おはようございます。

米議会で経済対策が取りまとめる可能性がある、と下院院内総務ペロシがいきなり言い始めた結果、株価はみなさんが想像した逆の方向。

当コラムでは経済対策がまとまれば下がると言っていた通りの展開です。

そのほか中国の状況ときょうのマーケットについて。

中国はアメリカに屈服している?

米中貿易摩擦が勃発したころ、日本のメディアは中国4000年の歴史で中国が勝利するだろうと、一斉に報じました。当時から私はアメリカが勝つと言っていたわけですが、人民元のレートを見る限り、アメリカの圧倒的勝利になります。

元ドルレート

上記のように人民元はドルに対して一方的に上昇をしています。先ず、私も認識を間違えていましたが、いくらドルがドル安になろうとも、元は関係がない、ということです。

これは、中国の通貨、元の発生までさかのぼらないといけないのですが、これは省略。

現在の中国が成立するまで中国国内は共産軍と国民党の乱発紙幣によって極度のインフレになっていることから、毛沢東は為替レートの安定を第一義に通貨レートを設計しています。もちろん、アメリカの銀本位制度からの離脱という事件もありました。

これが、現在でも脈々と流れており、中国が現在の体制では一般的に管理フロート制という為替制度を離脱する気はさらさらない、ということです。

この為替制度は共産党次第のレートで、コロナなどで輸出不振になっている中国輸出にわざわざ元高を示現させることはあり得ません。通常なら、元安に誘導するのは当たり前に思います。

この元高は、結果として輸出商品の値上げを反映すると思います。資本コストがほとんどゼロに近い中国では今後、輸出コストがかかることになります。結果として大量生産、そして価格競争がない中国製品の競争力を失うことになります。

中国製品の値上げというのは物価の上昇を意味します。為替レートが上昇してからこの影響はだいたい半年後に出てきますので年末から年初にかけて物価が上昇することが予測されます。

今のマーケットは「低金利」がキーワードになる訳です。この低金利は買い方のキーワードであり、そして売り方のキーワードは金利、物価の上昇がキーワードになります。

FRBのパウエルやBOJのクロダがいくら低金利を維持すると吠えても、潮流には逆らえません。選択肢としてはバブルを発生させるか、政策金利を引き上げるほかないのです。要するに買い方の根拠である、低金利は音を立てて崩壊する最中なのです。

ペロシ院内総務の提案

冒頭にも書きましたが、20日中にも経済対策のとりまとめを行うと言明をしました。トランプは当初、共和党の提案の約倍の提案を行いましたが、ペロシ、民主党は拒否。

これで年内には、経済対策は無理であろうと思われたのですが、一転、合意になるかも? という流れができました。

ペロシの翻意には、大統領選挙の行方、西欧州で拡大するコロナが米国にふりかかる可能性などがあると思います。一部、ペロシがトランプを利するような経済対策を拒否しているという言質もありますが、これは推測のし過ぎのように思います。

アメリカ コロナ感染状況

上記はアメリカの感染状況になりますが、感染のピークは過ぎているように思えますが、完全にダウントレンド入りしたとはいいがたいというような状況になります。

この傾向はスペイン風邪と一緒で、アメリカでの感染拡大が欧州に変遷するというのはスペイン風邪と一緒です。これで考えるとペロシの翻意というのは、コロナが原因とは思えません。トランプにいやがらせをするのであれば、経済対策を行わないことです。この辺の真意は何とも言えません。

おそらく大統領選挙の中身が変わってきたかもしれない、ということなのでしょう。ともかくトランプが罹患してからの支持率低下は少し、ヒステリックすぎたというのが私の心象であり、それが冷静な判断をアメリカ人ができるようになった、ということではないかな、と思います。

菅さんの支持率も最初はヒステリックな支持率だったのがだんだんと下がってきたのと同じ話です。最初は何も考えずに支持をした人が過半でしょうが、冷静に安倍さんの継承ということであれば、支持しないと思えば、支持率が下がるのは当然のことです。

トランプが罹患したのは、自業自得ですが、過去の実績を考えたら、民主党とトランプを比較した場合、トランプのほうがまし、と考えるのが普通だと思います。あくまでも経済に絞った場合は。バイデンはおそらくオバマの格好つけ路線の延長でしかないような気がします。

しかし、わかりませんが、どうもトランプ有利のようにしか私には思えませんのですが、どうでしょうか? こんな判断はデータには基づいていません。

話を元に戻せば、経済対策がまとまった場合、ファイナンスの問題があります。借金まみれの米国がさらに借金を重ねれば金利は上昇、そして、ドルは緩和期待のドル安からドル高に移行をするというだけの話です。

本日のマーケット

きょうの焦点は、アメリカの経済対策がまとまるかどうかの問題です。要するに、緩和期待のドル安がドル高に転換するか? という問題です。

まず、考えなくてはいけないのが本日の外電、株価が急落をしていることです。このドル相場への影響は、投資家は株を手仕舞いしてドル、つまりキャッシュに置き換えるということです。

すなわち、ドル高になるということです。そこに、緩和期待からさらに、緩和実施からドル高になったらどうなるのか?

ダブルパンチのドル高になるということです。

そして、金利は、ファイナンスはある程度準備をしていると思いますが、トランプの提案をしていた緩和額の約倍の緩和実施になる訳です。となるとマーケットのインパクトが違ってくるということです。

要するに必要以上に金利が上昇する可能性があります。そのほか季節的に金利が上昇しやすい場面であり金利もダブルパンチで上昇する可能性があるのです。

となると、ペロシの翻意というのは重要な転換点になる可能性があるのです。

この時点で、緩和を行う、実施するということはペロシもトランプも株価が下落する可能性が高いことを承知しているはずです。もし、わかっていなかったら、どれだけ経済音痴なんだよ、と思いますけど(笑)。

つまり民主党の中に選挙戦の情勢が変わったからこれまでの方針を変更をしたとみるのが妥当だと思います。

これだけ説明すれば緩和の実施というのがどれだけ危険な政策なのかご理解いただけましたでしょうか? 国民そっちのけで、選挙に熱中する政治家、まったく理解できません。

曲がっていなかったら売りと断言しちゃっている可能性が高いと思いますけど(笑)。当たんないかもしれないと逃げときます(笑)。