おはようございます。

九州から関西にかけては台風が直撃です。周辺地域のみなさまはご自愛ください。

きのうは、中国指標の悪化ということで、NY株に代表されるように急落を示現しました。今回は、ドイツ、中国を中心に解説をしていきたいと思います。

中国指標悪化

鉱工業生産が悪化ということです。

青い線が中国の鉱工業生産(左軸)、そして黒い点線がGDPの年率成長(右軸)になります。

言えることはこの相関性からこれだけ鉱工業生産が4.8と過去5年で最低になれば19/7-9月の中国のGDP成長率は低下をするということです。

これで悪い、悪いとメディアや専門家は騒いでいるのです。

そもそもこの鉱工業生産というのは額なのか、量なのかは判別できませんが、常識的に考えて金額になるとは思います。

覚えていただきたいのは経済とはお金のことですので基本的には経済指標は金額ベースで発表されるということです。

まず、中国の方針としては、量から質への経済転換を現在、図っています。どういう意味かといえば、今までの廉価で大量生産をしていた工業体制から、付加価値をもたらすような工業製品の転換です。

つまり、トランプも廉価な商品の放逐を図っていますが、中国も同様にその方針を図っているのです。

ですから、両者は現在、対立をしているように見えますが、向いている目線は一緒の訳です。その証左にトランプは習のことを良い人と評していることもおわかりになると思います。

同じく北朝鮮の金に関してもナイスガイと称しているのは向いている目線が一緒ということです。

つまり目指している方向は一緒なので、トランプはそう評価をしているのに、その矛盾を一切、解説もせずに対立激化と煽るメディア、専門家が何も考えていない証拠です。

では、中国は何をしようとしているのか、といえば、非常に明晰に全人代で表明をしています。

まず、経済を量から質への転換すると表明し、人民のお給料を毎年7パーセント増やすとやっているのです。この意味は、今までの貿易主導から内需主導に転換しますよ、と言っているのです。

これは、アメリカだけではなく、日本を筆頭に全世界が望んでいることであり、いつまでも品質の悪い、安かろう悪かろうの商品は要らないと言っているのです。

その上に資本の自由化(中国で稼いだお金を自由に出金できるシステム)と人民元の自由化も世界が望んでいることです。

これに対しても中国は2020年を目途に行うと全人代で宣言をしていますので、中国の方向性は、世界が望む方向なのです。

ただ、これに対してトランプは改革のテンポが遅いということで制裁を課しているのです。

たとえば、鉄鋼、アルミに関してはオバマ政権一期目からG7などの国際会議でも議論されるテーマですがいまだに解決をしていない、というのは米国を中心として世界の不満です。

もちろん、中国も製鉄所の統廃合など必要な措置をとっていますが、規制逃れが頻発してコントロールできていない状態です。

それにトランプがしびれを切らし、太陽光パネルからスタートして鉄鋼、アルミの制裁を課したことが米中貿易摩擦の始まりなのです。

つまり米国と中国は決定的な対立には至らない、のに、このいさかいがずっと続くというような錯覚を与える報道ばかりです。

結局、トランプの目的が選挙なのは明らかなのですから、選挙戦が終わるまでは、中国にプレッシャーをかけ続けるでしょうし、中国からすれば次の大統領が正式に決定するまでは、交渉しないでしょう。

なぜなら、政権が変われば方針が変わり、また一から交渉し直しになるのですから、これ以上、あらたな決定を中国政府はしないでしょう。よほど緊急のことではない限り、結論を先伸ばしにするでしょう。

つまり、米中貿易交渉はあと1年、このままですよ、という可能性が非常に高いということなのです。

つまり中国が聞く耳をもたないのに、トランプがギャーギャー騒ぐという構図です。中国が馬耳東風を続ければ、ほかのユダヤ票田や国境の票田、いろいろな票田に注意が向くことになりますので、ますますトランプ節がさく裂するのだろうね、とは思っています。

