する愚かな選択をすると思いますか? 経営者なら、有能な社員を登用して、もっと利益を稼ぎ出そうとするのが当然の選択です。

それをオリンピック憲章に掲げられているように雇用をしたら、その組織はうまくいくのか、という問題にぶち当たるのが森さんの真意のように思います。あんなことは公衆の面前では絶対に言ってはいけないことだと思います。

みなさんの楽しみにしているオリンピック(私はほとんど興味がないのですけどネ)、女性登用で何もできない委員が登用されたら、みなさんはどう思うか、の問題です。

優遇と差別は違います。

個人的な意見としては、有能な人間を雇用時に採用し、その採用基準に性別や国籍、人種を判断材料にしなければいいだけの話でしょ、と思います。

男女雇用機会均等法が施行されて何十年と経過しますが、これは社会の問題なのか、男性社会の問題なのか、ということをもっと考えるべきではないでしょうか? 個人的な経験からいえば、有能な女性ほど、結婚して退職したがる傾向があると思います。

この問題は社会の問題なのでしょうか、女性の思考の問題なのか、といつも考えさせられます。

この問題の先行事例が南アのアパルトヘイト開放後の問題です。人種差別がなくなってある程度経済はよくなりましたが、劇的によくなったか、と言われれば、能力の少ない黒人を優先的に雇用したために、さまざまな問題が起こされています。

個人的には、採用や雇用は能力によってするべきだと思います。能力がないのに、雇用されるのは社会にとっても本人にとっても悲劇にしかならない、と思っています。非効率そのものだと私は思います。これで片付く問題ではありませんが。

今のミャンマーや前韓国大統領朴槿恵も、ある程度、同じだよね、と思います。彼女たちには能力はあるけど、やはり世の中をしらない、統治の原則を知らないということが要因としてあると思います。

たたき上げのラガルド、イエレン、メルケルとは全然、違うよね、と思います。

ミャンマーを急速に民主化すれば必ず、軍は対抗策を出してくるのは必然で、民主主義を盾にスーチーさんはかたくなに拒否をしたのでしょう。結果はクーデターという愚挙になったわけです。

軍が不正選挙の証拠をでっちあげて、クーデターを起こすような愚かな真似をしないと思いますし、国際社会の反発もある程度織り込み済みでやっていると思います。

不正選挙の確たる証拠を国連安保理に提出し、それが事実と判明したときに、どうなるのか? 結局は、バイデンを筆頭にコロナで経済がやられている現在、軍を派遣して掃討するなんてことはしないと思います。

結局はやっちゃったことは仕方ない、今後は気をつけろよ、程度で済むだろ、というのが私の見通しです。

それともブッシュみたいにイラクに大量破壊兵器が存在するなんて適当なことを言い、侵攻するという愚かなことをまたやるのですか? 現実的にはあり得ないでしょう。

ミャンマーの問題は優遇から出てきた問題であり、優遇されるスーチーを軍は快く思っていないのは確実です。

優遇なんて、やっても問題がさらに大きくなるだけで、世界はこの差別と優遇を全くの勘違いをしていると私は思っています。

森さんにしても、無駄な話をしている女性を登用するくらいなら、能力の高い男性を採用したほうがまし、と思っていると思います。女性は怒り狂うでしょうが、時間をかけて能力の高い人材を育ていくほかないとは思います。

20-30年も男女雇用均等が叫ばれてこの結果、顛末は寂しい限りですが、これが現実で、だれかれが悪いではなく、みんな悪いのです。

今の社会は口をあけて待っていれば、女性は職につけ、そしてヒスパニックは援助を受けられ、二世は親の功績で名誉ある地位を与えられる、これが自由主義社会ですか?

声を挙げれば10万円もらえる、おかしい、というよりかバカバカしいでしょ。自分が理想とする暮らしは自身の努力によって得られるのが本来の自由主義だと私は思います。

自分でなんとかしなければいけない、と思うことが第一歩で、どうやったら支援や援助がもらえるかなんて考えるよりもよほど効率的であり合理的だと思います。

マーケットも同じで自分で考えることなく大金が自分の口座にくることなどあり得ません。儲けたいなら努力せよ、ということです。必死にやればなんとかなるものです。そのチャンスはだれにでもある、ということを忘れてはいけないと思います。

マーケット

きのうのマーケットはドル高、金利高でも株は新値に迫る勢いです。

おかげで日経平均の基準値は29300円程度まで跳ね上がり、ここまで買う根拠などありません。円の絶対値が下がっていることが根拠ですが、円の絶対値は0.2パーセント程度しか下がっていなく、これで日経平均が2パーセント近く上昇するのですか? 無理な話をしても仕方がないのです。

マーケット全体がいびつな構造となっており、きちんと理屈通りにきているのはゴールドくらいであり、そのほかは整合性のある値段となっていません。

こうなると事件次第で、売り有利となり、なんらかの、全くマーケットに関係のない事件でも、第一次大戦のように何の意味もないオーストリア皇太子の殺害によって大戦が勃発したような状況だな、と思います。

もちろん、日柄で調整して、割高が解消すればいいのですが、この割高、解消するのには相当な労力が必要なので、無理な話だろうな、と思います。