おはようございます。アメリカでウクライナ問題の議会弾劾調査が行われ、アメリカは蜂の巣をつついたような騒ぎです。

日本には関係ない、という報道が支配的です。おそらく、その理由は、弾劾など結局、通らないからです。今回はウクライナ問題について私がわかっている範囲で記しておきます。

 

弾劾は通るのか?

結論からいえば、民主党のペローシがいくら大騒ぎしようが、通りません。基本的には下院院内総務であるペローシは来年にこのウクライナ問題を取り上げる戦略であったのです。

しかし、民主党の大統領候補選挙が混迷を極める中、その候補者選びにトランプが手を出してきたことによって民主党内のトランプに対する不満から押し出される結果で出てきたものです。

つまり、バイデンの息子がウクライナのガス会社から何らの便宜供与を受けているのではないかという疑惑にトランプが手を出したということから始まったのです。

いうまでもなくバイデンは高年齢とはいえ、民主党大統領候補の有力候補です。しかし、討論では冴えなく、ウォーレンにリードを許していることが大騒ぎの原因です。

この民主党候補の一本化さえも怪しくなっている時に、自身の再選をより確かにしようという思惑(?)で手を出したのがトランプです。

トランプにとってウォーレンは敵ではなく、むしろバイデンが出てきた方が怖いので、バイデンの追い落としを図ったというのが一般的な見方です。

参考までに、ブルームバーグも立候補を検討しているとのことですが、これは、民主党広報にはまず間違いなくなりません。

理由は、ニューヨーク市長の考え方とアメリカ全体の考えには大きな乖離があり、ニューヨークで支持が大きくても、アメリカ全土では全く相手にされないという経験則があるからです。

要するに、今回の議会弾劾調査というのは民主党の内紛から起こったものであり、実際に議会を通り、トランプは弾劾されるのかといえば明らかにノーになるのです。下院は弾劾が通るかもしれませんが、上院は否決されるからです。

トランプがこの審議に興味がなく、トルコのエルドアンと会談を優先させたのはそのためです。

ただし、来年の議会選挙は上院も民主党多数になるのはほぼ確実になりますので、院内総務であるペロシは議会選挙後の弾劾を目指して来年のテーマとしただけの話です。来年ならその可能性はありますが、今年やっても全く意味がないのです。

ただ、万が一の場合は、クリントンに続き、トランプも弾劾され、大統領を罷免されるかもしれないと大騒ぎになっているだけです。わかっている人には、トランプと同様、この問題には興味も示しません。

日本の安倍もなんだかわけのわからないことをやっていますが、何も調べずにギャーギャー騒ぐ野党をなめ切っているだけでしょう。こちらの問題もきちんと行えば安倍を追い詰めるチャンスなのですが、何をやっているのだろう、この人たちは、と思います。

参考までに安倍は来年の桜を見る会は中止としましたが、それ以降について、菅は透明性を確保したうえで、それ以降は検討する、と言っています。

安倍の任期は来年の秋で、再来年は菅首相の布石、と思えばいいだけの話です。先々の後継の話をもう今、してしまっている余裕綽綽の態度に完全に野党はなめられているとは思わないのでしょうか?

 

ウクライナ問題の本質

基本的にはオバマがすべて悪いのです。

ロシアのクリミア侵攻は、基本的には、ロシアが旧ソ連国民、ロシア国民の保護という名目で、行っています。これはシリア内戦でも同様であり、シリアにはソ連から逃げてきた人が大勢います。

つまりソ連解体に伴い、その政治状況や経済状況からソ連を出国してウクライナやシリアに避難したテクノクラートが大勢いるのです。

その保護を目的として、ウクライナやシリア内戦に介入をしています。日本にはロシアで領土的野心があると報道されることが多いのですが、プーチンは事あるたびに法の正義を謳っており、日ソ共同宣言にしるされた北方領土に対する規定を守るはずです。

ただ、ウクライナに侵攻をしたことによってロシアはG8から離脱し、日本は欧米に同調をしてロシア制裁を行ったので関係がこじれているだけです。

ウクライナには基本的には親ロシア派と親欧米派に分かれます。ウクライナに一方的にロシアに侵攻されたと報道されることが多いです。ただ、その前に欧米側にはNATOに無理やりウクライナを加入させようとした経緯を全くしない、というバランスを欠いた内容です。

それに対してウクライナ国内でもめにもめるのは、その時々によって、親ロシアに向いたり、親欧米に向いたりするから難しいのです。数年前に親ロシア政権では、経済状態が著しく向上をしたのにその大統領は敗北し、内戦状態に陥ったこともあります。

今回の政権は、前回政権は、欧米にもロシアにもいい顔をして、つぶれた結果、今回の政権は欧米寄りで、トランプとも会談をしたのです。

結局、オバマは前回のクリミア侵攻以前からオバマが無関心で、ヨーロッパに主導権を握られてしまったのです。つまり、アメリカはこのクリミア侵攻に関してほとんどノータッチだったのです。

NATOの勢力圏という問題では安全保障の喫緊の課題であるのに無関心を装ったことが今回のトランプの大幅な介入へとつながっているのです。

要するに、オバマはこの問題には何もしなかったのです。オバマを全否定とか、偉そうに言う評論家をよくみかけますが、実際、オバマは国際的な安全保障は悉く失敗しており、そのしりぬぐいをトランプがしているのも事実なのです。

シリアなんて、もうオバマがやったことは無茶苦茶で、トランプが文句を言いたくなる気持ちはよくわかります。

そしてバイデンの息子がウクライナのガス会社にいることも問題を複雑にしています。

つまり、ウクライナはロシアから天然ガスを輸入することによって成り立っている訳ですから、大統領候補の息子がウクライナのガス会社に勤務をしているということはNATO側のアメリカにとっては非常にまずい話なのです。

大統領としては、当然、ロシア寄りガス企業に大統領候補の息子が関与していることに対して調査を命じるのは当然のことのように私は思いますが、みなさんはいかがでしょう。

またウクライナを経由してヨーロッパにガス供給をする割合は現在、大幅に減少をしましたが、冬場のガス問題はヨーロッパの命運をも握るのです。

つまり、トランプ嫌いによって報道が完全に捻じ曲げられているというのが実態であり、この問題では何も起こらないよ、というのが結論です。あるとすれば大統領選後だよ、ということです。

ほかの香港、北朝鮮、中国問題は何も解決しません。ブレグジットも解決しないでしょう。なにも決まらないというのが私の見通しです。イランだけはもう一度再考しなければいけないかな、と思っています。