おはようございます。

今週、週初めに予告した通り、ISM製造業が悪い結果になるだろうということは予測通りで夏の曲がりっぷりがようやく解消してきたような感もあります。

本日は、ISMなどの景況感指数からの相場予測について解説をしていきたいと思います。

ISM製造業指数

上記はISM製造業指数になります。

今回の結果は3年ぶりの50割れで景況感判断の境目である50を割っています。この数字は意外なことだったのか、と言われれば予想外のことではありません。

理由は非常に明快になります。きのう、ドイツのPMIについて解説をしましたが、それと全く同じことになります。

2018年年初のアメリカ経済は減税効果によってISM製造業も大きく上振れをしています。つまり、好景気に沸いた、ということです。その結果、2019年は相対的な数字が出ますので悪くなって当然なのです。

もっといえば、2019年の数字がこれだけ悪いのですから2020年の大統領選挙、東京オリンピックの景況感はすごくよくなる、と予測することができます。

つまり、トランプの思惑通りに経済が進行をしている、ということです。彼の政策は、選挙に勝つため、ということで首尾一貫しており、2020年の選挙の年にアメリカ経済が最高潮になればいいのです。

現時点では誰がどうみてもよくなる訳です。まさにトランプの思うつぼです。FRBへの利下げ圧力も私の推測ですが単なるマッチポンプだと思っています。

あまり今年、経済が様なると来年、苦労するので、利下げなど本気でやってほしくはない、というのがトランプの本音でしょう。だから、FRBを非難しても議長はクビにならない、とは思っています。

今回の数字は、2018/8月は2018年で最高の数字です。相対的に2019/8月の数字は最悪の数字になるのはもう、発表前からわかっていることなのです。

だから、株価は安くなり、為替は円高になるのはわかっていることなのです。

これは景況感指数全般、つまりフィラデルフィア、メトロポリタン、シカゴ、リッチモンドやマークイット社などのさまざまな景況感指数はありますが、この発表の指数はこの景況感指数に連動をするということです。

市場予想と反対方向に行った場合は殊更動く、ということを覚えてほしいと思います。

今回のISMは50割れという、コンセンサスも悪化でしたが、サプライズもありましたので、本日のNYまで売られるでしょう。

この場合、ドル円以外のほかの通貨、たとえば新興国通貨などは、円高が思った以上に進行しなく、ドル安だけが一方的に進行をしたから高くなっているだけの話なのです。

つまり円高の進行が鈍く、新興国やそのほかの通貨高が進行したのでクロス円相場は上昇しただけの話です。

つまりクロス円は円高の進行をきちんとみなければいけないのです。これで、本日、円高が急速に進行をしたらクロス円も下げるということになります。

このときにその値段を測定するのには絶対値よりも相対値のほうが便利なのです。要するに円が〇パーセント円高なのに対して、各国通貨のドルストレートが〇パーセント下落を比較すれば、あなたの投資している通貨のボラタリティーなどわかってしまうのです。

 

今後の展開

上記はISMの5年分のデータになります。

2015年にチャイナショックが起こり、結果として最悪になっています。しかし、2016年は相対的によくなるので、2017年に爆発をしたのです。そこでトランプが税制改革と余計なことをしたので2018年まで延長をされた結果、2019年に反動が起こっただけの話です。

つまり、本来は景気の底から2年後に好景気はくるのですが、トランプはそれをむりやり延長させたのです。

では、以前もお話しをしましたが、こういった政策効果というのは実際の景気のよさというのは、2年後にくるのです。

つまりアメリカの減税は2018年年初から適用ですから2020年には自動的によくなるのです。日本の場合の法人税減税は2016/4月適用ですから本来は2018/4月から景気は実際によくなっていました。

しかし、2018年の夏から秋の自然災害の多さによって腰折れをしているのです。そして今年、2019年に延長をされたのですが、今年の場合は消費税増税があります。これによって気迷い気味の景況になっているのです。

つまり日本の場合は、消費増税後の景況感に関して、気迷いがあるのですが、その影響がはっきりすれば、おそらく私の予測では日本もよくなります。

政策的には、増税対策の景況対策は経済学の教科書通りのことをやっており、私の少ない知識ではパーフェクトな対策を打っていると思います。こういうことを検証して予測するのは初めてなので、自信はあまりありません。

つまり2020年の日米経済は期待できるということです。ほかの国も2019年の数字が最悪なのですから、相対的によくなるのです。それだけの話です。

きちんと数字でマーケットの未来など予測できるのです。数字的なエビデンスなどなく、気迷いとかキチガイの予測を出している方をよく見ますが、一体、この人は何をやりたいのだろう、といつも思います。

とにかくデータとエビデンスを基に予測をすればそれほど手痛い失敗はなくなるはずです。