国の歳出の金額が歳入の金額を超えている状態を「財政赤字」といいます。

「財政赤字は、日本の代名詞」といっても過言ではありません。なぜなら、GDPが540兆円であるのに対し、「1100兆円もの財政赤字」を抱えるような国は、そうそうないからです。

財政赤字がGDP比で出される理由は

世界を見渡して借金の総額で考えた時には、アメリカがナンバー1であることは間違いありません。

しかし国際的な比較ではなぜか「GDPに対しての割合で」行われ、「日本は借金の多い国」となっています。このことを疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

これは、政府の債務をGDPに対しての割合で算出すると、GDPの成長率の分だけ予算も増やすことができるという暗黙のルールがあることからもきています。国家の赤字が膨らんだとしても、自分たちが使える予算を増やしたいのが政府です。

国の予算の増額は、経済成長率が前提

「国の予算は、経済が毎年3パーセント程度成長することを前提として組みなさい」と言われているのですが、2010年代半ばに、世界の成長率は1%ぐらいに落ちました。

しかし未だに「年間約3%成長する」前提で予算が組まれており、予算の増額の妥当な金額も年間3%です。

経済が3%成長すれば、税収も自動的に増えていく、だから予算も均衡するという理論です。

なお日本の場合、アベノミクスが成功することを前提に、これよりも多い予算を組むだけ組んでしまいました。実際の経済成長率は1%程度であるのに対し、予算は毎年5%増やしています。

そして消費税を増税して無理やり税収を増やす、という自然の流れとは異なることをしようとしています。プライマリーバランスは改善している、と政府は説明しますが、数字だけ追っていくと実際には悪化しているのです。

要するにやはりアベノミクスは蜃気楼であって、どこから隠れ借金が出てくるのかわからない状態です。アベノミクスの最大の目的は財政再建であったはず、にもかかわらずかえって赤字増やしているのです。

予算を増やすためにと成長率を多く見積もり

政府は日本の成長を多く見積もって予算を増やし、結果として赤字を増やしているのです。

毎年年末になると内閣府から政府の成長予想が出ますが、この数字が異様に高いのは、予算を多く確保するためです。またGDPの数字を無理にかさ上げするのも、もっと予算を増やしたいからなのです。

こういったことを、本来なら問題視して指摘するのがメディアの役目ですが、このような状態に意義を唱えるマスコミも識者も日本にはいません。そろどころか間違った理論でアベノミクスを応援していることにはもう、天を仰ぐほかありません。

財政赤字はもう半世紀も続いている

日本の赤字国債や赤字財政は、実は第二次オイルショックの1972年から始まっています。もう半世紀近くもこんなことを続けているのです。

この間、さまざまな理由をこじつけては予算を増やし、職務を全うせずに不祥事を起こす国会議員がそれに群がってきました。

本気で国政を考えるのであれば、どうやって借金を減らすのかを考えなければならないのです。

このまま行けば、さらに増税され、企業は優遇される、の繰り返しで、結局は財政破たんの道にまっしぐらです。

財政破綻すると円安になる?それとも円高?

「財政破たんすると円安になる」という認識の方は多いのですが、勘違いとしては致命的ですのでどうぞご注意ください。

財政破たんすると、国家が衰退していくことが懸念されますから「円高」です。基本的に、株価が上昇すると為替は「円安」になります。

株価の上昇は日本経済が発展することを意味します。ですから、その反対、日本が衰退していくなら「円高」ですよね。

アメリカは政府機能が停止しても減税する?

アメリカの場合は、リーマンショックによって財政赤字が拡大し一時はGDP比10%以上に拡大しました。しかしその後、オバマ政権が財政赤字削減に尽力し、4%程度に減らすことに成功しています。

このとき「アメリカがデフォルトの危機」とのニュースになったことは、みなさんも記憶にあると思います。

政府予算を削った結果、政府機関の職員へのお給料などが不払いになり、政府機能が停止するなどと騒がれました。

しかし、2017年末に議会で審議をされているのはさらなる「減税法案」です。その減税額は10年で1.6兆ドル、日本円で170兆円程度になるといわれています。

1年当たりでの歳入減は1.7兆円になりますが、アメリカのGDPは約2000兆円あります。最新のGDP成長率は3%強とすると年間60兆円の成長ということになります。

さらに、そのうち税収は2割と考えると12兆円の増収になります。減税によって年間1.7兆円の減収になったとして、アメリカの国家予算はびくともしないということがわかると思います。

ただ、アメリカの債券は財政赤字が膨らむ原因になります。金利は上昇、価格は低下し、結局は社会のコストを増やし、せっかく儲かった企業業績も悪化させることになるでしょう。