おはようございます。

OPEC総会など石油に関する会議などが頻発をしています。今回は、この時期になぜ、このようなことが話題になるのかの話をしていきたいと思います。

12月は石油にとって大事な時期

OPEC総会では減産が決定する方向で会議が進んでいます。その理由は非常に明快です。

理由は世界の生産活動の大半は、北半球で行われます。この時期、北半球は冬です。すなわち寒い、寒いなら暖房油需要が盛り上がるからです。

これから寒さが本格化を迎える訳ですが、需要のピークは12月になるのです。つまり1-3月の暖房油需要を毎年12月までにその在庫を積み上げてしまうのです。

ですから、サウジアラムコのIPOがこの時期に行われるのは、この時期が平年では一番、石油価格が高くなるからです。

IPOというのは新規公開になりますので、その創業者は自分の会社の株を一番高く売りたい訳です。その高い時期というのが12月なのですから、12月に公開をするだけの話なのです。

参考までに、アラムコはよくIPOができたな、とは思います。あの会社はサウジ王族の私有財産そのものであり、どこでどういう不明朗な会計が行われているか実態など明かせる訳がないのです。

つまり、ロクでもないことに公器である会社が使っている可能性があり、上場基準をよく満たすことができたね、というのが私の素直な感想です。

つまり、経年するたびに、おそらくさまざまな不正が明らかになってくることでしょう、と思っています。この株を買うくらいならエクソンモービルを買ったほうがまし、だと思います。

ともかく、12月のOPEC総会が開催されるのは、来年の需給を供給サイドで決定しようという態度になります。

 

減産の理由

世界最大の産油国は、もはや、サウジアラビアではない、と当コラムでも何度も言っています。その産油国はアメリカです。

この減産の理由は世界経済が不振のため、などと、訳のわからない説明をする人がたくさんいると思いますが、まったくのデタラメです。なぜなら、これだけ米中などの貿易摩擦が発展をしても、世界の今年の成長は3パーセントあるのです。

つまり不景気、ということは全くないのに、なぜ、減産をするのか、ということです。ここのポイントがわかっていない人があまりにも多すぎるのです。

答えは以下になります。

上記はアメリカの原油生産になります。

過去最高になっています。

つまり世界最大の産油国であるアメリカが増産をしているため、OPECなどは減産をして価格維持に努めるほかないのです。

ご存知のようにアメリカは世界最大の産油国であるとともに、最大の消費国でもあります。そのアメリカ産原油は、現在でも輸出規制がありますので、輸出ができませんが、周辺国のメキシコ、ベネゼェラ産などの原油輸入量が減りますので、需給が緩むからOPECが減産をするのです。

勘違いをしてはいけないのは、世界景気が下振れしているからになります。アメリカの原油生産はこれだけ低金利が続いているのですから、ますます開発が進むことでしょう。

つまり石油生産が天井知らずの状態に現在、なっているのです。みなさんも、ご存知のように介入をすればするほど安値に近づいていくというのが、法則だと個人的には思っています。

 

イラン

この石油をめぐる情勢が動けば、イランも動きます。イランはアメリカ、サウジに次ぎ、3番目の産油国になりますので、注目されるのは当然のことです。

まず、先週、イランではデモが起こっています。その上に現在は欧州とイラン制裁の可否をめぐって協議が続いています。

欧州としては自分たちの利益を考えるのであれば制裁解除の継続などせずに制裁を開始すればよい話です。ただし、フランスのトタルやもともとイギリスの旧植民地になりますのっで、事情はよくわかりませんが、さまざまな利権が絡んでいるのでしょう。

また、イスラエルの総選挙も混迷しており、サウジは目的を達した、だから、石油をめぐる動きが動いているということを理解してほしいのです。

この展開は読めませんがサウジのアラムコ、そしてイスラエル総選挙の混迷でイランが暴発をしないように重石を置いとかなければいけない事情だったのです。現在、イスラエルの総選挙がまだ解決をしていませんので、まだまだ混乱します。

ただし、これから夏に向けた動きに産油国はなりますので、活発化はしないと思います。

 

マーケット

雇用統計は予想通りの動きになります。

日本の指標に大きく下方向にぶれるものが出てきました。消費税増税による売り上げの低下と言っていますが、去年の10月は復興需要によって大きく上昇しているのですから、今年は下がるのが当然のことなのですが、また、ステレオタイプのような分析をしているアナリストがほとんどです。

つまり、去年よりも5パーセントも落ち込んでしまったので、消費は減少をしている、と一口に言ってしまっているのです。数字をみているようで、こういう人たちはまったくみていないし、数字を理解していないのです。こういう人たちがデータアナリストなのですから笑ってしまう、というほかないのです。

ただ、現在の動きは日本減少、アメリカ増大で円安方向というのが出てくるのです。この辺の分析を、週末に行っていきたいと思います。