おはようございます。

NY連銀が連日、短期レポ金利急騰に対して連日介入を行っています。この結果が、きょうの引け値になります。今回はこのことを解説していきたいと思います。

FOMCの決定を受けて

FOMCは0.25パーセントの金利の引き下げを決定しました。これによって、政策金利と1年物の金利の乖離がほぼ解消をしたということは以前に解説をしています。

つまりFOMC以前はマーケット金利の1年物が2パーセント以下で政策金利が2パーセント超であればマーケットから短期資金を借りるのは非常に不利な取引になった訳です。

わかりにくいので、かんたんにご説明します。

実際の金利はFOMC以前では政策金利が2パーセントを超える金利だったのですが、実際に借りられる金利は2パーセント以下だったのです。

この場合、長期でお金をかりたほうが相対的に長期の金利のほうが、金利が安いので資金需要は10年物など2年以上の長期金利で借り手はお金を借りていたのです。ところがFOMCで利下げが行われ、短期金利が下がったのです。

その結果、長期金利から短期金利への借り換えが置き、短期市場でお金が不足をしたのです。ドルの流動性の重要さはみなさんもリーマンショックのときに学んでいると思います。

マーケットというのは、換金性が非常に重要なことであり、それがドル不足によって流動性が担保されないと、経済が悪化をします。これが起こったのがリーマンショックです。

リーマンのときはみなが金融商品から撤退をし、結果として世界中の株や債券に投資されているお金がドルに換金をされたのです。この流動性を常に保証しているから金融市場は安全だ、ということが認識されているのです。

反対にチャイナショックのときのように、中国政府が株の売り出しを禁じるようなことはマーケットの信用性を著しく損ないました。理由は、売りたいときに売れない、という流動性が担保されていないからです。つまり、つねに換金が保証されていない市場は信用をされないということなのです。

要するに、みなさんがドル円を売買しているときに、あなたが売りたいときに買い手がいないたまにその決済や新規ができない市場などやる気が起こるか? という問題です。売るのに苦労するのに買い戻しも本当にできるのだろうか、と疑心暗鬼に陥るのが通常です。そうなると人気は離散がします。

一般的に人気が人気を呼ぶというのは人気にいったん火がつけばより一層の人気がつくということを意味しますが、このケースは逆で人気がなくなればより一層、人気がなくなる、ということです。

 

NY連銀の重要性

NY連銀はFRBの委託を受けて、たとえば今回の場合、利下げを行った訳ですが、その誘導目標金利まで下げるために短期国債を買うのです。

このようなオペレーションを買いオペというのですが、今回も誘導目標金利を下げたのですから発表直後からその誘導目標まで金利を下げるために買いオペ介入をするのです。

このことはわかりにくいと思いますので卑近な例でいえば、日銀がドル円相場に介入をすることを日銀砲などとみなさんは言っています。実はこの介入、実際には日銀が介入をしているのですがその指示しているのは財務省であり日銀が財務省の委託を受けているのにすぎません。

NY連銀は、FRBの委託を受けて、アメリカの国債市場に介入しているのにすぎなく、数あるアメリカの地区連銀の中でも連銀の中の連銀、と言われる理由はここにあります。つまり、こういった金利を適切な水準に導くために売り、買いのオペレーションを常に行っているのです。

これは、債券の世界では常識の範疇になりますので覚えておきましょう。

 

今回のNY連銀オペレーション

⇒ レポ金利の急上昇やまず、世界的なドル調達コストに波及
⇒ NY連銀が4日連続レポ実施へ、750億ドル供給か-市場に圧力残る
いずれもブームバーグ

この短期レポ金利急騰でNY連銀は750億ドルの介入をおこなっているとあります。

つまり、短期市場、もっと大きくいえば、4日間で750億ドルの介入、日本円で8兆円です。このお金がドル市場に供給されれば、ドルはどうなりますか? というだけの問題です。

需給の問題で、ドルが大量に供給されれば、ドルの価値が低下をするのは当然のことです。これが週末の円高の原因であり、金融市場が混乱している原因です。

 

この結末

今回、米中貿易摩擦で不景気だ、不景気だと世間は騒ぎますが、この市場金利と政策金利との乖離が短期でのドル調達コストが異常に上昇をしていたのです。

つまりお家のリフォーム資金などを、銀行などに融資を依頼しても、非常な高金利を要求されていたのです。参考までにリフォームなどは、3か月以内の資金需要がほとんどであり、結果として、すぐに返済されますのでたいていの人は安い金利で借りることができます。

今回の利下げによって、一気に短期資金需要が回復し、一斉に銀行や企業に滞留した資金が枯渇をしたのです。そこで企業や銀行の手持ちを債券を担保にお金を借りたのがレポ金利急騰の原因と思われます。

このレポ金利の急騰が次の危機につながるとか、必ずへんなことを言い出す人がいますが、実際は、景気が良いからこんなことが起こるということを忘れてはいけません。本当に景気が悪ければ、このような資金需要は起こらない、ということを理解するのが非常に大事なことです。

短期的にはこの金利急騰の影響は少なからず受け、マーケットは低調になるかもしれません。しかし、長い目でみればやはり景気はよくなる、ということです。

ここまで解説をしたウェブや専門家などないはずです。どれもこれもトンチンカンなことばかり書いていると思います。

もっともここまで書いても理解できない方はいらっしゃると思いますが、それは書き手である私の責任でもあることは自覚をしています。しかし、現時点ではこれで最高に易しく書いているつもりであり、私の能力以上のことはできません。

まだまだ努力が足りない、と思っていますので、もっとわかりやすく書けるように努力してまいります。