おはようございます。

きのうツイッターにて、なぜ秋の暴落は起こるのか?を記すと表明しましたが、ごめんなさい、予定を変更して東証システムダウンの解説とドル円の秘密について記したいと思います。たぶん、これを突きつければ、東証や富士通の関係者は「ぐうの音」も出ないと思います。

最近、アクセスが減っていますので、この記事の拡散をお願いします。

もう一点、きのう二番天井の準備を、と告知しましたが、すぐではないよ、と記したことを改めて書いておきます。

■東証システムダウンの原因

まず、これをみてください。

上記は青い線、左軸が日本の日銀短観、大企業製造業のもの、点線がISM指数の工業になります。

右端の青はきのうの日銀短観はマイナス27、ISMは50越えになっているのです。

過去3か月間の株価をみてみましょう。

グラフが非常にわかりにくいのですが過去3か月の日米株価になります。

青が日経平均になり、左軸、7月から10パーセント以上になっています。
緑がダウ平均、右軸になり、7月からは1パーセント程度しか上昇していません。

ところが日銀短観はマイナスの27で、ISMでいえば33に相当する数字、アメリカのISMは、55を超えている状態です。

工業株の対比でいえば、本来はアメリカ株のほうが上昇し、日本株が安くなってはいけない状態なのに、実際は日本株のほうが高い訳です。

これは実態経済を反映していませんので、寄り付きから注文が殺到した、これが原因です。

■システムダウンのさらなる詳細

まず、この日米の格差が、これほど大きいことはありません。

上記は1年間の株価の対比ですが、日経が1年間で9パーセント上昇しているのに対して、アメリカ株は7パーセント程度です。

これは年間の成長率、日本がマイナス10パーセントに対して、アメリカがマイナス9パーセントという比差に相当していますので妥当と言えます。

このようにGDPを基準に株価は動いているのですが、前期比で見た場合、アメリカは34パーセントのマイナス、日本は、7パーセントです。

ところが短観で明らかになったのは、アメリカ>日本です。

GDPでは今まで日本>アメリカだったのですから、日本株の買い比率を減らさなければいけないのです。そこで一斉に売り注文が出たのです。

しかも世界で、現在、最高水準のヘリコプターマネーを行っており、おカネはじゃぶじゃぶにあまっている状態です。

この日米の格差の逆転が起こったのですから、今迄の想定を超える注文が殺到した結果、ダウンしただけの話です。

そして、HFTという大昔に解説したことがさらに大きな拍車をかけた、というだけの話です。

東証は今回、富士通に賠償を求めないなどと言っていますが、機会を逸失した投資家にむけて何の保証がないのもおかしな話です。

きのう、買おうと思っていた投資家にはよかった、という内容でしょうが、売りのチャンスを逃した投資家には保証されるべきです。

今回の事件で金融庁は処分の対象になる可能性があると言っているらしいですが、当然です。社長の更迭は当然のことであり、株式市場というのは24時間必ずオープンしているから投資家に安心感を与えるのです。

何度も何度も想定を超える注文殺到でダウンを繰り返す東証、そして何の反省もないこと、きちんと株価を構成する要因は把握し、今の金融緩和の状態をみれば想定を超える注文が集中することは容易に想像できることです。

この罪は重い、と断じます。

ようするに日本の証券関係者のほとんどは株価の値段決定システムがわかっていないのでのんきなことをやっているのです。

想定できないレベルというのはどこかのアホな政府と電力会社が繰り返し主張した言葉ですが、この津波の発生は想定できないものですが、今回のことは「充分に想定できる」事態だったということです。

参考:東証、過去のシステム障害の例

東証のシステムダウンの過去日付ですが、このときに何があったのかを検証すれば注文殺到したことは明らかです。

想定を超えた注文、ということは現在の経済モデルとか、そういった過去データによって予測される未来を否定するものです。

当たり前のことですが過去に起こったことと、未来に起こったこと、まったく同じになる訳がないのに、現在の経済学のモデルを筆頭に過去に起こった通りになることを想定して未来を予測しているのです。これが当たるか、といえば当たる訳がないのです。

そもそも相関関係と因果関係をゴチャゴチャにして分析している人が多数です。

ドル円の秘密

株価の日米比差と、ドル円を較べてみてください。

ドル円の計算式はドル÷円で算出されるわけですから、分母の円が大きくなれば円高になっているのがおわかりになりますよね。

つまり、株価の動向がわかっていないのであれば、ドル円の未来などわかる訳がないのです。そして、きょうから東証は再開する訳ですけど、日本が下がる訳ですよね。

そうなると、分母が小さくなる訳です。となるとドル円はどうなりますか?

みなさんが思っているような日経が上昇すれば円安、下がれば円高とは別になる訳です。ドル円は日経が左右するというのは間違いで、これは相関関係と因果関係をゴチャゴチャにしている典型例です。

正しくは日経とダウの比差によってドル円は決定されるのです。金利差とか日経なんて関係ありません。

みなさんが望む本格的な円安は、日本の株が十分に下がらないと起こらないことがわかります。それなのに日銀は一生懸命、株を買って、円高にしようとしているのですよね。ものすごい政策矛盾です。私が日本銀行を全く評価しないのはこういうことがあります。

アベノミクス継続と言いながら、本命は株であり、ドル円はカヤの外なのです。こういうことを理解している投資家は非常に少ないと思います。