おはようございます。

テクニカルなど関係なく円高になる可能性がある、と記したのは日銀政策決定会合の結果を予見していたのではなく、テクニカルでほとんどみなさんみない「日柄」がこの長期間の円安の範囲が続くのはあり得ない、と考えていたからです。

今回はFOMC、日銀の政策決定会合の値動きと、それに付随することを解説します。

FOMC

次回のFOMCでは利下げを行わないと一部の委員から声が出たというのは以下のグラフをみれば明白になります。

上記はアメリカ国債1年物(52週)利回り

下はFFレート、1年物誘導金利目標になります。

市場金利が5月くらいから低下をしているのにも関わらず、FFレートは高止まりしたままです。

この誘導目標金利と52週金利が大きく乖離をしていたので、利下げを行ったのです。1年物金利が9/19引けの時点で1.88です。FFレートが2.0ですからその乖離はほとんどなくなったから、利下げをこれ以上、行わないという委員が出ただけの話です。

現在のCPIとPPI価格では1.6-2.0がインフレ率なので、市場と誘導目標がほぼ一致しているので利下げをする必要もない、というのが妥当な判断でしょう。つまり、11月に向けてまた、連続利下げの話が出てきますが、インフレ率、52週金利との乖離をみておけばいいと思います。

ただし、トランプは市場金利よりも下げろ、と言い始める可能性が大きいと考えています。この点が非常に悩ましいということです。

 

きのうからの動きの解説

日本もアメリカも9/3が頭になっています。

これは米中の貿易戦争の関税が発動されたことに由来するものと推測されます。ただ、どちらもダウントレンドに転換をしていると思います。

FOMCによって0.25の利下げが決定され、実効為替レートは金利をもふくみますので、アメリカの実効為替レートは下がります。その時間、日本は真夜中になりますので当然、何も発表がありません。

ここでドル÷円で考えると分子のドルが下がって、分母の円が変わらずです。この場合の解は大きくなるので円安になったのです。この場合、ドルが0.25下がったのですから円安の幅も0.25になるのです。

時間のある人は、私は計算をしていませんが、0.3円ほど円安になっているはずです。これが発表直後に円安になった理由です。

翌日に日本の金融政策決定会合がありました。これは金利先物相場でBOJの欧米とヨコならびの追加利下げが期待されている先物の鞘になっていたのです。これが据え置きによって、金利先物が通常の形になったので、実質、金利が上昇をしたのです。

ドル÷円で分母の円が上昇をすれば、解は小さくなります。つまり円高になったのです。さらに15時からの記者会見にて黒田総裁が、次回以降の金融緩和に関して、行う可能性が前回より高まったと、これほど明確にいったことはないくらいに金融緩和の可能性を示唆しました。

ただし、次回は政策の総点検を行うと明言しましたので、同時緩和はないでしょう。

ここで注目するのは、この発言以降に日本の国債先物がこの黒田発言を織り込み、先物の逆鞘が拡大したことからさらに円高が進行しただけの話です。

これが、きのう起こった、ドル円の値動きの説明です。

 

きょう以降の話

では、アメリカは前回7/31に利下げを行い、その結果、実効為替レートが上昇をしました。つまり資金調達がしやすくなり、その結果、企業活動が活発になり、貿易が拡大したからだと思います。

今回の場合も同じ0.25幅になりますが、市場金利と政策金利に乖離がないのです。つまり、前回ほど、今後も金利の下げがあまりないという読みから前回ほど、大きな資金需要が見込めません。

金利差によって、円安、円高が決定すると言っている連中は、今回のこの値動きを全部外しています。金利差でドル円が決定するのであればFOMCの決定後には円高になるのを、円安になったのをどう説明するのでしょう。

この結果をみて、私の説明がすべて合理的だと理解できた方は、金利差なんてクソ出鱈目なことを言っているのではない、ということができると思います。

金利差を考えると、円高になっても、前回、同様に円安になるということから専門家連中は円安、株高と叫んでいるのでしょうが、そもそもの前提条件が違いますので、前回のようにはならないと思っています。

つまりアメリカの実効為替レートは横ばいか、下降気味になる可能性が高いというのです。反対に日本の実効為替レートが上昇すれば、円安なのでしょうが、これも消費税増税を控え、気迷い気味になると思っています。

ましてやきのうのフィラデルフィアなどみると株価は発表後に買われましたが、結局、反落をしている状態です。それほど良い経済指標はアメリカには出ないときのう説明した通りです。

日本は逆に、去年は北海道、関西を中心に自然災害が多発をしましたが、今年は、千葉県での大きな災害となりました。

あの復興地域をみていると所得の高い地域の復興を優先し、そして、低い地域を後回しにしていると想像できるのが私の怒りが沸騰する理由になるのです。千葉は全国でも有数の南北格差の大きい県になります。北と南では全く生活様式が違います。

こういう事件があり、今年の数字もさえないので、良い指標が出たとしても打ち消される材料が多すぎるのです。しかし、アメリカの落ち具合からみると、上昇は大きい、つまり分母が増大しますので、解は小さくなると考えています。

ドル安ですから金や原油の下支え要因、穀物も下支え、新興国も下支えになると思いますが、新興国の問題は、ドルよりも上昇率がいい、ということなのです。だから、現在、下がっているのです。