おはようございます。さまざまな憶測が現在、市場を形成をしていますが、これからしばらくシナリオの形成の仕方を考えていきたいと思います。

どう考えても、みなさんが上達するためには、シナリオの組み立て方が不可欠なのですが、そのシナリオの作り方があまりにも稚拙で仕方がないと感じます。

シナリオというのは状況証拠から作り上げてもダメですし、また、テクニカルから組み立てるのは何度も話をしましたが、根拠がないものに依存するのは本当に不安なものです。

しばらくシナリオの組み立て方についてお話しをしたいと思います。

 

為替のシナリオは非常に難しい?

為替のシナリオの組み立ての仕方というのは非常に難しいものです。この意味がわかっていない人は、おそらく今まで書いたことを全く理解していないだけの話です。

かんたんに話をしていくと、たとえば、株式相場の値段というのは絶対値なのです。一方、為替相場のレートは「相対値」なのです。

相対値の算出の仕方というのは、絶対値がわかっていることが絶対、前提条件なのです。つまり相対値というのは100のものに対して、その割合が何パーセントあるかの話ですから、絶対値を算出し、それを相対値に変換したものが為替レートになるのです。

つまり株式や商品、債券などは絶対値を計算するだけで、そのマーケットの適正値というものがわかりますが、相対値の場合、何かと比較してその割合は何パーセントなのかの計算をその比較対象2つのものを計算しなければいけない、ということになります。

たとえば、株式の場合は絶対値をみつければ、自動的に適正な価格は理解できます。しかし、為替の場合は1ドル110円のように、ドルの絶対値と円の絶対値を見つけなければいけません。さらにアメリカを1とした場合、日本はナンボになるかの計算が必要になります。

つまり、株式の場合は、絶対値1つをみつければ適正値をみることができますが、為替の場合は2つ絶対値を探し、その割合を計算しなければいけませんので、複雑な計算が必要となるのです。

つまり、株と為替、どちらが難しいといえば、その煩雑さは圧倒的に為替なのです。株のほうが難しく、為替のほうがかんたんと感じるのであれば、ロジカルにモノを考えていない証拠です。

何度も言いますが、人間の頭は絶対値でモノを考えており、相対値では人間の脳は理解できません。その証拠に確率60パーセントと70パーセントの違いを明確に説明できる人などに私は会ったことがありません。もちろん、私もできませんけどね。

能書きはいいから、さっさと説明せよ、という声も聞こえそうなので、説明していきます。

 

イランの事例

たとえば、アメリカはイランを攻撃するオプションがあったと報道をされています。しかし、トランプは無人偵察機撃墜の報復で、何人の人が命を落とすことになるかの回答が150人。

つまりリスクとリターンをトランプは確り考えている訳で、その報復に対してのリスクが150人は対価に合わないと考えて攻撃の中止命令を出しました。

ここまでの展開は、すべて私が説明した通りの展開です。つまりイランとアメリカは交戦をしても何ら不思議はない、と何度も言っている通りで、摩擦など解消をしません。

また、トランプは人の死を異常に嫌う、ということも何度も説明をしています。ですから報復攻撃に対して死者が150人も出ることを嫌って攻撃中止を命じたのも私の説明通りの話なのです。

ここで、大事なことは、私は数々の証拠、エビデンスを示して、トランプの行動を示したのです。私は、トランプにどう行動をしてほしい、願望など全くありません。はっきりいえば、どうでもいい、と考えています。

でも、トランプウォッチャーやイラン専門家は今でも、戦争はない、などと主張をします。ここまで事態が進展をして、なぜ、こんなことを言うのかといえば、非常にかんたんな話です。

彼らは、自分に都合のいい話、つまり自分で戦争がない、ということを前提条件に情報や証拠を集めているのです。

彼らの今回の直前に攻撃を回避したことによって、ほーら、みたことか、と言い始めます。しかも間違いなく。なぜなら、あなたがその戦争がないと主張をした当事者の気持ちになればおわかりになるはずです。自分の正しさが証明された、安堵する気持ちが先行するでしょう。