つまり、トランプが騒ぐのをこれから真に、あまり受けないように注意をしてほしいと思います。

また、中国からすれば全人代で量から質への経済転換を図るのにGDPの低下を容認するとはっきりと言っているのですから、いまさら鉱工業生産やGDPの低下など、騒ぐ必要もないのです。これらは下がるものなのです。それを無用に騒いでいる、ということなのです。

金額ベースでは量を生産しないと言っているのですから生産量と金額は減るのです。その代わり、単価は上昇するのです。そういうことをわかっていない人が多すぎるのです。中国の経済指標の低下はそれほど気にすることがないのです。

経済の転換を行う際には、深刻なマーケットのリセッションがあるのは過去の歴史からも明らかであり、それが今、起こっていることだと思っています。

 

むしろ深刻なのはドイツ

結局、この株価に伴うリセッションというのは、貿易依存度の高い、中国、ドイツ、韓国経済を直撃しているのです。日本は、依存率は15パーセント、アメリカは10パーセント程度なのに対して、上記3か国は30-60パーセント通商貿易にGDPが依存をしているのですから低迷するのは当然の話なのです。

特にドイツが全く注目をされていません。韓国と中国は日本からの地理的なこともあるでしょうが、世界のメディアを眺めているとドイツの経済低下に触れていません。

ドイツはギリシャ危機以前から、移民を大量に受け入れて、少子高齢化対策を図ってきました。メルケルが選挙に負けるようになったのは、移民によって社会保障費が激増し、その結果、国民が食えなくなったことが始まりです。

その経緯は省かせて説明をすれば、要するに移民を含めて、低賃金労働者の賃金が大幅に上昇をしていたのです。

ドイツというと熟練工や勤勉な人というイメージでしょうが、実態は、ドイツは移民の低賃金労働者によってドイツが支えられていたのです。

その賃金が上昇し始めているのですから収益を圧迫するというだけの話です。その上に、貿易摩擦が始まり、貿易量の激減で苦境に陥っているのです。

たとえば、中国などは意図的に経済を転換させていますが、ドイツはそもそもが低賃金労働者に支えられて、ある程度の高スキル労働者もいる訳です。

そうなると、内需も十分にある状態で、今後、経済をどういう風に転換させていくかが問題になってくるのですが、その新しい展望がない訳です。

簡単な方法は、移民をさらに増やせばいいのですが、国民の反発によってそれができないということがジレンマです。さらにドイツの財政は勤勉のドイツ人如く、徹底的に管理をされていますので財政拡大も望めない訳です。

まさに八方塞がりが現在の金利水準なのです。10年物でマイナス0.5でもお金を借りたい人がいない、という壊滅的なことになっています。

同様なことも韓国にも言えます。韓国の場合は、国は豊かになっても食えない人がたくさんいるということがそもそもの問題です。つまり一部の人しか豊かになっておらず、その不満を抑え込む政府が無能すぎるのです。

実際に韓国と日本の貧困率は一緒の割合なのですが、韓国は徴税をした税金を財閥のために使ってしまいさらに格差が拡大をしてしまうのです。日本はきちんとその税金を食えない人に再配分をしていますので、あのような大きな抗議行動は起こらないのです。

この現象はまさしく、政治の責任であって、今の大統領が躍起になって日本を責めたてていますが、これは、彼の無能に所以するものなのに何を言っているのか、ということです。

そもそも韓国は社会保障制度が全く機能していない状態なのです。日本の年金問題など韓国に比べればかわいいものです。

その上に中国が構造調整をしているのに、韓国はついていけないので、どうしようもない状態になっているのです。

まとめ

要するに、貿易問題で上手に乗り切れそうなのは中国のみであって、他の2か国は現時点では乗り切れそうもないのです。

逆に日本やアメリカは貿易の依存がほとんどありませんので貿易不振で経済が下振れする可能性はほとんどないのです。それを寄ってたかって大騒ぎしているのが専門家という連中なのです。