おはようございます

年初からアメリカの大統領選挙や議会をめぐる混乱、そして日本では緊急事態宣言と波乱要因が続いています。しかし、この混乱の最中、念願のドル高・金利高になっています。

■現在の状況

米金利

日本金利

ドルインデックス

先ず、日本の金利から解説をしていけば、機能緊急事態宣言が1都3県で発出されています。前回の全国規模での緊急事態宣言でも金利は急騰をしており、さらに解除の6/1でも急騰をしています。

つまり解除をしても、再稼働の資金需要が高まり、金利が高どまりする傾向があります。

今回も同様な動きになると思います。つまり、現時点で1都3県の発出ですが、関西も追随する動きが出ています。これはきのう書いたがの記憶はありませんが、どちらにしろ全国規模の緊急事態になることは必至な状況です。

ただし、緊急事態宣言自体は各自治体からの要求によって発出される傾向がつよいので全国規模というのは考えにくいのかもしれません。ただ、東京、札幌、名古屋、大阪、福岡で施行されれば実質、全国規模となるでしょう。

ともかく今後、どんどん緊急事態宣言を希望する自治体は増えるでしょうから、金利は前回、急騰して急落をしていますが、今回の場合は急騰するのではなくじわりじわりと上昇するでしょう。

一方、アメリカは理解不能です。まず、ジョージアの決戦投票にて民主党勝利によってバイデンが経済政策を思い通りに運営できる結果、さらなる経済対策期待から上昇をしたのであれば金利上昇は許容できますが、ドルは急落するはずが、本日になって一転、高くなっています。

つまりジョージア選挙戦の勝利は関係ない、と客観的には判断することができます。

結局、私が従前からいう、今回のドル安の原因①大統領選挙の不透明さ②経済対策の進展

これがドル安の要因であり、きのうでようやく法的効力が完全に発生したバイデン新大統領誕生によってドル高になったとみるのが自然の成り行きだと思います。

この新大統領が完全に承認されたことによって金利も上昇をした、と考えれば納得ができます。金利の上昇に関しては、なんともいえません。ドルが上昇するのには金利の上昇も不可欠ですし、またドルの需要増を見込んでのドル高であれば金利が上昇するというのも不可解です。

あまり、完璧ではないのですが、おそらく大統領選挙の結果と経済対策の決定によってドル高、金利高が発生しているとみるべきでしょう。日本国内においては金利安の恩恵を被る企業、経済主体がこれから苦境になるということです。

この「苦境に陥る」のに株価は高いまま? あり得る訳ないでしょう(笑)。

■マーケットの動向

ドル高、金利高になればすぐさま、株価が崩落する訳ではありません。

前回、コロナショック、去年の2/18などは直前まで意味不明な高騰を続けていたのですがあるときにストンと下がっただけの話です。

言えることは緊急事態宣言によって企業活動は大幅に制限され、それがGDPを押し下げるのは誰でもわかる理屈です。今回の緊急事態宣言によってシンクタンクが軒並みGDPの下げを予測し、そしてきのう、IMFが世界成長を下方修正をしています。

言えることはたいていの場合、GDPの下方修正が行われてから株価やマーケットに大きな影響が出るのです。

そして前回の大急落の特徴は、先行をして金、ゴールドが下げていたことです。今回も金は、先日1970ドルの戻り高値を示現してから1920ドル前後まで現在、下げています。去年の2月と同じパターンです。そして日本のGDPの1次速報が発表された直後に急落をしたのです。

今月にGDPの速報はありませんが、その代わりにIMFがWEOを発表していますので、待っていれば急落すると思うのが妥当です。

そもそも、今回の株高はドル安(通貨安)と金利安がなければ示現しない株高なのですから、その前提条件が崩れているのに崩れなければ、私のマーケットの理解が間違っていただけの話で、申し訳ない、としか言いようがありません。

為替に関しては今まで、順調に拡大していた円の絶対値が縮小に向かうのです。そしてドルは高くなっている。ドル÷円の計算式でいえば分子が拡大、分母の日本円は縮小になればその解は拡大、つまり円安になりますよね。

リスク回避の円高と思っている人が多数いるでしょうが、今回の場合は円安になります。こうなるといままで円高でクロス円が全く上昇しませんでしたが、上昇するのではないか、と思います。

ただし、たとえばユーロなどはドル安の影響を受けて上昇していましたが、今度は反転してドル高、つまり円安になるかもしれないけど、ドルストレートは逆に安くなるのです。この場合、円の縮小幅とドルの拡大幅の比較になるのですが、まだこの測定はできていません。言えることは円の縮小は間違いなく起きる、ドルも「ほぼ」間違いなく上昇するということです。

ドルは8パーセント去年と比較して下落していますが、円は3パーセントほどしか上昇をしていません。何れも相対値ベースで絶対値ベースでは、円は縮小していますので計算が複雑怪奇になっています。

言えることは、ドルの下落の方が酷かったのでドルの上昇が勝るだろうということです。参考までにNYダウは、前年比ピークで8パーセント上昇し、ドルの反相関関係にあるので、おそらく理論上は、8%下落するということですが、それ以上、下げるでしょう。

ナスダックはドルと金利に相関をしておりピークで48パーセント上昇しています。

ただ、きのうは無茶苦茶な動きでした。きのうのナスダックは前年比45パーセント上昇でドルは7.8%、金利は41.5%ですので7.8+41.5=49.3、前年比で上昇していなければいけないのですが45.35の上昇です。つまり安いのですが、金利やドルの上昇を先に織り込んでいると思います。

何が言いたいかといえば、ほとんどの人が今年もIT、ハイテクがいいと言っていますが、金利とドルの状況をみれば、そんなことはあり得ない、ということなのです。

こんなことを言うバカものは世界広しとはいえども、私一人だけでしょう、と思います。イアンブレマーの予測も私には全く理解できないものですから、ま、かなり変わったことを言っていると思います。

しかし因果関係を突き詰めていけば、IT、ハイテクは相当な下押しがあるだろうね、と思います。

時間の問題で急落の可能性があるとお伝えしておきます。