おはようございます。
FOMCを控え、動きは小動きです。私の指標では毎日、円安方向と出ていますが、円高に行く傾向にあります。市場には円高方向に振れるパワーが働いているとみるべきでしょう。
円高の場合は、日本の国力が出ているか、ないしはないがしかのリスクが顕在をしているからのどちらかになります。現段階では、前者の可能性は少なく、後者になると思います。
ただし、勘違いしてはいけないのが、日本の国力が衰退しているということはあり得ません。そもそも26兆円の補正が円高への抑止効果が働いているはずです。
きょうは、さまざまなことを書いてまいります。
FOMC見通し
常々、言っているようにFRBは常にアメリカ国債52週利回りをみているはずです。きのうの大引けで利回りが1.56%、FFレート誘導の目標1.5-1.75ですので今回のFOMCで利下げの可能性は少ない、ということになります。
ただし、利下げ、打ち止めという観測が流れていますが、これは大きな間違いだと私は思っています。理由は目標レンジ1.5-1.75の下限に1年物金利が来ており、今後、展開次第では1.5を下回る可能性もあります。
ただ、物価はドル安などで上昇基調にありますので、物価上昇との整合性がないという形に現在なっていますので、1年物金利が下げれば、FFレートの誘導目標も下げるということもあり得ないとは思います。
この辺をどう解釈するかの問題です。
ただ、今回の利下げはない、という判断に80パーセントを置いています。
ポールボルガ―の死
ポールボルガ―の名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、何をやったかを知っている人は多くはないと思います。
ポールボルガ―は伝説のFRBバンカーでありニクソンショックなどの当事者です。
1970年代の金利15-20パーセントのインフレを鎮圧したことばかりが功績としてたたえられていますが、私が一番、申し上げたいのは、彼が、金本位制度を崩壊させ、そして、現在のFXの始祖である変動為替相場の創始者とも言えることなのです。
つまり、私たちが現在FX取引をできるようになったのはポールボルガ―のおかげと言っても過言ではありません。
またリーマンショック時にもオバマ大統領の顧問として金融改革を実施しました。このようなアメリカの歴史というよりも世界の金融史に名を残すような人であって、ほかの人の訃報とは種類が違うということをFXに関わる人には理解してほしいと思います。
彼の功績は絶大すぎて、語るには及ばないというくらいすごいものです。
イギリス総選挙
ボリスジョンソンが落選の危機、保守党の圧勝などと報道されていますが、こんなもの一切、信じてはいけません。
過去の国民投票、そしてそのあとの総選挙、すべて結果が真逆になっていることをもう忘れている人が大勢います。
基本的にはイギリスは小選挙区制度であり、その結果は日本と違い、ふたを開けてみなければわからない、ということです。
小選挙区の特性からいえば保守党が負ける可能性は非常に少ないということは言えます。なぜならコービンなどという労働党党首は全く人気がないからです。
そもそも労働党の総意による代表戦にも勝てないような党首ですので期待できない、ということです。
個人的には全く調べていませんのでわかりませんが、イギリス独立党やスコットランド独立党などが躍進する可能性がある、ということです。
その場合の選択肢なども考えなければいけないので、非常に難しいということです。
また、ボリスジョンソンという人間性を調べれば調べるほど疑問に思うことが多く、彼のポピュリズムの考え方が長持ちするかどうかの問題です。
トランプもポピュリズムですが、このポピュリズムの人気というのは長続きしないということが一番の問題なのです。
要するに日本でいえば橋下徹みたいなもので、彼はすでに政界を引退してしまっている、という現実をみてほしいと思います。党は残っていますが、彼らに何を期待するか、ということです。
小池百合子にしても同じことでしょう。ポピュリズム、要するに他人を批判して、相対的に自分の価値を高めるような政治、そして商売などは長続きしないということです。
このポピュリズムの本質は、結局、商売と政治が同じになっちゃったということではないかな、と最近は思っています。
フランスへのアメリカ制裁
仏、米の制裁関税に報復の用意 マクロン氏「国益断固守る」REUTERS
トランプは年内に貿易に関する摩擦をすべて終わらせたいという意向をもっているように見えました。
しかし、昨今の情勢をみると、ブラジル、アルゼンチンとも喧嘩をし、カナダとも、いろいろなところで喧嘩を吹っ掛けています。ダメ出しにフランスと(笑)。
もちろん、背景には、民主党との対立、つまり弾劾審査が彼をイライラさせていることは自明のことであり、その不安があるときには意味不明な発言やツィートを行います。
各国に、喧嘩を吹っ掛け、盟友のアベは巨額な補正予算を組む、コンセンサスは年内に貿易問題は終了に反しているようにしか見えません。
年内に貿易問題を解決するというコンセンサスに疑問をもつことは大事なことだと思います。弾劾審理が決まり、中国との妥結は1年先でもいい、とトランプが言ったことは、私は失言ではなく、本音だと思っています。