おはようございます。

ISM製造業指数の悪化によって予定よりも早く急落となりました。今回はこの解説をお話ししていきたいと思います。

きのうの動きを解説

きのうは、まず、日本の日銀短観が発表され、3期連続の悪化ということになりました。

まず、この値動きに関しての話をします。

何度も、何度もいいますが、日銀短観悪化で株安なのだから円高などと非合理的で、間違った解釈をここの読者はしてはなりません。この考え方は間違いだ、と私は何度も言っているはずです。

まずドル円はドル÷円でという計算式で表現されるレートですから、分母である円が縮小したのです。日本時間はアメリカの指数は動きませんから、分母だけが縮小した場合は、その解は大きくなります。

すなわち、円安になるのです。このことをきちんと理解すればきのうの円高場面は勝手に拾えるのです。それなりの値幅は取れている訳です。

そこで、マーケットのコンセンサスがISMに行っているのでその発表前に玉を空ける、というのが常道のトレードだと思います。

そのISMは予想以上の悪化なのですから、これは、アメリカが悪化しても円高、株安なのですからそのまま、ポジション取りを行えばいいだけです。でも、この考え方は間違い、と上記で記しています。

この場合は、日本時間に円の指数が10パーセント下落したら、アメリカの指数が20パーセント減少したと仮定すれば、その解は上記で出した解よりも小さくなるので円高になるのです。

よく、絶対値のように計算する方がいますが、この計算は比較対象値を設定しておかなければ、この予測は当たりません。日本時間で出した答えに対して、その値がISM後にその数字よりも円安になるか、ならないか、で判断しなければいけません。

つまりマーケットの数字というのは常に相対値であり、経済指標で動くから当然です。なぜなら、経済指標の数字は、前年同月比、前月比で発表されるのですから、相対値になって当然なのです。

マーケットは絶対だ、とシカゴ学派のアホな専門家はシャウトをしていますが、間違いです。マーケットほど相対的なものはありません。かなり重要なことを書いているのですが、ほとんどの人が理解できないと思いますのでご安心ください。

つまり、このことは、またわかりやすくするためにまた説明します、ということです。

 

ISM製造業指数

上記は過去5年のISM製造業指数になります。

最初の感想は、へー、現在の状況はチャイナショックよりも悪いんだ、ということです(笑)。

あのころは中国の株式市場に空売り禁止はもちろん、現物株の売却も禁止されためちゃくちゃな状況だったよりも悪いんだ、あっそー、という感じです。

これでも納得できない、という方のために、10年間のISMをも掲載しておきます。

南欧債務危機の状況よりも悪いんだ、あっそー、という感じです(笑)。さすがにリーマンショックよりはよいみたいですけどね。

つまり、ISMの数字などにはあまり意味がなく、あくまでも、以前にアンケートの内容を添付したことがありますが、あくまでも経営者に対して、景気は去年よりもよいですか、先月よりもよりですか、という経営者の心象をお尋ねするアンケートなのです。

人間の認知というのは判断を下す場合にはほとんど比較、つまり相対値になりますので、こういうアンケートになるのは必然です。

しかし、去年は法人税減税があり、今年はテーマはなく、8月はセールスが上伸しましたが、おそらくハリーケーンなどの影響で低下をしたと思われます。

その証拠に、

上記はISMの雇用指数になりますが、総合指数よりも落ち込みが激しくなっています。つまりハリケーンをまえに雇用を控えたとしか判断のしようがないのです。

ただ消費者は好調で消費支出は、

「前月比」で増えています。

つまり消費者は物価は抑えられ、お給料は増えているのですから、支出を増やして当然です。何度も言いますがアメリカGDPの7割は個人消費ですのでトータルでみればアメリカ経済はいいのです。

 

日本

日本の景気はリーマンショック後のデフレ不況と同じくらい、景気が悪いそうです。バカバカしくてお話しになりません。

これはISMや日銀短観が信用できないということではなく、過去の推移をみても意味をなさない、ということです。

景況感調査のアンケートはあくまでも、去年や先月とくらべてどういう状況なのんかを聞く指数だ、ということです。つまり先月や去年、何が起こったかをきちんと分析しないとダメだということです。