おはようございます。

この時期になると毎年、補正予算が組まれるのが恒例行事となってしまいました。予算の他にまた補正予算を執行するのが果たして意味があることなのか、いつも疑問に思うのですが、これが安倍政治なのであろうな、と思います。

26兆円の補正予算の意味

各方面から、この補正予算に対して、規模ありきで、中身について議論がない、という批判が多く起こっています。

この批判は私が普段から言っている通りの指摘だな、と感じます。

つまり。今回の補正予算は規模を求めているということです。つまりアメリカが年末の資金供給として12兆円の緩和をおこない、そして、ドイツはドイツ銀行が関連資産をゴールドマンサックスに売却がおよそ12兆円程度です。

緩和の規模は、
「日本26兆円>アメリカ=ドイツ12兆円」です。

ここから求められるのは緩和競争、通貨安競争になるのです。つまり2014年に日銀と政府がタッグを組んで大幅な緩和をやったことの再来をねらっているというのが政権の発するメッセージだと認識することが必要です。

NHKによると今回の26兆円の事業規模は2016年に次ぐものらしいです。2016年はご存知のようにチャイナショックから日銀がマイナス金利を導入した年です。

この年は明らかに景気が下向きになっていましたので、この補正予算は納得ができます。

今回の場合は相次ぐ台風被害や中国の経済減速は確認できるのですが、本当に不景気になるようなレベルなのか? という疑問がわきます。

ただ、為替市場や株式市場にとっては大きな事件がない限りは円安、株高の方向性は決まったよね、と思うのです。この予算執行来年度からになると思いますので、その辺のことを4月以降に忘れずにチェックをしたいものです。

この予算執行で安倍さんは何をねらっているのかといえば、数年前に表明をしたGDP600兆円を2020年までに達成をすることだと思います。

現在のGDPからは600兆円はまず、不達になると思いますが、為替相場の力を借りれば、達成する可能性はあるということです。つまり言ったことを達成するためになりふり構わない可能性もある、ということです。

そもそも消費増税後に、景気を下支えするためにもともとから予定にあったことといえばそれまでですが、今後の安倍さんの言動には注意をしたいものです。

 

今後の展開

12/1近辺からマーケットが急落をしている展開になります。

このテクニカルはドル円4時間をいつものように単純移動平均10.30でみれば「いつも」のパターンというのはおわかりになると思います。

すなわち、デッドをして、ピークまで売られ、30まで戻るパターンになります。

その雇用統計は本日の発表になります。ISMの非製造業の雇用指数を見る限り、雇用統計の結果はコンセンサスよりも大きい可能性があります。これは11月という期間が毎年、年間で一番、雇用の多い時期であることを勘案をすると納得できます。

毎年のパターンになりますが、この時期が終了をすると、出てくる経済指標は軒並み悪化をしていきます。そして年初に小売などの売り上げをみて戻すというパターンになります。

また、ISMの製造、非製造ともに物価指標がプラスで推移をしていますので、金利が上昇するリスクがあります。

金利の上昇は円高、株安のパターンであり、結果として、雇用統計の終了後、すなわち、来週は円高になるだろうね、と推測することができます。

 

円が最弱になるのは規定通りだが・・・

日本は先進国の中で最弱な通貨になることは疑いようもありません。

これは欧米のGDP規模は日本円で2000兆円になりますが、日本は500兆円程度です。これをGDPで換算をすると、日本円の弱さが目立つようになります。

つまり対ドル、対ユーロに対して円は弱くなるのは自明になります。

しかし、中国やそのほかオージーなどの新興国については詳細な分析が必要になってきます。

なにを問題視をしているかといえば、円安ドル高になる見込みでしょうが、クロス円に対しては円高になる可能性をも秘めているのではないか、と考えているのです。ともかく、雇用統計後に考えていきたいと思います。