でも、この戦争回避論者にとってはこの結果は最悪なのです。どんなシナリオであれ、間違った情報収集に対して結果が是の場合はあります。

上記の結果など「まぐれ」当たりの典型例なのです。このまぐれ当たりが頻発することによって勘違い野郎がたくさん出てくるのです。調子にのって、セラピーやコンサルを始めるのですが、正直3年ももてばよいほうでしょう(笑)。

勘違い野郎が出る経緯というのはおわかりになりましたでしょうか? つまり若くして1億儲けました、10憶儲けましたなんて勘違い野郎はFXの世界にたくさんいる訳ですがその99パーセントは間違いなく単なる「まぐれ」です。

たまたま、自分の都合のよいような解釈をしてシナリオが当たっただけの話であって、次回も「まぐれ」当たりするかといえば、その可能性は限りなくゼロに近いのです。

要するに宝くじにあったようなもので、次回もまぐれ当たりが続くとすれば、それは幸運なだけで、日ごろの行いがよいだけです(笑)。

世の中のシステムがわかっていない若者がシナリオなど組み立てられるわけがないのに、それができると勘違いしている人の運命など見なくてもわかるのです。

若い人はひたすら、こういうことが起こればこうなる、ということを実体験していく、ということが大事なのです。

一方、事実と証拠からシナリオを組み立てている人は、この結果を当然とかんがえます。まぐれで当たった人はしょせん、まぐれなのですから、次の展開を考えません。

というよりも、出鱈目な証拠しかもっていませんので、次回も当たる可能性が少なくなります。というよりもその可能性は皆無だと思います。

私から今回のこの結末は、当然の結果であり、むしろ、トランプのおまぬけっぷりが明白になったと考えています。

まず、トランプはディール(交渉)のプロらしいのですが、今回の場合は、完全に敵(イラン)に弱みをみせています。

それは人の死というものが死ぬほど嫌い、という弱みです。

今回の判断も人が150人も死ぬからリスクに見合わないと、なんだか自慢気に語っていますが、一方、イランからみればこの態度はどういう風にみえるでしょうか?

私だったら、イランは逆鱗に触れない程度に挑発の数々を繰り返しますね。なぜなら、トランプは人の死がみたくないというチキン野郎なのですから。

つまり、今後はイランの挑発行為が相当に増えるでしょう。しかし交渉のプロ、トランプはそこまで読んで、MbSと電話会談で石油市場の安定に合意をしています。

でも、トランプは、今回の合意で、人の死が死ぬほど嫌い、という弱みをイランに完全に把握されてしまったのです。イランがこの性格を徹底的に利用してくるのは間違いないことでしょう。

対するトランプは、この交渉中に弱みをみせてはいけないという交渉の基本中のキホンをあえて見せているのか、それとも、意図的にやっているのかは現時点ではわかりません。おそらく意図的にそういうものをリークしていると私は思います。

ともかく、今後、イランの挑発行為が増えることは間違いなさそうです。戦争の回避は、仲介国も双方譲歩する気配など全くない状況で、回避とか言えるわけがありません。

シナリオの作成というのは、真っ白のキャンパスに描く必要があるのです。

しかし、素人は自分の都合のよい、シナリオを最初に作成をし、そのシナリオを基にシナリオを描くから間違うのです。たいていの場合はとんでもない方向に行きます。

利下げとか、いい加減にしろ、と言いたいのです。アメリカ経済は悪くないのに、利下げとか本気でいう連中はマジでアホとか思っています。そもそもこの4-6、7-9月期は悪いのは去年からわかりきっていたことなのです。

株式について言うのであれば、頭が26700ドル近辺なのはわかっていることです。これは前回の高値からそうだ、とか言っている連中には、このあとのシナリオが確率50パーセントとか言っているのです。私の場合はほぼ間違いなく、ここで折り返すだろうと考えている訳です。

しかし、すぐさま暴落という訳ではなく、なぜなら、ここまで株価が上昇した原因を低金利と利下げ懸念なのですから、それが解消しなければ急落なんかしないよ、ということです。しばらく保合いをして、そして買い付いたところで急落するでしょうね。急落のポイントは金利の上昇です。

その場合、急落した場合は、24800ドル近辺というのは読めているのです。シナリオを作るのであればそこまで計算をしなければいけないと思います。