おはようございます。

きのうは日中に韓国・中国からの入国制限をするという報道が流れ、マーケットに携わる人間にはピンとこない話なのですが、影響を考えると広範囲な影響を与えます。

 

韓国・中国への貿易依存度

日本は輸出入ともに、

・中国から20%~24%

・韓国からは4%~7% の貿易全体からの依存があります。

日本のGDPに占める貿易の依存は15パーセントです。貿易の中で韓国・中国は1/4を占めますので、4パーセント程度の貿易に影響がでます。

たとえば訪日観光客の消費は中国で年間1.2兆円程度であり、金額的にはそれほど大きくありません。韓国人は人口の問題からこれほど大きくないでしょう。

GDPの4パーセントに影響があるのは、GDP520兆円ですから、20兆円規模になりますので訪日観光客の影響の比ではありません。

もちろん、この20兆円、すべてに影響があるということではなく、一部今回の入国制限の処置によって、影響を受けるでしょう、という話です。

問題は、この金額のどの程度に影響を与えるか、ということがさっぱり理解できないのです。

韓国がこの処置に対して猛烈に抗議をし、そして対抗処置を発表するのはある意味当然です。理由は韓国の貿易依存率が非常に高率で、日本との貿易を止められると産業界全体が死ぬに等しいことになりますのでこういう結果になるのです。

つまり韓国は日本から部品や材料などを輸入し、それを輸出することによって外貨を稼いでいますのでこれを止められると国の根幹を揺るがすのです。

これはほかの東南アジア諸国も同じことで、東南アジアは主に中国から部品や材料など輸入し、そしてアメリカに輸出をするという経済モデルなのですが、中国の工場が稼働していない状態で経済が良化などする訳がありません。

つまりコロナウィルスの蔓延による被害よりも、中国から部品、材料が入ってこないことのほうが影響は大きいのです。

韓国は日本から材料・部品が入ってこないということは国家がお金を稼げない、ということを示し、過剰な反応をするのです。

結果としてアジアの経済は、ほとんどマヒ状態なのです。このことをようやく、モルスタやそのほかの国際機関も認識し始めましたが、当コラム、サイトはイの一番に指摘していることをあえて記しておきます。

つまり日本の株価が上がる訳ないでしょ、ということです。アメリカもコロナの被害は少ないですが、本当のところは中国から原材料輸入をしてASEANがアメリカに輸出している部分が多いので米中貿易摩擦などほとんど影響がなかったのです。

しかし、今回のコロナの影響は、アメリカ経済を弱体化させることでしょう。その影響は米中貿易摩擦の比ではなく、こちらのほうがむしろ影響が大きいと記しておきます。

では、具体的な悪影響は? と聞かれると私も答えようがないのです。要するにサプライチェーンが複雑に入り組んでおり、どこにどういう影響が出るのかさっぱりわからない、ということです。だから、突然の大型破たん、企業などの、可能性として認識すべきと書いているのです。

 

きのうの結果

言い訳をクドクドと書きましたが、要するに、なぜ、NY株がこれほどに上昇しなかった理由を考えた結果が上記の結果です。

ただ、きのうも、いつも記しているようなことがNY市場で起こっています。

つまり日経平均の日中の下げ幅が2.7だったと思いますが、NYも下げ幅2.7で止まっています。理論上、ここを抜けると第二のリーマンになる訳なのですが、そこまで危機意識はみんなないであろうと思っていたのです。

引けは急騰ではなく、結果、戻っただけです。

ともかく中国は発生源なので、このような状態になっても、文句など言えないので言わないのでしょう。韓国はSARSのときにどれだけ世界に迷惑をかけたことをも忘れて、なぜ、それほど強気になれるのだろう? と私は思います。

言えることは両国に共通しているのは衛生概念の欠如です。中国でインフルが流行ると中国ではその感染が止まりません。

これは防疫の問題もありますが、衛生概念の欠如としか考えられません。台湾では中国で大きなインフルが発生をしても大きな被害にならないことを考えてもおわかりになると思います。

要するに、防疫と衛生概念の問題です。世界一、私は、日本が衛生概念の発達している国と思いますが、日本で300人程度の感染が出ているということは韓国や中国の感染者数はこんなもんじゃないでしょ、というのはずっと当サイトでも指摘してきました。

これからがコロナの経済への影響の本番なのです。

つまりアジア全体が大きく沈みこむ経済危機になる可能性があるのです。