おはようございます。

シナリオの作成の仕方というものをしばらく考えていきたいと思っています。なお、それほどネタがないので、途中でやめるかもしれません。

つまらない話かもしれませんが、非常に重要なことになります。

ロジカルというのはどういうことか?

たとえば、以下の文章を読んでみてください。

「海は青い」

この文章はロジカルでしょうか?それともロジカルではないでしょうか?ほとんどの方は、この回答はよくわからない、という人がほとんどだと思います。答えはこの文章はちっとも論理的ではありません。

なぜなら、主語(海は)に対して、述語は青いだけではないからです。

たとえば童謡の「海」という歌詞には海は広いな、大きいなぁ~♪というものがありますが、海という主語に対して、青いという述語のほかにも広い、大きいという述語があるのです。

つまりロジカルというのは一つの主語、命題に対して、その答えが全部含まれていないといけないのです。

たとえば、上記の文章を以下に書くと、ロジカルになってきます。注意をしてほしいのは、これが答えのすべてではない、ということです。

「海の色は青い」

つまり、主語、海の色は、に対しての回答は青いということになっています。ほとんどの人が海の色、と問われれば、青と答えるように、この回答は限りなく主語に対しての答えを述語が述べています。

ただし、海の色は常に青い、という訳ではなく、時化て居るときには茶色になったり、波打ち際は白くなったりもします。つまり可能性としては100パーセントではない、ということです。

こういった例外はあるものの、ロジカルというのは思考や言語が以下のような等式にならなければいけない、ということになるのです。

「海の色=青い」

という風に文章や思考が組み立てている場合、これをロジカルな思考というのです。

今の、金融マーケットの解説というもののほとんどが、海は青い、という解説ばかりで、それが真実だ、というような言い方ばかりをするのです。そのほかの回答、広い、大きい、という回答は間違い、みたいなことをおっしゃる人が多いのです。

そうではなく青いという回答は数あるうちの選択肢なのですが、現実社会ではその回答を1つに絞ってしまう傾向があるのです。

この場合は、海は、青い可能性もあるし、広い可能性もある、大きい可能性もあるし、そしてそのほかの可能性もあるというのが正しい、ロジカルな思考なのです。

これでは読みにくいので、主語の前提条件に色をつけると海の色は青いになります。この回答だとほとんどの人が納得をするのです。

つまりあなたが話ことばも思考も、文章も主語と述語の関係を等式のようにしなければ本当に頭の良い人に、バカじゃないの、と言われることになります。私がこの主語、述語の関係を語るなんてちゃんちゃらおかしい、と言われそうな気もしますが(笑)。

この現実社会では回答というのは1つではなく、何個もの可能性があるのですが、ほとんどの金融関係者、投資家は答えを1つしか用意をしていない、これが相場で儲からない原因なんだ、ということを意識して、それを改善していく必要があります。

イラン問題の場合

イラン問題は、可能性の提示を以下の2つのように定義をしています。

① 仲介国が現れる
② 双方が譲歩をする

ということが解決のカギとなると言いました。

このうち①に関しては、現在、国連安保理という新たな事実が加わりましたが、これはイラン制裁を国連で決定する可能性は薄い、という話をしました。なぜなら、常任理事国のうち何か国かが拒否権を行使する可能性が高いからです。

ゆえに、このシナリオを描くと、アメリカは戦争準備に入った、ということができます。なぜなら、これが国際紛争の解決手段の常とう手段になるからです。まず、戦争を始めるまえに国際的な仲介機関に判断を仰ぎ、その結果、解決をしない場合は交戦してもよいという暗黙のルールみたいなものが存在するからです。

だから、私は交戦状態が近いと言ってきました。

ところが②のほうで動きが出てきています。アメリカのほうは相変わらず強き一辺倒ですが、イランのほうに変化が出てきています。

アメリカは、イランが圧力を加えることによって暴発のリスクがあると考え、国連制裁やアメリカ単独の制裁をかけています。

一方、イランは、タンカー攻撃をしたイエメンのフーシ派を使い、さまざまな圧力を加えていると推測されます。

これが、前回までの流れになりますが、週末にかけてまずイランの国連大使が、「アメリカはイランに制裁を加えるのであれば、国際社会が納得する核合意をもってきなさい」と発言をしました。

つまりイランは核合意を、国際社会が納得するのであれば、受け入れる要請がある、と表明をしています。つまり事実上の譲歩です。

そしてロウハニ大統領顧問が「アメリカは制裁を加えるのであれば、まずその制裁を辞めなさい、そしたら譲歩を考えよう」と発言をしているのです。

つまり、イランはアメリカが譲歩を受け入れるのならば、イランも受け入れる可能性があるよ、と言っているのです。

これが、今の状態であり、わかっている事実からすれば交戦の可能性は低下しているということがみなさんにもおわかりになると思います。

ただし、私の個人的な意見は、ハメニイ師の意見というのは、結局、ホメイニ師と同じでイスラエルをせん滅させるということが考え方の骨子になります。

一方のトランプは、大統領選挙で再選されるのには、ユダヤ票が欲しい、ゆえに現状、窮地のイスラエルをイランから保護してやらなきゃいかん、ということしか考えていないと思います。

もちろん従前の中東への米軍の派兵は、アメリカ予算をひっ迫させていますし、イスラエルやエジプト、サウジへの予算も打ち切りたいという想いは当然あると思います。そしてアメリカは世界最大の産油国なのだから、中東への介入をやめたい、というのも本音だと思います。

しかし、一番、主要な動機はイスラエルを応援することによって、ユダヤ票を大統領選挙で得たいということが一番の関心だと思います。

実際にクリントン元大統領は、民主党候補のときにイスラエルの首都をエルサレムに移転をすると発言したことによって大統領選挙に勝利をしたと言えます。これ以来、ユダヤ票はもともと民主党票でしたが、トランプはこれを共和党に移したいのです。

彼の関心事は株価と選挙、にしかないのは一般に言われている通りだと思います。これは個人的な意見になりますので、無視していただいて結構です。

つまりロジカルは海は青いというように、この文章は等式として成り立っていないのです。主語に対する述語が何百個もある中で、これが正しいと主張すれば喧嘩になるでしょう。

ところが海の色は青いという文章にすれば、意見の対立というのは最小限に抑えることができるのです。

つまりロジカルというのは主語、命題に対して、回答が1つというのが理想なのですが、そんなものはあまりないのです。でも、その回答数を減らすことがロジカルな人だ、と言われることの第一歩です。

もっといえば、未来の予測に関しても、シナリオの作成にしても、事実を集めていけばある程度、予測ができる、ということなのです。事実、データから類推できることなんて、海は青いみたいに無限の回答がある訳ではありません。たいていの場合、答えは1つか、2つ程度に絞られるのです。

ところがほとんどの方は、この主語の設定の仕方があいまいなままに予測をしようとするから回答を間違えるのです。