おはようございます。きのう、ホルムズ海峡にて日本船籍のタンカーが攻撃を受けました。

その日は日本の安倍総理がイラン訪問を行っているときであり、結果として米国とイランの間に緊張が走っているとみるべきです。

今回はイラン情勢について解説をしてまいります。

 

アメリカのイラン制裁離脱について

今回のアメリカイラン情勢緊張は、去年の5/8にアメリカがイラン核合意から離脱したことから始まっています。

このアメリカがイラン核合意から離脱をした経緯は、正直、私にはよくわかりません。ただし、トランプ大統領が就任時に真っ先にサウジアラビアやイスラエルを訪問したことからもおわかりのように、この中東の不安定について相当な関心がることは確かです。

お忘れの方も多いと思いますが、イスラエルをトランプ大統領が訪問をし、そこでアメリカの大使館をエルサレムに移転をすると宣言したこともイラン情勢に重要なことになります。

イスラエルは建国以来、パレスチナ建国と闘争をしています。現在では多くのパレスチナ自治区をイスラエルは抱えていますが、その闘争部隊であるヒズボラをイランが応援をしていると非公式では言われています。(真偽は不明)

ヒズボラはイスラエルの存在そのものを認めておらず、イスラエルを壊滅させることを目的とする組織ですのでイスラエルにとっては到底、許すことができない組織になります。

その支援をイランが非公式ながらもしているということはイスラエルにとっては許すことができない行為になります。

つまりトランプ大統領はイスラエルが首都と認めるエルサレムに大使館を移転すると言ったことは全面的にイスラエルを支援する、と言ったのにも等しいことになります。

そこで、体制転覆を狙うヒズボラ、イランが邪魔な存在になるということは想像に難くはないと思います。

 

去年の重要な事件

まず、イスラエル・ネタニヤフ首相の汚職疑惑が持ち上がりました。ネタニヤフはシオニストの中でも相当な強硬派であり、ワシントンのクリントン政権下でパレスチナと合意された自治区の拡大を頑なに拒否し、さらにイスラエルの占領地を増やすことを画策しています。

これに対して当然、ヒズボラやPLOは反発しますが、この意向を無視して占領政策を進めるときにトランプのエルサレム首都宣言、さらに、ネタニヤフ自身の汚職疑惑にさらに選挙で敗退、その上、その選挙では与党リクードは過半数を制することができずに、再選挙というかたちになっています。

さらにネタニヤフの汚職疑惑については立件が避けられない状況です。つまりイスラエルの状況はグチャグチャな状況なのです。

そこにヒズボラが力をつけてイスラエルへの攻撃を拡大されては困るという思惑がアメリカにあるというのが真相になると思います。

さらに、トランプが就任したときに真っ先に訪問をしたのはサウジです。サウジは去年から私も再三に解説している通り、ジャーナリスト、カショギ氏のトルコ国内の暗殺事件があり、この結果、Saudiは国際社会から制裁を受けていました。

要するに西側規準では言論の自由がジャーナリスト殺害によって、保証されないことが証明されたのですから、西側企業はサウジに投資したくてもできない状況になりました。

これが、日本の政治状況であったらどうなっているか想像してみてください。もうめちゃくちゃなんです。このイスラエル、サウジ、イランの国内情勢は(笑)。

 

1回目の制裁期限

私がここまでイラン情勢について解説をしなかったのは、これに含めて、シリア、カタール、トルコ情勢が絡んでくるのです。さらにIS、トルコ国内のクルド人問題と重なる訳です。もうハチャメチャになっているのです。

さて、アメリカがイラン制裁から離脱をする際に180日間の猶予を設けています。この期日が12/1になったのですが、サウジが制裁を受けていますので、日本を筆頭に韓国、中国、インドの冬場の暖房湯需要が足りないということになるのです。

つまりイラン産の重油が市場からなくなれば、暖房湯需要や火力発電の重油が不足するために国内不安が起こるために、去年の12月には、日本、中国、韓国、インドなどの国がイランからの重油輸入を特例的にアメリカは認めたのです。

その理由はサウジが制裁を受けているので、重油の輸出ができないこと、さらに主要な重油輸出国であるベネゼェラにてクーデターの発生と、かなりのトランプが綱渡りのことをやっていたのです。

その辺を解説しているメディアは一切、ありません。ここだけです。ほかに書いてあるサイトをみつけたら、それは私が書いているものです。

肝心なアメリカはメキシコの重油輸出にアメリカが依存している国ですので、メキシコ制裁は青天の霹靂になるのです。

おそらく、私はこのアメリカへのメキシコからの重油輸出は何等かの保険がかけられているので、いきなりのツイッターでの制裁表明になっていたと想像したのですが、直前に回避をされたのはやはり何の保険もかけられていなかったことを証明していると考えています。

このような情勢が、私が書きたくても書けないような状況だったのです。つまり、石油をめぐって昨今起こっている、世界状況は全部、つながっているのです。

つまり今の原油価格というのは世界情勢を推測するのにマストのアイテムなのに、きちんとみている人はいないに等しいでしょ、私から言わせれば、それで専門家を名乗るな、ということなのです。

書く立場からすれば、どう説明すればいいのか、さっぱりわからん、というのが本音です。

つまり去年の12/1の猶予期間は、サウジのMbSが「とんでもない」ことをしでかしたおかげでトランプのシナリオが狂ったのです。それでもサウジを保護するアメリカの心中は怒り心頭でしょう。

その怒り狂ったトランプをトルコのエルドアンが制したのは、アメリカはトルコに対して弓を引けない事実となるのです。

そして今回の5/1の猶予期間を迎えて、トランプはイラン包囲網を完成させて、今回の事態となったのです。

要するに世界情勢というのはトランプ一人で中国、北朝鮮に限らず、ひっかきまわしているので、みんなうんざり、しているのです。要するに、エルサレムの問題などやらなければよいものを、勝手に引っ掻き回して、問題を大きくしているのです。

今のイスラエルは最悪ですから、その間に地域の大国であるイランの暴発をなんとかしたい、という思惑がイラン制裁の本質であると私は考えています。

機会があれば、こんどのイラン危機がいつくるかの話もしないといけないと思います。このままいけばイランは暴発する可能性が非常に高いと思います。

表面上、両国は、戦争を望まないと言っていますが、今回のタンカー攻撃もアメリカがイラン革命軍によるものであるという証拠を出していますが、大量破壊兵器もないのにイラク攻撃を敢行した国です。

去年のメキシコ国境に向かう移民の姿など、どうみても、移民ではありません。そこいらへんのセレブに歩いてくれとお願いしたものを撮影したものとしか感じられないものを証拠として出す国だ、ということを忘れないでください。

トランプの意図は、結局、イスラエル票とユダヤ票です。新規上場したリフトという会社はユダヤ人、イスラエル高官の息子の会社です。どれだけイスラエルがアメリカにとって重要な国になっていることかを考えれば、イスラエルをアメリカは切り捨てることができないのです。このあたりが真相だと思います。