おはようございます。

今朝の入電はNY株の急騰でした。今回は、このことを解説してまいりたいと思います。

 

ファンドのポジション

ファンドは基本的には、平時は株買いー債券売りのストラドルを組んでいます。これがリスク回避の場面になると、株売りー債券買いのポジションに変化をします。

今朝の外電は、推測になりますが、債券売りー株買いになったことを物語っています。

この理由はかんたんなことで債券の利回り急上昇(価格下落)、株は急騰ということで表現されます。

ただし、注意点は、株の買いの中身になります。ファンドは今まで株売りになっていたのですから。今回の急騰というのは売りの買い戻しになるという点です。もちろん、新規買いも含まれているとは思いますが、中身はほとんど買い戻しになります。

つまり中身のない上昇で、本格的な上昇が始まるためには、新規買いは内部要因がよくわかっている人にはおわかりになると思いますがマストのアイテムなのです。現在のファンドは手仕舞いすることが優先であり、この高い値位置で積極的に新規買いを膨らませることはしないと思います。

これは債券も同じで、この下落というのは買いの利食いで転売です。すなわち、商いの主要因は転売であり、新規売りではないのです。このことをよく理解してないと今後の相場には対処ができないと思います。

 

この原因

今回の株下落は、私は去年から7月から株が急落をすると予測をしていましたが、結局、下落をしたのは8月の初めになりました。

この1か月の遅れをどう評価するかはまだ分析が終わっていませんが、去年の時点で今年の相場はきまっているという基本路線に変化はないと考えています。

すなわち、来年のこの時期の相場は、分析をすればもう決まっている。データを見る限り、来年の相場は、ものすごく荒れるだろうな、とは思います。

なぜなら、今までみたこともないようなデータになっているのは歴然であり、ようやく、マーケットが乱高下するような相場になるだろうな、と思います。

これはドル円も同様であり、ここ数年、大きなボラタリティーが発生をしませんでしたが、おそらく大きなボラになると思います。データを見る限りでは、5月くらいから大きな乱高下になるだろうと思います。

まず、8月の急落というのはトランプが対中関税を強化すると言ったことが大幅下落のきっかけになると思います。

その後、9/1にもさらに関税を相互にかけると発表をしたことに対して、マーケットは大崩れをしなかった、ということがファンドがポジション転換の決定をしたのだと考えています。

その背景にはさらなる関税をかけていれば、従前であれば大きな下落を招いたのですが、今回の場合は新値をつけるような安値ではなかったといことに尽きると思います。

また、米中双方ともに、これ以上の大きな関税をかける余地がなくなっていることも要因になります。米国は一部の商品の報復関税を12/15まで延期すると発表したように、これ以上、関税をかけると米国経済に悪影響を与える懸念があるという思惑があると思われますので、これ以上の報復は難しいと推測されます。

また中国にはもう、すでに、関税をかける余地がなくなり、出すカードが無くなっている状態です。すなわち、今、かけている関税をさらに上乗せするほかのカードしかなく、こちらもこれ以上、関税を上乗せすると国内経済に影響をする、という判断が働いているのでしょう。

また、ヨーロッパではECBのドラギが任期満了にて退任、ラガルド次期ECB議長が超緩和政策は続けると言明していることが、今回の最大のドイツ金利の反転につながったこともきっかけに思われます。

こう考えていくと、世間では貿易戦争が今回のリスク回避の要因だ、と説明をしていますが、世界経済の最大の懸念は、ドイツ、ないしはEUであったことがよくわかります。

米中の経済は去年が良かったので相対的に悪くなっただけの話です。つまり貿易戦争の影響など一切受けていないのに、世間は材料がわからないので貿易戦争、貿易戦争と騒いだだけの話です。

ただし、貿易で関係のあるのは、新興国です。IMFのWEO、7月の予測では新興国貿易が今年マイナス1.4になることが見込まれ、その結果、新興国経済の停滞につながっているのです。

特にNZなどは利下げをしてまでも経済を下支えしたのですから、相当に悪かったのかと思います。

NZ経済については4月にテロが起こったときに私はNZが悪いと明言をしましたし、その通りの結果になりました。この意見にどこが悪いのだ、という意見も多くありましたが、結果的にきちんと経済指標をみていればわかることでした。

 

今後の展開

株式も債券も結局、転売、買い戻しの動きの一連の動きになります。つまり、今後、新規買い、戻り売りを誘うために、買いの場合は安値を示現し、そして戻り売りの場合には高値を示現するのです。

そのときにダウ理論が出鱈目ということがおわかりになると思います。つまり、前回、高値、安値を二番天井、二番底を示現しない、とダウ理論は言っている訳ですが、そのときの状況によって、その安値、高値なんていくらになるのかわからない、ということです。

つまりダウ理論は単なるデータから導かれた狂った理論であり、その根拠が導き出されていないのです。

根拠がないものは信用に値しないものです。これは何を批判しているのかといえばデータだけで傾向が読み取れるものは、信用に値しないということです。

さらにいえば、テクニカルも同じことです。基本的に傾向からわかるものは、今までのデータにないものは、まったく評価ができないということです。

要するに、これから二番底、二弁天井を警戒しなければいけないよ、ということなのです。