おはようございます。
きのうも記しましたが、アメリカの緩和によって、マネーの増大が止まらない状態となっています。本日は、その話をしていきたいと思います。
アメリカの緩和
アメリカのコロナに関する財政処置は合わせて、100兆ドルをこえるといわれています。
最近、トランプの言動がおかしい、と言われていますが、その言動をおかしくさせているそもそもの原因は、以下のグラフが原因だと思います。
上記はアメリカのマネーサプライ、M2の過去25年に亘るものです。
きのうは直近、1年のものを示しましたが、本日はより長いものになっています。
トランプの景気対策はほかの国よりも大胆で素早いものを例によって自画自賛をしていますが、その副作用を考えれば上記のグラフでも明らかなようにマネーの増大です。
マネーの増大は何を意味するかといえば、非常にかんたんで、現金の価値の低下になります。相対的に株や債券、不動産、商品の価値が上昇をします。
人々は、アメリカ経済の先行きは今の時点でかなり良好だ、と思っているはずです。
なぜならば、今後、起こることは商品の売り上げがあがっていき、注文を増やしたり、人を雇用し、そして設備投資をしていくことになるでしょう。
ところが、ハタと気づくのです。見えないレベルで物価が上昇し始めているのです。最初は売上が上がっているので、気にもしないのですが、その対応を考え始めたときにはすでに遅いのです。
つまり値段の上昇によって売り上げが落ち、そして人件費も上昇、そして、借金の金利も上昇(設備投資)になっているのです。
これがインフレの形成過程になります。
今後、間違いなくアメリカの経済はよくなると私は考えています。しかし、それはたぶん、物価の上昇を伴ったもの、つまりインフレの可能性がある経済回復になると言っているのです。
しかし、近年ではこのインフレの原因が判明し、ほとんどが政府や中央銀行による、上記のグラフにも示したようにお金のバラマキ過ぎなのです。
このばらまいてからインフレの兆候になるまでは平均で2年かかり、そして、早ければ1年以内にインフレの兆候を示します。
このインフレが起こる前に、政府や中央銀行がばらまいたお金を回収しないと、インフレがいったんおこればその収束はかなりの痛みを伴ったものとなるのです。
ただ、現状、ようやく感染の拡大が終了し、もちろん二次感染の心配もありますが、経済活動がようやく再開した状態です。しかも、まだ統計数字にも出ていません。
この状態でトランプやパウエルが経済活動の再開を急ぐ理由は、こういう理由があると思われます。
トランプは「再開によって死者が出るかもしれない」と言っています。これは為政者としての言葉としては私は信じられません。多少の犠牲は覚悟してもそのことを普通は口に出さないものです。
これだけのお金を発行するのには、それは借金、つまり、国債になります。その国債の保有者の主なメンバーに中国がいます。その中国に対して利払いを行わない、と言ってみたりしています。
これは、おそらく利払いを行わないのであれば、おそらく、中国はアメリカ債の売却をちらつかせたのだと思いますが、これに対して議会とともに制裁に走っています。
なぜ、トランプの言動が頭がおかしいようなことになっているか、とその疑問に推測としてお答えするのであれば。次にやる政策がはっきりいえば見当たらないのです。
マイナス金利なんて一部は可能でしょうが、全体に適用することはできません。お金を引き上げるのにしても今はまだ時期尚早です。だから再開を急げ、と言っているのです。
このままであればトランプの再選は相当、危ういよね、と思います。
参考 日本のマネーサプライ
>相対的に株や債券、不動産、商品の価値が上昇をします。
債権価値は下落ではないでしょうか。
インフレ=金利上昇=債権価値下落。
インフレが起きる根拠の一つとして、「生産性の低下」も追加でいかがでしょうか。
1か月、自宅待機していた労働者が、復帰しても以前と同様に動けるはずがありません。
集中力の低下、筋力の低下から、生産性は確実に落ちます。
特に、働くとき以上の給料をもらっていた人間は、やる気が低下しているでしょう。
また、ソーシャルディスタンスを意識して、工場でも距離をとれば生産性低下。
小売の販売効率も落ちるでしょう。
生産性の低下から必然的に、物価が上がる、悪いインフレが起きる可能性が高いと思われます。