おはようございます。
きのう前年比から、マーケットを見抜く方法をみなさんにご紹介しましたが、反応をみていると理解できていない感じです。
そこで本日は原油相場をみればこれが有効な方法であるとみなさんご理解できると思います。
原油相場
去年、イランとアメリカの対立が激化したときに私は、原油は高騰を懸念するよりも、暴落を懸念しなければいけないと記しました。
結果、マイナス価格なんて私も経験をしたことがないようなことが起こりました。
上記はドル建て原油価格になります。ただし、普段と違うのはこのグラフが1年前の同月同日に比べ、どのように価格が推移をしているかというチャートになります。
下に突き抜けているのはマイナス価格のときになります。
前年比で170パーセント近く下落していますが、問題はその後なのです。これだけ下がり、マイナス価格になっても需要は必ずあるのですから価格は上昇します。問題はその戻り幅をみなさん懸念すると思います。
その戻りというのはだいたい、決まっています。つまり、前年比で-30パーセントくらいなのです。
それだけの話なのです。
マーケットの行き過ぎというのはたいていの場合、基準値から20-30パーセントだよ、と以前から言っています。つまり2割から3割というのは行き過ぎの範囲の中なのです。
これが30%を超えてくると、それはやりすぎ、買い相場の場合はバブルというのです。売り相場の場合はリーマンのように「100年に一度の暴落相場」などと形容されたりするのです。
それだけの話です。
つまり行き過ぎた場合には、その戻りは前年比で30パーセントまで戻る、あるいは20パーセントまで戻るだけの話なのです。
では、具体的に話をしていきましょう。
たとえば金の場合
金は、今回のマーケットで一番暴騰した商品になります。
7月過ぎから前年比で30パーセントを超え、前年比で40パーセント高を示現しました。ただし、上記で記したようにやり過ぎた相場は必ず売られるものであり、結果として売られることになるのです。
きのうはふたたび、30パーセント以上になっていましたので自動的に売りになるのです。本日の引けは15パーセント安ということで30パーセント高以上というのは、売り、つまり金は完全に天井をつけたということになります。
実はきのうのユーロドル、ポンドドルも同じ
ユーロドルはきのう前年比で7パーセント高になりましたが、続くわけがないので暴落したのです。あとで気づいたのですが、これをみていればユーロもこれをみれば絶好の売り場だっただけの話です。
ポンドドルもきのう2パーセント超えだったので、自動的に売りになっていたのです。
ポンドやユーロが反転するということは、ドルが上昇するのはわかることです。ゆえにドル高で金が崩落をしたのです。
今後の展開
以前に、マーケットを見る場合には①ドル②金利③GDPを見なければいけないという話を何度もしています。
その②の金利に関してアメリカの指標が出ました。
消費者物価、別名インフレレートというのですが、コロナ後、高値を出しています。
物価が上昇をするということは、②の金利、政策金利ではなく市場金利が上昇するということです。すなわち、マーケットを観察する①ドル②金利③GDPのうち②の金利は今まで低金利で経済が復活をしているのですから、金利高に転じればマーケットはどうなるのか?
さらに上記で観察されたように①のドルは、ドル安からドル高に転じているように見えます。ユーロドルが下落ということはまだ決まったといえるわけではありませんが、単純に個人的には戻り売りだと思いますし、また金も同様です。
すなわちドル安からドル高に①は転じたということです。
そして③のGDPはアメリカではコロナ給付で、経済状態は戻っていますが、その給付は今や消え、景気の悪化は避けられない状態です。
そうなると①②③とそろい踏みでマーケットは下方向を示唆しており、きっかけは西ヨーロッパのコロナ感染拡大ですが、西ヨーロッパの感染拡大に関係なくマーケットが下げ止まらない可能性がある、ということです。
前年比をみておけば、ま、マーケットはなんとなくわかるものです。今まで説明したことでほとんど相場の動向、とくに目先はほとんどわかるのですが、この前年比がみなさんにとって一番理解しやすいものだと思います。
ご自身でがんばって前年比のチャートを作るほかありませんね。