順調に成長を続けているのは香港のみ

主要なクロス円各国の名目GDPの一覧グラフ

下記は、主要なクロス円の各国の名目GDPの比較です。

このグラフで、経済成長が全く減速せず途中の下落がなく、ほぼ一定して右肩上がりなのは、アメリカと香港だけです。ちなみにアメリカはおそらく来年、ドル安になります。

その理由は来年の見通しの項目でお話しをします。アメリカのドルは世界の基軸通貨でもありますから強いのは当然であり、ここでの比較にはあまり意味を持ちません。とすると、順調に成長を続けているのは香港のみです。

香港に関して私の知識でお話をすると、これは完全に相対的なものです。香港を中国の衛星国として考えて比較するとき、他に主要な国はシンガポールや台湾になると思います。

台湾は国連の加盟国ではありませんのでデータがありませんが、シンガポールと香港どちらを買うべきか、となったら、圧倒的に香港、と感じます。

USドル香港ドル月足チャート

出典: https://info.finance.yahoo.co.jp/fx/detail/?code=USDHKD=FX

香港ドルが上昇する理由は非常に簡単で、中国本土から香港に資金が流入する可能性があるからです。

しかし問題は、香港の予算が中国政府とどう関係しているのか全く分からない点です。中国政府は最近、香港自治区に対しての介入を強めていますので、政治的な不安が残ります。

香港は、USドル高になった際の影響リスクも低い

シンガポールもいいでしょうが、GDPが高すぎる国は、ノルウェーのように急落する可能性があります。その観点から考えてもやはり、シンガポールよりは香港の選択になります。

「高いものは落ちる」という法則があります。ボラティリティはもちろんシンガポールのほうが高いですが、シンガポールがUSドル高で急落した場合には甚大な被害となるでしょう。

同じUSドル高になって暴落するとしても、香港のほうが被害は少なくなる可能性が高いため、暴落が怖い方は香港のほうがよいだろうということになります。

リスク回避の観点からは「香港」、リスク選好で値幅を重視するなら「シンガポール」でしょう。

なお中国の衛星国として「オーストラリア」を挙げることもできますが、オーストラリアは中国経済に頼りすぎていますので、この先は中国と歩調を合わせて下げる可能性のほうが高いと思います。

シンガポールと香港、特に香港は、中国を完全無視するように成長をし、上昇しています。

ここで私の本音を言うと、買うとしたらユーロ円なのですが、ユーロ円はみんな買うから説明する意味がありません。だから香港について説明してみました。