今回は、年5パーセントの利益が出るとはどういうことなのか?について考えていきたいと思います。

投資話は、人にとって常に興味を引くものなのでしょう。専門家が解説する投資利率のセミナーは人気がありますよね。ウェブで利回りの解説をしているサイトもたくさんあります。

年利5パーセント運用とは?実際に計算してみよう

実際に、毎年5パーセントの運用益を上げ続けたとき、10年後資金がいくらになるかを計算してみたいと思います。運用益も次の投資に回す「複利」で考えていきます。

100万円を年5パーセント運用する

・1年目100万円→105万円

・2年目105万円→110.25万円

・3年目110.25万円→110.7625万円

・4年目110.7625万円→121.55万円

・5年目121.55万円→127.62万円

・6年目127.62万円→134万円

・7年目134万円→140万円

・8年目140万円→147万円

・9年目147万円→154.35万円

・10年目154.35万円→162万円

以上のように、投資で年間5パーセントの利益を出せれば、10年後には1.6倍の162万円に資金が増えることになります。10年で1.6倍の資金になる才能を自分自身で一度築くことができれば、運用し続けていけばいいだけですから、老後になっても安心です。

利益には20%の税金がかかる

なお利益は丸ごと自分のものになるのではなく、税金支払いの義務があることも覚えておきましょう。利益に対して年間20パーセント程度課税されます。

それでは、課税分を支払って手元に残る金額で、どのくらいになるのかを考えてみましょう。

・1年目100万円→103万円

・2年目103万円→106万円

・3年目106万円→109.27万円

・4年目109.27万円→112.55万円

・5年目112.55万円→115.92万円

・6年目115.92万円→119.4万円

・7年目119.4万円→122.98万円

・8年目122.98万円→126.67万円

・9年目126.67万円→130.47万円

・10年目130.47万円→134.39万円

毎年20パーセント税金を支払ったとしても、10年後には1.3倍になることが分かりました。

年利5%得ることは、難しいことではない

トレードが上達した方に、100万円の資金を元に1年間で5万円儲けるのは、難しいことでしょうか?難しくはないと思います。

「資産運用」という言葉を使うと難しく感じる方が多いようなのですが、実は非常に簡単なことなのです。

しかしFXトレーダーのうち短期売買やデイトレーダーの方だと、これがなかなか難しいと思います。1万円の資金で年間500円儲けることさえできないデイトレーダーもたくさんいます。

デイトレーダーは早い人では半年、長い人でも2~3年で資金を失ってマーケットから退場するか、トレードを止めてしまう人が多いと思います。

100万円の資金があれば10年で1.3倍になるのですから、現在働いている人で不労所得を得たいと考えている人にとっては、こんなにうれしいことはないはずですよね。なぜお金を貯めて投資しようとしないのか、本当に不思議です。

長い目で見ることができれば、投資は非常に有用な資産運用なのですが、10年待てば増えるはずだった資金を、デイトレードや短期売買で失ってしまう人が多いのは、たいへん残念なことだと思います。

円高・円安の長期的な方向性を見極めるだけでいい

例えば私のように、毎年「円高になります」と言っている人と、「円安になります」と言っている人、どちらの運用成績がいいか考えてみてください。

私がバリバリの円高論者に転換したのは、2015年からです。それ以降で「円安になる」言ったのは年に数回ほどで、ほぼ円高としか言っていません。

2015年以降、円安になったのは2016年末のトランプラリーのみで、それ以外はみな円高傾向です。ちなみに2018年も円高です。2019年の消費税増税を控えて円高だと思います。おそらく2030年から2050年くらいまで、ずっと円高が続くでしょう。

ファンダメンタルズを勉強していれば、もうかなり長い間円高が続くことがよく分かります。

基本的に、為替相場が円安になるのは「日本>アメリカ」のときですが、今後数十年は「日本<アメリカ」になることが明確です。なお、アメリカの好調が2年以上続くときに「日本>アメリカ」になる可能性が一瞬ありますが、またすぐに円高トレンドに回帰するはずです。

100万円の資金で、ドル円を「売り」続けると、2030年くらいにはどれほど増えているのでしょうか?参考までに私は、ドル円だけで年間30パーセント程度の利益が上がっています。2030年にはいくらになるでしょう?

また、私が最近推奨している「ポンド買い」では、いくらになるでしょうか?

テクニカル分析では分からない高金利通貨の危険性

私は、トルコ円、豪ドル円、南アフリカ円などの高金利通貨は大嫌いなのですが、もし買っていたら、今頃資金は半分以下になっていたと思います。

最近上場されたメキシコペソ円も同じです。日本人に人気のブラジルレアル円も同じです。

高金利通貨ペアは基本的に、リスクがあるから高金利なのです。豪ドル円のオーストラリアは、先進国のイメージがあって安心している方もいると思いますが、天候異変によって食料事情が相当変わるリスクがある国です。私は豪ドルには魅力を感じません。売るべき通貨だと思います。

幸いなことにスワップ金利目当ての日本人が外債から投資信託をたくさん買ってくれていますので、一度落ち始めたら逃げるタイミングなどないほど、暴落する危険性があると思います。

このようことは、テクニカル分析だけでは絶対に分からないと思います。絶対という言葉はできるだけ使いたくないのですが、私が研究したところでは、分かりっこないとの結論が出ていますので、その前提条件で書いています。

問題を理解できない国には投資すべきではない

ユーロ円も、高いと騒がれていますが、そもそも2010年くらいには、南欧債務問題でユーロの存在そのものが存亡の危機にありましたよね、この根幹の問題は解消したのでしたか?

今度もしあのレベルの危機が再び勃発したら、ユーロ経済圏はどうなると思いますか、耐えられると思いますか?私には、他人の利益を窃取する国が発展するとは思えません。

ユーロもスペイン筆頭に封建制度です。だからカタルーニャ地方の独立問題も起こるのです。財政の統合ができずにいる経済圏になど、私は怖くて投資できません。

なお、スペインの問題は、イギリスのアイルランドの問題と根本的に違います。もしイギリスとスペインの違いも理解できないのであれば、投資はするべきではないと思います。

短期のテクニカル分析では相場は生き残れない

ファンダメンタルズ分析は、現時点では、長い目で投資をするのには最強のツールです。ちなみに、テクニカル分析は短期投資向けであると、一般的に言われています。

テクニカル分析で10年生き残っている投資家を、私は一人しか知りません。その方は高卒ですが、20年生き残っています。一般的な投資家と違うところは、短期投資を一切しないこと。そして、日本で最強の仕手と勝負をして勝ってしまった人です。他は、みんな消えていきました。

テクニカル分析は全体的に、根拠があまりにも脆弱です。思った方向と逆の方向にいくと、すぐにポジションを維持できなくなります。

私は、テクニカル分析の結果はアベノミクスと一緒で、蜃気楼だと思っています。なのです。つまり近い将来、退場の憂き目に遭うだろう、という意味です。

投資は、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を合わせて行い、短期ではなく長期で利益を得る方向性にしたほうが、最も成功する確率が高いのです。

テクニカルでサインが出ても、最終的な判断はファンダメンタルズ分析で判断する、これが確実です。ファンダメンタルズが分かっていると判断がぶれないため安全です。ぜひファンダメンタルズ分析を覚えて、相場でできるだけ長生きしましょう。